過去の失敗体験を反省し、過去のアドバンテージを活かす
一発合格の秘訣はそれを徹底しただけ
私はこうして司法書士を目指す決意をしました
私が司法書士を目指そうと決意したのは法律家への再挑戦です。旧司法試験の受験生だった私は、弁護士になることを志して試験を受けていましたが、自分の力の限界を感じて受験を断念しました。しかし、もう一度法律家へ挑戦してみたいという気持ちが沸き起こり、以前から興味があった司法書士への転進を決意しました。
伊藤塾を選んだ理由は、旧司法試験で伊藤塾長の講義を受けてお世話になったことがあり、講義の内容やテキストは信頼できると実感していたからです。何の迷いもなく伊藤塾を選びました。
ちなみに、10 年以上は音信不通だったにもかかわらず、当時の受講生番号が残っていて、使用可能なことにはとても感動しました。
伊藤塾を活用した私の学習方法
入門段階の学習法について
2015 年目標の「入門講座」を2015 年3 月から受講しはじめました。本来なら2016 年目標の「入門講座」を受講すべきなのでしょうが、早く学習を開始したかった私は2015 年目標の「入門講座」を選びました。講義はかなり先まで進んでおり、未受講の講義が何百時間とありました。そこで、勉強方法としては、ひたすら山村拓也講師の講義を聴くことに徹しました。山村講師の講義は理解しやすく、重要度に応じてAランク、B ランクなどとランク分けをしてくださったので、復習するときにメリハリ付けて学習することができました。そして、「入門講座」の段階で記述の問題に取り組めたことは短期合格を果たすうえでの土台になったと思います。
中上級段階の学習法について
年明け(1 月~ 3 月)
昨年の本試験を仕事で受験できなかったことと、勉強すればするほどこの試験の困難さを実感することになりある程度まとまった時間で学習することで合格レベルまで引き上げたいと思い、年末で思い切って仕事を辞めました。仕事を辞めたことで「今年絶対に合格する」という気持ちを持てたことが、合格の強い原動力になったと思います。
択一に関しては「択一実戦力養成答練」と「択一クイック総整理講座」を受講しました。
「択一実戦力養成答練」では時間内に解答するということに重点を置き、5 肢全部を検討するのではなく、2 肢3 肢で判断して解答していくというスピードを養うことができました。
「択一クイック総整理講座」は学習のペースメーカーとして利用しました。テキストは基本的かつ重要な事項を中心にしてコンパクトにまとめられているので、合格に必要な最低限の知識の修得に役立ちました。このテキストを中心に直前期には何度も繰り返し読みました。両講座のおかげで本試験では午前29 問、午後の択一式は57 分で28問正解できました。
記述に関しては、「記述式答案構成力養成答練」を受講しました。山村講師がライブの受講生に質問しながら解答手順を示す講義は斬新で緊張感があり、私はWeb での受講でしたが山村講師の質問の答えを毎回考えながら講義を聴いていました。この解法手順を覚えて自分のものにすることで、記述に対して苦手意識をもつことはなくなりました。
本試験での記述式の得点が、不登法が25 点、商登法が26.5 点とかなりの高得点だったのはこの講座のおかげでもあると思います。
直前期の学習法と試験当日について
3 月の下旬にあった伊藤塾の「プレ模試」ではじめて午前2 時間、午後3 時間の試験時間を経験しました。1 月から3 月までみっちり勉強していたことである程度自信を持ってテストに挑んだのですが、午後の択一でかなりの時間を費やしてしまい、記述の方はほぼ白紙の状態になってしまいました。このままでは今年の試験に合格できないと強い緊張感を抱き、よりいっそう勉強に力を入れました。
最後に
私が難関の司法書士試験を1 回で合格できたのは、過去の私を反面教師にしたことにあると思います。旧司法試験ではモチベーションを維持し続けることができなかったことと新しいことに手を延ばしすぎたことが原因だったと分析しました。ですから、この2 点について気を使いながら今回の司法書士試験は臨みました。
努力して勉強するよりも、努力してモチベーションを維持することが大切だと思います。モチベーションを維持すれば自然と勉強します。受験を決意したときの初心を忘れないようにしましょう。この合格体験記を読んで合格のイメージを常に持ち続けてください。私はいつでも読めるように机の側に置いていました。
司法書士試験の試験範囲は膨大です。新しいことに手を出すよりも手持ちのテキストや問題集を何度も繰り返しましょう。勉強方法としてはシンプルなのです。何度も繰り返すこと、ただそれが意外にできないのです。正直私は何度も繰り返すことに飽きてきていました。この勉強方法で合格できるのかと悩みました。しかし、私は本試験までこの勉強方法を貫き通しました。過去の失敗があるからです。
受験生のみなさんは以上の点に留意しながら来年の合格を目指してほしいと思います。
やればできる。私にもできた。あなたにもできる。心より合格されることをお祈り申し上げます。
家族に合格という結果を伝えることができてホッとしました。家族の応援がなければ合格はなかったともいます。感謝しています。今後は司法書士として専門性を身につけ、プロとしての意識を持って仕事に取り組んでいきたいと思います。