可処分時間に応じたテキスト、
問題集を何度も繰り返すことが大切
私はこうして司法書士を目指す決意をしました
正規職員として働いていますが、年齢を重ねてから家族ができたため、定年後も一定の収入が必要な状況になりました。このご時世、歳をとってからの再就職は困難と見込まれることから、選択肢のひとつとして独立開業ができる資格を探していたところ、法学部出身ということもあり、司法書士に狙いを定めました。
伊藤塾を活用した学習方法
合格した年は「演習コース」と「全国公開模擬試験」を利用しました。
「演習コース」の択一式は科目ごとに行われるため、ペースメーカーとして活用しました。例えば、民法であれば3回実施されるので、その間に民法のテキストを読んだり、問題集を解いたりしてから演習に臨むようにしました。ただ、民法の中で範囲が指定されていないため、1回目の演習までには民法の全体の3分の1を終わらせてから臨むといった感じで、テキストの読込みなどを行っていました。そのため、1回目は3分の2の範囲が未了の段階で臨むことになりますが、そこは割り切って対応しました。
他方、記述式は、択一式に時間を取られてしまい、演習の資料が送付される期間中はテキストの読込みを中心に行い、演習問題は大まかな枠組みを捉えることができるか?程度のチェックに使うくらいでした。そのせいもあり、直前まで記述式の点数に伸び悩みがありました。
模擬試験は、リーズナブルな価格設定もあり、概ね受験期間中は毎年受けていたように思います。問題のレベルなどから考えてもオススメできます。(ちなみに、成績の良くない方への参考になるかも…ということで。模擬試験を何回も受けましたが、一度たりとも午前択一、午後択一、記述を同時に足きり基準点を超えたことはありません。恥ずかしい限りです)
不安や疑問の解消とモチベーションアップ
直前期以外は時間も限られており、できる範囲のことやっていく、という方針で準備をしていたため、不安を感じたら(試験日までに準備が間に合うよう)勉強方法を変更するということをしていました。ただ、これは受験生活の長期化を生んだ原因のひとつと言えそうです。つまり、自分を甘やかしてしまう逃げ道を作った感じです。
直前期は落ちた年も含めて、準備をやりきるために、7月、8月は思いっきり羽を伸ばすために何をするのか、頭が疲れた時に思い浮かべていたように思います。
伊藤塾の各講師についての感想・各講師へのメッセージ
直前期の気合い入れ講座は、伊藤塾の各講師が勢揃いし、多種多様な内容です。
気合いを入れるとともに直前期の緊張緩和に活用されてはいかがでしょうか。特に、坂本龍治講師の淡々とした司会ぶり、小山晃司講師恒例の応援歌など何気にお気に入りでした。
自身の受験経験を踏まえた、成功例、失敗談など
兼業受験生で時間が足りないことを分かっていながら、厚いテキストを買ってみたりしました。しかし、時間のない中でしっかりと読み通すこともできず、中途半端な状態で本番に臨むことになってしまい、撃沈しました。やはり、可処分時間に応じたテキスト、問題集を選択し、何度も繰り返すことが大切だと思います。
つまり、専業受験生として時間を確保できるのであれば、厚いテキストでしっかりと勉強する方が良いでしょうが、可処分時間の少ない人は、例えば「うかる! 司法書士必出3300選」(日本経済新聞出版社)を基本的なテキストとし、厚いテキストで補充しながら、3300選をしっかりと何度も繰り返した方が合格への早道だと思います。
このことがしっかりと理解できていたら、今年度よりも前に合格できていたと思います。
現在学習中、またこれから学習を始める方へのメッセージ
正直なところ、私は今年度の合格者の中で受験勉強の準備が質、量ともにもっとも劣っているという自覚があります。不合格者の中には私よりもよほどできる方がいらっしゃると思います。
今年度でいうと偶然にも午後の択一式が難化し、それに引きずられる形で時間不足となり、記述式の基準点が下がったように推察します。そのような状況の中で択一式は適度に割り切って回答し、記述式の回答時間をしっかり確保することができたため、ギリギリ合格ラインに乗ることができたように思います。実際に成績通知を見てもわかります。
受験期間中、何が起きるかわかりません。しっかりと準備をしつつ、異常事態に備え臨機応変に対応する柔軟性も持ち合わせた方が早めに合格できるのではないでしょうか。