私が司法書士を目指すことにした理由・想い
私が司法書士試験を目指す前は、大学卒業後に介護福祉分野の仕事に就き、介護系の資格も複数取得しやりがいも感じながら働いていました。しかし、30歳過ぎたあたりに将来独立して働いていきたいという気持ちが強くなり、様々な資格を調べる中で司法書士という資格を知り目指したいと考えるようになりました。
その当時私には3歳と1歳の子どもがおり、家も新築したばかりで、資格取得にかかる費用と学習時間に対する妻の理解が重要でした。
そこでまず、独学で費用を極力かけずに宅建の資格を取得し、その後司法書士に比べ比較的安価な行政書士試験に臨み(伊藤塾講座受講)、運よく一回で合格し、晴れて司法書士試験に挑戦することとしました。はじめから司法書士試験に臨んでも理解を得られたのかもしれませんが、自分なりの本気度を妻に示したかったのと、大きな試験の前に少しで自信をつけたかったというのが理由でした。
受験勉強中に私なりに工夫したこと
前述した通り、仕事、家事、子育てがある中で、資格取得を生活上の優先順位の上位にあげることができない状況で合格を目指しました。自分に言い聞かせていたのが、1日の時間で仕事と子育てを含めた家事の時間を差し引いた時間が自分に与えられた勉強時間なのだから、仕事と家事は今まで通り手を抜かずにやろうということでした。
その結果、合格までに何年もかかるかもしれないけれど、絶対に合格まであきらめずに続けようと思っていました。もちろんはじめから何年もかけるつもりはなく「1、2年で合格してやる、長くても3、4年で合格できるだろう」と本気で思っていました。
私の生活上勉強できる時間は子どもが寝ている間の早朝か深夜、又は平日仕事休みの際の日中でした。夫婦共働きで休みがバラバラのため、土日祝日に休みがあっても子どもと一緒のため勉強時間が確保できない点に苦しみました。特に学習初期はWeb講義を週8~12時間受講しなければならず、復習も同じくらいの時間が必要であるため、限られた時間を効率よく使うためにも週単位の学習計画表を作成し、それにチェックすることで学習の遅れが一目でわかるようにしていました。
伊藤塾のこの講座が良かった
1年目は入門講座を受講しました。入門講座の講義は前提知識が全くない私でもわかりやすく話を進めてくださったので講義を受けている最中は「何とかやっていけそうだ」という感触を持てました。
合格した今入門講座の内容を振りかえってみても、合格に必要な範囲を網羅しており、もし、入門講座を受講していなかったら抜け落ちていただろうと思われる箇所が多くあったのではないかと思います。
また、講義で納得、理解したと思っていても、過去問に目を通すと正誤の判断ができないという状態がしばらく続きますが、その際にはオンラインで質問することができ、その都度疑問を解消できていたのでとても役に立ちました。
2年目以降は「記述式答案構成力養成答練」での記述式の解法スキルの基礎を身につけ、「択一実戦力養成答練」で択一全般の理解力や解法を見につけることができ、3回目の受験で択一、記述ともに基準点を超える程度にまで成績を伸ばすことができました。
しかし、あと一歩合格に届かず、4回目以降は択一で失敗したり、記述で失敗したりの繰り返しで心が折れそうになりました。長く受験生活をしていると金銭的に毎年講座をとる余裕もなくなってくるため、時々蛭町浩講師の「うかる!記述式」講座を受けたり、答練講座を受けたりして改正論点の確認をしながら9回目の試験でようやく合格することができました。
全般的にですが伊藤塾の講座や問題集、市販の過去問は他の受験指導校のものより格段に使いやすく、理解も進みました。無駄がない、不要な問題がない、という印象です。
過去問では気にしなくていい問題があるのは当然ですが、問題集にそれがあると学習の妨げになります。他の受験指導校の答練問題等したこともありますが、無駄な問題が多いという印象が強かったです。伊藤塾の問題は、マイナー論点の出題であっても、「やるならこの論点」という感じで出題してくれるので、メリハリつけた学習に役立ちました。
感謝している方へのメッセージ
通常私のように、3人の子育ての最中(受験3回目のあと、3人目の子どもが誕生)にお金と時間を費やし、資格試験に挑むことを許してくれる妻はなかなかいないと思います。5回目と8回目の試験の際、午前の択一で基準点割れ不合格になった際には、もう一生受からないのではないかという気持ちになりましたが、ここまで受験をさせてくれた妻に対して成果を残せず諦めることはできないという気持ちの方が勝り、何とか続けることができました。合格の結果を知った際にも、飛び跳ねて喜ぶというより、「こんなに時間をかけて申し訳ありませんでした。」という気持ちの方が強かったです。
伊藤塾各講師へのメッセージ
私は受験期間が長くなった分、多くの講師の講義を聴く機会がありました。そこで感じるのが、どの講師も誠実に受験指導をしてくださっているという点です。単に点数上げる手法を教えるというよりも、実務家になった時のことを意識して話をしてくださっているのがすごく伝わってきました。
今後実務家として社会に出ることとなりますが、講師の皆さんに負けないくらい胸を張って社会に貢献できる仕事をしていきたいと思います。受験者数も減少傾向の中、受験指導も厳しい環境にあると思いますが、今後も合格後を考えた受験指導で多くの合格者輩出を願っています。
心に残る講義の数々をありがとうございました。
学習中の方やこれから司法書士試験を目指す方へのメッセージ
それぞれ違った環境で試験に挑んでおられると思います。私は運よく合格まで試験を続けることができましたが、環境的に難しい方もいらっしゃると思います。自分個人の努力で何とか受験生活を続けられるのであれば、あきらめずに続ければいつか結果は出るものだと思います。
しかし、自分を支えてくれる方々にも時間的・経済的支援を依頼しなければならない環境であれば、あらかじめ挑戦する期間を定めることを考えた方がよいのではないかと思います。実際私も今年ダメなら次を最後にしようと考えていました。なんのための資格取得なのかを時々振りかえってもいいのではないでしょうか。
私の場合、家族との今後の生活を考えたうえでの資格取得であったので、これ以上受験を続けることは家族のためにも自分のためにもならないと考えていました。消極的なことを言うようで申し訳ないのですが、受験が人生の全てではないので、前向きに自分の人生全体を眺める視点は重要だと改めて思います。