試験対策には最新情報の入手も大事!
独学はギャンブル性が高いので要注意

S.Iさん(30代)
会社員
★働きながら合格

◆受験回数 8回
◆主な受講講座
中上級講座》択一式スキルアップ講座、演習コース
直前対策講座》択一式登記法集中演習講座、
 プレ模試、全国公開模模擬試験

私はこうして司法書士を目指す決意をしました

 大学卒業後、就職が決まっていたものの体調を崩し、内定後の本採用が取り消されてしまいました。一時は途方にくれましたが、昔から「手に職」というものが欲しいと考えていたこともあり、何か資格をとろうと再スタートしました。法学部出身ということで、司法試験なども考えましたが、法科大学院の学費も高く、働きながらの学習も難しいため、経済的・時間的にも司法試験よりも手が届きそうな司法書士を目指すことにしました(この考えが甘かったことを後々思い知らされることにはなるのですが)。

伊藤塾を活用した私の学習方法

入門段階の学習法について

 入門講座は他の受験指導校を利用しました。受験指導校の講義を受けつつ過去問で復習をしていました。大手の受験指導校ではありましたが、今考えると司法書士試験の難化に対応しきれていなかったように思います。入門講座の中に、記述式試験の独立したテキストや講義はなく、「記述式は択一式の延長で、択一式の点数が取れるようになれば記述式は自然と点が取れるようになる」といった指導が平然となされており、蛭町浩講師や山村拓也講師が聞いたら卒倒しそうな内容だったと思います。
 この後、金銭的・時間的な理由と通っていた受験指導校が自宅の地域からなくなってしまうといった理由から、この指導を念頭にしばらく独学を続けるのですが、受験期間が長期化した大きな原因はここにあると悔やんでおります。
 司法書士試験にとって、最新情報は本当に大切です。司法書士試験の特徴として、改正分野をすぐ出してくるようなことがあります。択一式である以上仕方ないですが、改正の前後で正誤が真逆になってしまうこともありますので、神経を使うところです。最新情報の入手とモチベーション維持のため、多少なりとも講座を利用すべきで、独学はギャンブル性が高いと思います。

中上級段階の学習法について

 入門講座受講後は働きながらであったため、なかなかまとまった時間は取れませんでしたが、少しずつ伊藤塾の講義を通信で受けるようになり、1 年目は択一式基準点越え、2 年目は択一式記述式基準点越え、3年目で合格と駒を進めることができました。
 今年度の学習を中心に紹介しますと、過去問は十分繰り返していたつもりでしたが、基準点の上乗せを図るためにも過去問に穴がないようにしようと思い、「択一式スキルアップ講座」を受講しました。過去問の解説が中心ですが、時間のない人が効率よくおさらいするにはちょうど良いボリュームだと思います。また、重要であるにもかかわらず、自分が見落としていた部分も発見できるので気を引き締めることができ、とてもよかったです。
 年明けは高城真之介講師と山村講師の「演習コース」を受講しました。必ず取らなければいけない問題や未出の問題、改正分野など答練から得るものはたくさんあると思いますが、モチベーションの維持に重要な役割を果たします。時間のない方は、受講・復習に追われることにはなりますが、無理やりにでもついていけば、それが力につながると思います。

伊藤塾の各講師陣についての感想・各講師へのメッセージ

髙橋智宏講師

 髙橋講師の受け持たれていた講義は、どれも痒い所に手が届くような講義でした。テキストも講義内容も、とてもよくまとまっていて、試験直前まで繰り返し使えるようなものばかりでした。ベテラン受験生の中には若い講師に抵抗がある人もいると思いますが、とても誠実な印象で、受験をはじめたころの気持ちを思い出しました。

山村拓也講師

 山村講師が講義中におっしゃった「仕事をしていることで加点があるような試験ならいいですが、そういう試験ではないのだから仕事を言い訳にしてはいけませんよ」という言葉を聞いたとき、ハッとしました。わかってはいるつもりでしたが、どこかにそういう気持ちがあったのだと思います。山村講師は常に穏やかな口調で、説得力があり、とても信頼ができました。

仕事と勉強、両立の秘訣

 私の仕事は日中に出勤し、土日のみが休みで、ゴールデンウィークを含めた祝日やお盆休みはない仕事をしながらの受験でした。時間はどうしても足りませんので、勉強が消化不良で終わることが多かったです。
 時間のない方は、「択一式スキルアップ講座」や「演習コース」のように、先に問題を解いて後から講義を聴くタイプで通信の講座が良いのではないかと思います。問題は空いている時間にできますし、問題を先に解くことで予習ができているので、講義は倍速の早回しで聴いても、ある程度頭に入ってきます。
 また、講義やテキストを一から十まで消化しようとせず、あまり重要でないと思った場合は、いつまでもそれに気を揉まずに、時間がない時にはバッサリとカットしてしまう勇気も必要だと思います。不安は残りますが、重要だと思っている部分が消化不良になるよりは良いと思います。

最後に

 やめようかなと思うことが何度もありました。しかし、ある程度の知識がある受験生にとって、司法書士試験の勉強は続けることの方が簡単で、やめることの方が難しいと思います。社会人受験生や通信で学習している受験生は、孤独で心が折れそうになることもあると思います。
 でも、悩んでいるということは、おそらくやめることはできません。事情が許すのであれば、司法書士試験の受験をやめるのは合格した時しかないと思います。だから、やめるのは諦めましょう。長く勉強を続けている自分を責める必要はないです。余計なことはなるべく考えないように、どうか合格まで淡々と続けて欲しいです。