広域で異動の可能性がある公務員からの転業。家族や将来を考えたときの答えが司法書士にありました。
T.Tさん (37歳)
受験回数:5回
主な受講講座
【入門講座】 入門講座本科生(山村クラス)
【中上級講座】 中上級コース
【直前対策講座】 全国公開模擬試験
私はこうして司法書士を目指す決意をしました
弱い立場にある人の力になれる仕事がしたいという思いがあり、大学在学中に司法試験の勉強を始めました。しかし、思うように学習が進まず、結果も出なかったため、方向転換して公務員になりました。
現在の仕事は広域で異動する可能性があるため、将来、親の介護などで実家の近くに住む必要性が生じた場合のために、市民に身近な法律家である司法書士の資格を取得したいと考えるようになりました。
伊藤塾を活用した私の学習方法
入門段階の学習法
入門講座は山村クラスをインターネットで受講しました。講義を聴いた後は、重要と指摘された事項を意識してテキストを読み込み、入門講座に付属している記述式の基礎的な問題を解いたり、時間があれば択一の過去問(平成10 年以降の民法と不動産登記の過去問)を解いたり読んだりしました。
山村クラスでは、早い段階から「答案構成」に力を入れた記述式対策が行われます。基礎的な記述式の問題を早い段階から解くことで、記述式が好きになり、記述式を解答するうえでの基礎が身につきました。
また、山村講師は理解に重点を置いた講義を行うため、入門段階で、趣旨に遡って考える基礎的な力をつけることができました。択一式で残り2択で迷った時、趣旨から考えて正解肢を導く力は、この段階で身についたのだと思います。
中上級段階の学習法
平成24 年には中級コースを受講しました。北谷馨講師の「択一合格エッセンス講座」は、重要事項が一問一答形式でまとまっていて、短時間で重要事項をおさらいすることができました。
蛭町浩講師の「書式を原理原則で解く講座」では、書式の問題を解く際の骨太な思考力が身につきました。高城真之介講師の「択一実戦力養成答練」では、知識面のみならず、問題を解く順番などの戦略的な面も指導していただき、非常に参考になりました。「択一直前総整理講座」は、択一式問題を解くための知識と解くべき問題が、大胆に絞り込まれており、繰り返し解くことにより、択一の得点力が向上しました。
山村講師の「記述式答案構成力養成答練」では、実際に問題を解き、山村講師の解説講義で答案構成の思考プロセスを学ぶことで、記述式の安定的な解答力を身につけることができました(平成25 年の本試験は、午前29 問、午後25 問で、午後が基準点に届きませんでした)。平成24年に受講した講座数が、自分の可処分時間と比較して多かったため、平成25 年は講座を絞って受講することにしました。「択一合格アドバンス講座」では、テキストの図表がよくまとまっており、効率良く重要事項をおさらいすることができました。
山村講師の「記述式答案構成力養成答練」では、前年と同様、実際に問題を解いて、解説講義で山村講師の思考プロセスを学ぶことで、多少ミスしても大崩れはしない盤石な基礎力を身につけることができました。
蛭町講師の「うかる!記述式」は、分量が非常に多く、制限時間を大幅に超える時間でしか解くことができず、心が折れかけましたが、それを乗り越えることで、時間がない中でも絶対にあきらめないタフさが身につきました。
その他には、前年受講した「速解記述式パターン60」の問題と「択一直前総整理講座」の問題及びテキストを繰り返しました。
伊藤塾講師へのメッセージ
伊藤塾の講師の方々の受験指導に対する熱い思いが、合格までの私の心の支えになりました。本当に感謝しております。
筆記試験に合格して、講師の方々が本当に厳しい世界で日夜戦っていることを感じ、その覚悟の大きさのようなものに畏敬の念を抱かざるを得ません。
伊藤塾の講師の方々の指導を受けた者として、誇りを持って、今後、法律実務に携わっていきたいと考えています。
司法試験からの転進について
司法試験の勉強を本格的にしていたとはいえない状態だったので、あまり参考にはならないかもしれませんが、司法試験と比較して、司法書士試験は、覚えるべき知識量が多く、また、かなり細かな知識を覚える必要もあります。覚えるべき知識を整理して使いこなす方法を学ぶためにも、伊藤塾のような受験指導校の講座を受講するのが合格への近道だと考えます。
仕事との両立について
昨年、午後択一が基準点に届かなかったとき、仕事をしながら合格することの厳しさを感じました。しかしながら、仕事を続けることで、妻子を養うことを含めた生活の安定や、精神の安定を得ることができましたし、仕事を通じて尊敬できる司法書士の先生方と出会うことができ、モチベーションを維持することもできました。家庭がある方は、可能な限り、お仕事を辞めずに続けられることをおすすめします。
可処分時間が少なかったため、通勤電車の中で、スマホで撮影したテキストの図表を確認したり、ミスノートを見たり、スマホにダウンロードした六法のアプリで条文を読んだりして、細切れ時間を活用するようにしました。
家族の理解がないと勉強を続けられないため、子どもの行事にはほぼすべて参加し、洗い物や風呂掃除などの家事も分担し、妻の自由時間を週に数時間は確保し、本試験後は家族で旅行をするなどして、家族の理解を得る努力もしていました。
最後に
法務局の掲示板で自分の番号を見つけた後、妻に電話をしました。
「あったよ。」と冷静に筆記試験合格の報告をする予定でしたが、「あっ…」と声は発した途端に涙があふれ出し、止まらなくなりました。いい歳をして、法務局の建物のすぐ外で、号泣しながら、電話で妻に筆記試験合格の報告をしました(妻は、私が泣いて報告をしたので、合格したのか不合格だったのか、よくわからなかったようです)。私に勉強を続けさせてくれた妻と娘には、本当に感謝しています。本当にありがとうございました。
また、東日本大震災による津波で被災した際、無償で教材を貸与してくださった伊藤塾の皆様には本当に感謝しています。本当にありがとうございました。
最後になりましたが、司法書士試験は厳しい試験です。何度も挫けそうになるかもしれません。本気になって努力したのであれば、合格と不合格は等価値なのかもしれません。しかし、勉強することが許される環境にあるのであれば、感謝の気持ちを忘れずに、あきらめることなく、全力を尽くして勉強を続けていただきたいです。真摯な努力が運を引き寄せることもあると感じるからです。真摯な努力を続ける受験生の皆様の合格を心よりお祈り申し上げます。