私が司法書士を目指すことにした理由・想い
大学では医療系の検査技術科学を専攻していましたが、両親が別荘管理・建築・不動産の会社を経営していることもあり、休みの日には簿記や宅建の勉強をし、会社の経理を手伝っていました。いつまで経っても採血で人に針を刺すことに慣れない一方、宅建は短期間で合格でき、経理で任されることが増えて、やはり両親の仕事に関わることの方が自分には合っているのではないかと思うようになり、卒業後は経理の仕事をしながら関連する資格の勉強をすることにしました。
理系で関数電卓を持っていたこともあり、まずは土地家屋調査士試験を受験し、その次の目標となったのが司法書士試験でした。はじめは表示の登記を勉強したのだから、次は権利の登記だというくらいの気持ちでしたが、権利を守る資格であることや、登記だけではなく後見や信託の分野もあることを知り、真剣に目指すようになりました。
受験勉強中に私なりに工夫したこと
午後の択一に掛ける時間を短縮するため、時間と回数を設定できるタイマーを使いました。1分30秒ごとに電子音が鳴って、それを35回繰り返すよう設定することで、どの位のペースで解けば1問1分半で終えられるのかわかるようになり、少し焦る気持ちで解く状況をつくることができたと思います。
直前期には択一1日最低70問は解く、目標は150問と決めて、150問分の解答と5肢それぞれ正誤をつけられるようにワードで罫線を引いた自分専用の答案用紙を印刷して、毎日解き続けました。問題集の間違えた肢には消せるマーカーで印をつけて、再び解くときに正解できたら消して、間違えたらまたマークをすることを繰り返しました。
伊藤塾のこの講座が良かった
初級講座や中上級講座は他校で受講していましたが、今年の模擬試験は複数の学校で受験したいと思い、はじめて伊藤塾「全国公開模擬試験」と延期期間の「ファイナル模試」を申し込みました。受けやすい価格で本試験レベルの問題を増やすことができて良かったです。
また延期期間に何をするべきか悩んでいたとき、「弱点分野集中演習講座」にもう一度確認したい分野ばかりが並んでいたため受講を決めました。同じ論点でもそれまでと違う教材や講師の講義を聞いて理解が深まり、一問一答を繰り返したことで力がついたと感じました。
試験後から発表までの間は「記述式攻略コース」を受講しました。本試験の記述で細かなミスを多くしてしまったため、記号化・パターン化するということに魅力を感じました。
感謝している方へのメッセージ
合格するまで受け続けるだけと言ってくれた両親に感謝しています。父は時々知り合いに司法書士を目指していると話してしまっていたため、合格してもいないのに言われることがプレッシャーになって嫌だなと思うこともありましたが、父を介して応援してくださる方々の言葉が励みにもなりました。
宅建や建築士の資格を持っている母は、誰よりも資格試験の大変さを理解して、常に一緒に合格を目指している気持ちで励ましてくれました。そもそも両親の仕事が違えば、興味を持つことも目指すこともなかった資格だったかもしれません。家族、友人、知人からお守りやパワーを送ってもらったおかげで今があります。頑張り続けられる環境をありがとうございました。
伊藤塾各講師へのメッセージ
試験の延期という初めてのことがあり、本試験日にピークを持っていけるように学習計画を何度も見直しながら進む大変な1年でしたが、延期期間があったから、その間に伊藤塾の講座や模試を受けられたから合格の可能性を高められ、結果に繋げられたようにも思います。ありがとうございました。
学習中の方やこれから司法書士試験を目指す方へのメッセージ
私は司法書士試験の合格率が低いことは知っていましたが、あまり詳しく調べることなく学習をはじめてしまいました。講座を受講し、試験を受け続ける中で、軽い気持ちで目指すべきではなく、それでは合格できないのだと思い知らされました。知識を増やすためだけなら資格試験を目指さなくても良くて、資格を目指した以上は合格しなければ時間も受講料もあまり意味のないものになってしまうのではないかと考えました。
司法書士試験は難しいけれど、諦めなければ合格できる試験でもあると信じていました。合格するまで受験し続ける意志と環境がなければはじめない、続けないというのも選択肢のひとつで、受験し続けると決めたら諦めないことが合格への道なのだと思います。
他の法律資格に向けた受験経験が活きたこと
大学2年生の夏休みの間、ひたすら宅地建物取引主任者(現・宅地建物取引士)の勉強をして、その年合格しました。そのときの勉強法はとにかく教科書の重要な部分を紙に書いて、覚えたいものは壁に貼ることでしたが、範囲の広い司法書士試験ではできませんでした。民法の勉強をはじめやすいという点では良かったように思います。
また大学卒業後3度受験した土地家屋調査士ですが、調査士の民法は20問中3問と少なく、不動産登記法は表示と権利で範囲が異なり、調査士法と司法書士法が似ているというだけで、直接知識が活かせる部分は多くはありませんでした。ただ調査士に合格していなければ、司法書士を目指そうという気持ちにはなれなかったと思うので、受験して良かったと思います。
択一演習のための用紙、時間と回数を設定できるタイマー、お守りにしていた祖父母の形見です。