私が司法書士を目指すことにした理由・想い
法科大学院を卒業したのに司法試験の受験資格を失い、司法制度改革の崇高な理念に見捨てられた私でしたが、これまで培った法律勉強を無駄にするつもりもなく、法律の力で人の権利を擁護し人生を守るために生きたいとの思いは変わりませんでした。そこで、より身近な法律家である司法書士に興味を持ち、司法書士を目指すことに決めました。
ただ、合格までに8年もかかり、かなり苦戦しました。もちろん、受験を決意した時から司法書士試験も難しい試験であること、司法試験の受験経験が短期合格には必ずしもつながらないことは十分知っていたつもりです。それでも、試験の難しさの克服に長い時間を費やたことは、やはり試験に対する甘さがあったからだと思います。
受験勉強中に私なりに工夫したこと
集中して勉強するには常に健康でなくてはありません。そこで、睡眠時間は削ることなく、食事は3食しっかり取るようにしました。また、近所に公営プールがあり、週に3回泳ぎました。適度な運動は、体力の維持につながり、気分転換にもなります。
伊藤塾に通う前、法科大学院に通って多くの出費を余儀なくされたことから、司法書士試験はなるべく受験指導校を利用せず、市販の書籍で勉強しようとしたことが受験を長引かせることになってしまいました。独学で合格できると銘打った市販書籍は、とてもわかりやすく登記法や供託法の理解も順調に進みました。
しかし、理解した法制度を、どの程度記憶し、どのようにして問題を解いてよいかは書籍からでは学ぶことができず、本試験で午後科目の基準点を超えることはありませんでした。もっと早くに独学の限界を知ればよかったのですが、気づいたら勉強をはじめてから5年が経っていました。
伊藤塾のこの講座が良かった
このままでは未来永劫に合格できないことを悟り、伊藤塾のアドバンスコースを受講することにしました。
①「アドバンス講義」
同講座では、法制度を理解することを心がけました。司法書士試験は暗記の科目と言われています。しかし、理解を伴った記憶でなければ複雑な法律知識を覚えることは難しいです。宇津木卓磨講師のパワーポイントを使った講義は、条文や法制度の本質を理解することができました。図表が多く掲載されているアドバンステキストは、似たような条文や法制度の違いの理解に役に立ちました。このアドバンス講義によって、記憶をの土台を作り上げることができました。
②「アドバンス択一演習」
法制度・条文の理解や記憶ができても、本試験の問題を解けなくては全く意味がありません。本試験の択一過去問をベースに演習を行う、「択一プログレス演習講座」はとても有益でした。
演習後の講義は「アドバンス講座」と同様に宇津木講師が担当されていたため、「アドバンス講座」で得た知識で、早く正確に問題を解く方法を解説していただき、択一式問題を効果的に得点できる術を学びました。
講義テキストには、プログレスシートといって過去問を肢別に編集した問題集が付属しており、復習として講義で扱った演習問題とプログレスシートを繰り返すとことで、過去問知識を固め、効果的な得点方法を使いこなせるようにしました。
③「アドバンス記述式演習」
本年度の本試験を受験して、改めて記述式試験はその採点方法を含め、不透明な試験であることを実感しました。不動産登記法は従来とは違った解答用紙であり、それなりにできたと思っていた商業登記法は思っていたよりもずっと低い点数でした。
それでも今年度合格できたのは、「記述式ケーススタディ講座」のおかげだと思います。記述式試験で、不動産登記法なら枠ズレを防ぎ、商業登記法では役員関係を適切に処理できれば、ほぼ基準点は超えます。「記述式ケーススタディ講座」は、上記の枠ズレの防止と役員関係の処理を徹底的にトレーニングするものであり、記述式試験の基準点を超えるのにとても役立ちました。
④「択一実戦力養成答練」
「この答練の問題を完璧にし、覚えるべき図表を覚えたら合格できる」との宇津木講師の言葉を信じて、答練の問題と図表を試験までに6回回すことにしました。その甲斐もあり、直前期の模試では午前午後合わせて30問を確実に正解できるようになりました。
また、新型コロナウイルス感染症の影響で試験の延期が決まった後も、同じように択一実践力養成答練の問題と図表を回し続け、通算12回「択一実戦力養成答練」の教材を繰り返しました。直前期には、過去問など他の問題に手を出さずに、択一実践力養成答練を繰り返したことが本試験にて午前午後合計で59問の得点につながりました。
⑤「記述式答案構成力養成答練」
この答練は、ただ山村拓也講師の記述の解法を身につけるだけではありません。記述式問題を精度の高い基本知識を使って、論理的に解答する力を身につけるものです。
私の記述式問題の解放は、当初、山村講師のやり方を真似して、答案構成用紙を存分に使って答案構成を行っていました。しかし、「記述式答案構成力養成答練」を通じてメモを少なくしても論理的に解答できる力が徐々に付き、答案構成用紙には登記申請書の下書きのみを書くやり方に変えていきました。答練で道筋を立てて論理的に解答する力を徹底的に身につけたことで、自分にあったやり方を確立できました。
伊藤塾各講師へのメッセージ
いつも「必ず合格できる」と信じて、温かいメッセージをくださった宇津木講師。最初のカウンセリングの時からとても親身になってくださり、この講師について行こうと決めました。
直接お話する機会はありませんでしたが、受験生の合格を本気で考えてくださった伊藤塾の各講師の方々。本試験に近く、時には破り捨てようかと思うくらいの「頭を悩ませて力を付ける問題」を作ってくださった作問スタッフの方々。暗くなりがちな受験生活に、いつも明るく元気な雰囲気を作ってくださったスタッフの方々。
長い受験生活になりましたが、伊藤塾の皆さんおかげで合格することができました。ありがとうございました。