大学・サークルと両立しながら入門講座と過去問だけで在学中一発合格!
田中 俊博さん (20歳)
〔入門講座〕司法書士入門講座本科生
※プロフィールは、2010年合格時点のものです。
私はこうして司法書士を目指す決意をしました
私は現在大学に在籍中ですが、大学入学時より「法律相談所」というサークルに所属し、一般市民の方々をお相手に無料の法律相談を行ってきました。しかし、入りたての頃はまだ法律について何も分からず、最終的な回答の確認をしていただく先生に頼りっぱなしで、自分一人では少しも相談者の方の力になることができませんでした。そこで私はすごく悔しい思いをしたため、少しでも力をつけようと思い、努力を重ねていくようになりました。その勉強をするなかで、身近な法律問題の強い味方である司法書士に強い憧れをもち、また司法書士の先生のようになれれば、トラブルで悩んでいる人を幸せにできるのではないかと思い司法書士を目指しました。
わたしがとった学習方法
(1)勉強開始時期について
私は現在大学3年生です。私が司法書士試験の勉強を始めたのは2年前の大学1年生の後期からでした。その時はまだ独学で、学校の図書館で民法や憲法の基本書を読んで勉強をしていました。しかし、まだ大学に入りたてで法律についてはほとんど何も知らない状況だったので、やはり理解が難しく感じ、1年生が終了し、2年生に上がるまでの間の春の長期休暇から、伊藤塾の入門講座を始めました。私は実際の事件についての法律相談を受けていたので、最初から法律になじむことはとても容易だったように思います。(独学時に)特にイメージしやすい家族法分野から勉強を行ったこともイメージ掴みのためには有意義でした。司法書士試験の特色を知るために意識していたこととしては、最初の段階では全く手が出なくても、とりあえず過去問に早い段階であたって、ゴールを見極めるよう意識したことだと思います。
(2)入門段階での「択一式対策」について
択一式の試験対策として私が行ったことのうち、インプットとしては「講義を受ける」→「過去問を解く」→「テキストの該当部分を読み込む」→「過去問を解く」→「テキストを確認」の無味乾燥とした繰り返しにつきます。これは
講師がおっしゃっていたような「過去問から離れない、求心的な勉強」を意識したからです。同様にアウトプットの場面においてもそのほとんどは過去問の演習であり、例外的に伊藤塾入門講座の中で扱う問題についてのみ演習を行いました。それ以外は一切市販の問題集や、入門講座以外の択一の演習講座の問題には手をつけませんでした。その理由はインプットと全く同じ、「求心的な勉強」を目指したからです。そのおかげで最低限の知識だけを持って合格することができましたし、他に手を着けていれば1年での合格は絶対になかったと思います。
(3)入門段階での「記述式対策」について
記述式対策として私が行ったことも、大きくは上記択一の対策と同じ要領でした。つまり講師のおっしゃっていたような「求心的な」学習です。その一環として、まず伊藤塾入門講座に含まれていた「記述式基礎問題集」(非常に短い基本書式問題の集まり)を徹底的にやりこみました。この基礎問題の繰り返しは野球選手のする素振りのようなものだとおっしゃっていたので、私もそれを意識し、基本的な書式を確実に全て書けるようにマスターしました。不登法も商登法も同様の方法で行いました。より実践的な演習においても、過去問のみを扱い、(2)と同様、それ以外の市販のテキストや中上級の講座を無理にとるようなことはしませんでした。つまり、
この試験の合格のために私がやったものは入門講座のカリキュラムと過去問のみです。他の問題に手を出さなかった事で、過去問を通し、ゴールである試験官の目線というものが意識できていたのだと思います。
(4)試験当日について
試験当日、まず午前の部については10分くらいの余裕を残してすべての問題を解き終わり、見直しの時間に充てました。午後の部では1時間10分ほどで早めに択一式を解き終え、一度気分を入れ替え、残りの時間をたっぷりと使って記述式の問題にあたりました。
(5
)総論
合格ポイントとしては、とにかく求心的な勉強に徹した事だと思います。それは
常に過去問やテキストを完璧にすることのみを考えた勉強であり、他の余計な問題を解かなかった事で、時間をすべて最小限の知識を身につけるためだけに使うことができました。反省のポイントとしては、記述式の試験レベルの難しい問題に取り掛かるのが割と遅い段階であったので、直前まであまり力がつかず焦ってしまった事であると思います。各科目の勉強方法として、憲法、刑法は伊藤塾のテキストレベルだけをしっかり押さえて、それ以上は首を突っ込まない事が重要だと思います。逆に民法・商法は常に試験日まで常に繰返しを怠らない事です。すこしやらないだけですぐにあいまいになってしまいます。不登法・商登法は一度しっかり理解してしまえばコンスタントに得点できるので、正確な知識を意識した勉強を、その他広義の民事訴訟科目は、出題数自体は少ないものもありますが、合否を分けるのはここだと思うので、捨て問を作らないような勉強をすべきです。
スケジュールの管理について
私は大学の授業、法律相談のサークルなどあったのでそれなりに両立は大変でした。そこで、勉強をする点で意識したのは、できるだけ勉強時間を確保するようにすることでした。そのために、自分が無意識に無駄にしてしまっている時間(たとえば、テレビを見てしまっている時間、ボーっとしてしまっている時間など)を見直し、できるだけ減らすようにしました。気がつけばテレビを見てしまうこともあったので、直前期にはテレビを片づけたりもしました。睡眠時間も必要最低限の時間だけを確保し、できるだけ早く起きて勉強をしたりしました。
最後に
私は幸運にも在学中に受かることができました。そこで今年、伊藤塾の主催の在学合格者座談会に出席させていただいたとき、他の合格者の方とお話をする機会がありました。そこで、皆さんが合格でお終いではなく、民間や司法試験に挑戦していこうという考えをお持ちであると伺い、自分も、もう一年間ある大学生活で司法試験(ロースクール)に挑戦してみようかと思いました。特に在学中で合格することは自己の可能性を最大限に生かせると思います。
大学生の方は特に短期合格しやすいので、在学中に合格できるよう頑張っていただければと思います。
(2010年11月・記)