独学で合格は甘かった
忙しい人こそ信頼できる講師に頼って下さい
私はこうして司法書士を目指す決意をしました
社会人10年目に、学生時代からの法律家になりたいという夢がどこかでまだくすぶっていたところ、簡易裁判所の代理人になることができ、「身近な街の法律家」として活躍できる司法書士を知り、憧れて勉強をはじめました。
伊藤塾を活用した私の学習方法
①中上級段階の学習法について
勉強をはじめてから5年間は、以前に司法試験の勉強をしていたことや、独学で行政書士試験に合格できたため、司法書士試験も市販のテキストを使い独学でいけるだろうと甘く見ていました。しかし、5回目の受験を終え、これではいくらやっても駄目だと気づき、演習コースを受講することにしました。
「演習コース」を受講した1年目は高城真之介講師が「択一実戦力養成答練」をご担当されておりました。講義を受ける前までは漫然と過去問を解いていましたが、この講義を聴いてからは実践的な解き方が身につきました。中身の方はこれまで基礎的なことが身についていないので、毎回高城講師から発表される基準点に程遠く、講義自体も正直ついていけていませんでした。そのため、受講2年目は、基本をしっかりと定着させることが大事だと感じ、年明け後の「択一実戦力養成答練」を意識し、年内は基本事項を中心にテキストを読み込みました。その結果、前年には一度も超えることができなかった高城講師の発表する基準点ですが、はじめて超えることができました。その時のプチ感動はたまりません。受講3年目からはご担当が宇津木卓磨講師に代わりましたが、宇津木講師の解説は色ペンを使い分け、覚えるべきところとそうでないところのメリハリをつけ、ポイントを的確に指摘されるので、復習が非常にやりやすかったです。テキストも表形式で知識がまとまっており、混同しやすい先例知識の比較や重要な判例等、出題テーマに沿った応用知識も新たに加わり内容の濃いテキストでしたので、復習の際はこのテキストを中心に勉強しました。
一方、記述式は、年内は蛭町浩講師の「司法書士記述式対策 フレーム・コントロールシリーズ」(弘文堂)の書籍を使い、毎日欠かさず不登法と商登法のひな型の勉強を交互に20分ずつやりました。あのテキストは基本から応用まで網羅しており、また、毎回違う気づきを与えてくれました。年明け後は、毎週土曜日に山村拓也講師の「記述式答案構成力養成答練」を受講しました。解説講義の時に山村講師がする質問は、講師がおっしゃたようにインターネットクラス受講であろうと自分が質問されたと想定して毎回回答するよう努力しました。あの質問は記述式を解くにあたって大事な基本知識なので、ぜひ自分が質問されているというつもりで取り組むべきだと思います。解説テキストも重要な知識が詰まっていますので、復習は講義後に解説テキストを読み、毎日1問「記述式答案構成力養成答練」の問題をやり、そして再度解説テキストを読むということを繰り返しました。なお、復習段階で「記述式答案構成力養成答練」をやるにあたっては、講義の時よりも短く時間を設定しました(受講1年目、2年目は1問40分、3年目は30分)。その結果、模試や本試験の際に思いのほか、スピード感を持って記述式に対応することができるようになりました。
②直前期の学習法や試験当日について
この時期からは「択一実戦力養成答練」の解説テキストの知識を中心に記憶し、「記述式答案構成力養成答練」は講義の際に言われたように試験前日までに最低3回繰り返しました。今年は「うかる!択一式」を受講しました。この講義は択一の予想論点を兼ねているため、テキストが必要な知識に絞り込まれており(かつ内容も充実している)、この時期に択一用の知識全体を何度も見るには最適でしたので、直前まで可能な限り読み込みました。付属のドリルも試験前日に朝から解いて翌日の試験に臨みました。記述に関しては昨年と今年は「うかる!記述式」を受講しました。講座の問題が基本事項のみならず旬な先例も織り交ぜたものになっており、毎回脳をフル活用させられ勉強になりました。
5月からは試験前日までの時間の価値が毎週変わるため、1週間ごとに択一・記述でやるべき復習メニューを細かく決めました。特に5月最終週から6月第一週の約2週間かけて、解説を読まず1肢ずつ○×判断だけする方法で過去問を一回りさせていました。これは直前期の知識確認に有効な方法でした。なお、過去問はたくさん解くというよりは、「司法書士過去問伊藤塾セレクション」(法学書院)を何回も解くことで十分ではないかと思います。
試験当日は忘れもしません、不動産登記法の記述式で択一式ではよく見る地役権が登記事項にあったときは頭が真っ白になりました。そのためか、相続分が一瞬わからなくなる、ひな型は間違える、添付書類をひとつも書けない、というありえないほどの事態となり、最悪でした。ただ、自分がわからないと思ったものは他の人もわからない、という山村講師の言葉を思い出し、きっと皆もわからないだろうと思い込んだことで、精神状態を少し取戻し、何とか商業登記法で挽回できたのかと思います(試験後の分析会で、今年の不動産登記法の出来がいいと聞いたときはもうだめだと思いましたが・・・)。
伊藤塾の各講師陣についての感想・各講師へのメッセージ
高城真之介講師
インターネットクラス受講だったので、直接お会いすることはできませんでしたが、一昨年及び昨年と「択一実戦力養成答練」ではユーモアを交えた講義とともに、択一試験の解き方のスキルを教えていただきました。ありがとうございました。
宇津木卓磨講師
今年の「択一実戦力養成答練」ではお世話になりました。メリハリの効いた講義で非常にわかりやすかったです。また「うかる!択一式」もコンパクトにまとまった教材とわかりやすい講義で直前期の効率的な学習の一助になりました。ありがとうございました。
蛭町浩講師
「うかる!記述式」を昨年と今年受講させていただきましたが、これを受講したことで本試験の記述に対して気持ちの面で優位で臨むことができました。また「フレーム・コントロールシリーズ」の書籍は良書で、直前まで活用させていただきました。ありがとうございました。
関信敏講師
直前期に企画された「過去問向上委員会」は毎回楽しく、かつかなり濃い内容で勉強になりました。この企画は今後もぜひ継続して欲しいです。ありがとうございました。
山村拓也講師
山村式の答案構成に出会わなければ、合格は無理だったと思います。司法書士試験の記述式対策としては必須ではないかと思っております。また、インターネットクラス講義でしたが、見透かされているかのようなタイミングで萎えた気持ちを奮い立たせていただきました。ありがとうございました。
最後に
当初の私のように独学で何度も受験されて合格される方は、1回とか2回で合格した方よりも合格発表の時の感動は今までの苦労を考えると比べものにならないと思います(合格発表はぜひ法務局に行くべきです。自分の番号があったときの感動は体験した方でないとわかりません)が、独学はメリハリが効いた勉強もできず、教材代もそれなりにかかること、また、司法書士試験に合格することが目的ではなく1年でも早く合格して実務家になることが目的だと思いますので、プロの講師に教えてもらうことがやはりベストだと身をもって感じております。
また、社会人受験生はとにかく時間との戦いかと思います。①夜ではなく朝を活用することはやられる方が多いと思いますが、②ストップウォッチで時間を図ることは意外とやられていないと思いますので、おすすめです。私はだらだらと勉強しないように、40分間隔で科目ややることを変えていました。これは本試験の時の時間戦術に役に立つような気がします。
最後に週末も朝から勉強している自分に文句も言わず、ただ見守ってくれた妻に感謝いたします。そして合格したうれしさもありますが、今は一人の資格者として責任も感じはじめております。今後も日々精進して一人でも多くの方のお役に立てる司法書士になりたいと思います。
今までやってきた答案構成の束。