森 俊章さん(20代)

◆受験回数 5回
◆主な受講講座
入門講座》入門講座本科生(山村クラス)
中上級講座》アドバンスコース
直前対策講座》全国公開模擬試験

受験勉強中に私なりに工夫したこと

私は、不器用な人間なので、例えば、忘却曲線を基にした暗記をするような器用なことはできませんでした。なので、普段使っているテキストに情報を集約することを徹底し、そのテキストを繰り返す勉強をしていました。過去問や答練、模試を解き、あやふやな知識は、テキストの該当箇所を強調し、知らなかった知識は、新たに書き加えていき、テキストの復習をすることで必要な知識へアクセスできるようにしていました。特に珍しくもない勉強方法ですが、私のような、確立した方法論がなく、勉強方法を模索していた者にとっては、かなり有効であったと思います。
しかし、受験生活を振りかえってみると、モチベーションの管理が最も大変であり、工夫しなければと思慮を重ねても、結局工夫できるに至らなかった難しい問題でした。私の場合、完全に専業受験生だったので、勉強時間は、どの受験生よりも確保できていたはずでしたが、受験回数も重なり、新鮮味を感じることができなくなってしまったことで、ダラダラと日々を送ってしまっていました。ところが、前述したテキスト集約型の勉強方法のおかげで、最低限の勉強を継続でき、実力の低下を抑えるができました。例えば、本試験まで日数があるときは、二週間や一月でテキストを一周する勉強に留め、勉強から離れることがないようにしていました。
「合格した年は、自分が最も努力して勉強できた年。」と胸を張って言えることが理想であり、それを実践できた合格者も多いかと思いますが、一方で、自己嫌悪に陥りながらも、ギリギリのところで勉強を継続し、気が付いたら合格できていた人も少なくないはずです。私は、後者でした。受験生の皆様の中にも、思ったように勉強に向かえずに悩まれている方がいらっしゃるかと思います。どうかご自身を責めないでください。勉強量に物足りなさや不安を感じたとしても、最低限やれる分量だけをこなすことで、合格への歩みを進めることになりますし、合格を果たすこともできるはずです。

伊藤塾のこの講座が良かった

宇津木卓磨講師が担当されている「択一合格アドバンス講座」のテキストを、基本テキストとして使用していました。このテキストの特徴のひとつに、コンパクトであるという点が挙げられますが、合格に必要な知識を削いでいるわけではなく、やや上級者向けではありますが、説明を省いた端的な文章や表を用いる構成になっています。
さらに、講義中に講師が細かくラインマーカーを使う箇所を指示してくださるので、重要箇所と、そこまで重要でない箇所が可視化され、よりいっそうの軽量化がなされます。これにより、勉強時間を多く確保するのが難しい方でも効率的に勉強することが可能になります。
それならば、専業受験生のように勉強時間を多く確保できる人には適さないかというと、決してそうではないと思っています。繰り返しになりますが、本テキストは、表記の仕方がコンパクトなだけであり、アドバンスコースに含まれるだけあって、情報量は多いものになっています。なので、テキストの範囲内で手を広げて勉強することで、試験対策上不要な知識に触れることなく、細かめの知識も網羅することができ、専業受験生にとってもやりごたえのある内容のテキストといえます。
慣れてくると、私の場合、30~40時間ほどでテキストを全科目読み切ることができるようになりましたが、とりあえずテキストを何周も繰り返し読むだけで、かなり実力が養われると思います。

学習中の方やこれから司法書士試験を目指す方へのメッセージ

この試験は、本当に過酷な試験だと思います。合格レベルに達するまでにも、かなりの勉強量を要求されるにもかかわらず、そこから実際に合格するまでにも、さらに勉強を継続しなければならないからです。
思うに、合格レベルに達する年と、実際に合格する年は必ずしも一致せず、数年のラグが生じるのも珍しくはないのではないでしょうか。私の場合、合格する前年は、伊藤塾の「全国公開模擬試験」を二回受け、二回ともA判定をもらい、自信をもって本試験に臨みましたが、結果は、午前択一で基準点に届かず、不合格でした。勉強のやり方が間違っているのか、自分の能力では合格できないのか等の考えが浮かび、司法書士を諦めることを選択肢のひとつとして悩みました。そして、悩みは解決できませんでしたが、まだ諦めるには早いと、なんとか自分を鼓舞し、翌年の合格を成し遂げることができました。
合否をわけるのは、時には、めぐり合わせのような不条理なものかもしれません。一年に一度しかない本試験において、そのような不安要素があるのは本当に怖いことです。諦めずに勉強を続けてくださいなどと軽々に言えないことは十分承知しておりますが、もし、わずかでも司法書士になるという信念が残っているのなら、その想いを尊重し、勉強を続けてください。合格を祈念しております。

記述の勉強の跡です。左が答案構成用紙で、右が答案用紙です。厚さは、約12cmでした。

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