入試を通じて、講師がAランクやB+ランクと言ったところさえ押さえておけば足りると感じました。

大西 健太郎さん(22歳)
 

合格者イラスト
関西学院大学法学部4年
【合格校】
・大阪大学法科大学院(既修)
・名古屋大学法科大学院(既修)
・神戸大学法科大学院(既修)
・関西学院大学法科大学院(既修)
・立命館大学法科大学院(既修)

【受講講座】
入門講座本科生+リーガルトレーニング

※プロフィールは、2010年合格時点のものです。


はじめに

中学生の時から弁護士を志望していましたが、大学1回生の時は大学生活に慣れることと、法律の勉強とはどういうものか様子を見ることにし、2回生の春に入塾しました。伊藤塾を選んだ理由は、伊藤真塾長の名が日本中に広まっており、この先生なら信用できると思ったからです。また、入塾した後で知ったことですが、他の受験指導校ではインターネット制度やフォロー制度が無かったり有料だったりすると聞いたので、その点も伊藤塾にして良かったと思いました。

私がとった勉強方法 

適性試験対策について

3回生の時に来年受ける適性試験とはどのようなものかと思い、何の対策もせずに適性試験(DNC)を受けてみたところ、32点(推論10点、読解22点)でした。その後の対策については、12月ころから過去問を毎日1問以上解くようにしました。最初は解法の手順を意識し、慣れてきたら時間を意識するようにして何回も繰り返しました。4月からは適性試験模試を受けました。模試を受ける時は、毎回、時間配分を変えてみて、自分に合う時間の使い方を見つけるよう心がけました。模試は本番と同時刻に行われるので、常に本番を想定して受講することができました。その結果、今年は62点(推論28点、読解34点)でした。

法律科目試験対策について

(1) 基礎的な法知識・法理論の修得について
基礎対策としては基礎マスターを受講しました。受験対策として7科目とも基礎マスターのテキストを最後まで使いました。テキストの記述で足りないところや加えたいところは、随時余白に書き込んでいき、直前は基礎マスターの「入門講義テキスト」だけを見れば良いようにしました。どのようなテキストにも足りない部分が存在することを考慮すれば、「入門講義テキスト」が最も完璧に近いテキストだと思います。 
基礎マスターの受講時に、暗記を怠っていたため、直前に詰め込むことになってしまいました。一度覚えたことは、忘れたとしても次に覚える時に覚えやすくなるので、基礎マスターの時点で、定義、趣旨、要件、効果だけでも暗記すれば良かったと反省しています。講師がAランクやB+ランクと言ったことは、本当に受験でそのまま問われました。

(2) 実践段階の学習について
論文対策として、私は「論文マスター(プロブレムメソッド論文マスター)」と「ベーシック論文答練(現:プロブレムメソッド論文マスター答練)」を受講しました。論文マスターを受講した時点で、「基礎マスター」の知識が定着していなかったため、どうしても実践段階の学習が遅れがちになってしまいました。しかし、「論文マスター」も「ベーシック論文答練」もカリキュラムどおりに受講すれば良かったと思います。基礎を完璧にしてから、論文に臨みたい気持ちはありますが、論文を解くことで、どのような知識がどのような形で問われているか知ることで、基礎マスターの復習をはじめ、すべての法律の学習の効率が上がります。
一度、論文マスターを受講した後は、ひたすら「問題研究」を繰り返しました。といっても、Bランク以下は軽くしか見ませんでした。法科大学院入試ではAランクの問題だけ押さえておけば足りると思います。Aランクの問題をいかに正確に丁寧に書くかで合否は決まり、Bランク以下の問題は合否に影響しないのではないかと入試を通じて感じました。もし、Bランク以下が出ても、どうせみんなも解けないし、Aランクの知識を基礎にして対応すれば良い、という気持ちでいました。
法科大学院ごとの個別の対策は、解答時間の確認と過去問を解くこと以外、何もしませんでした。もっとも、私が過去問に手をつけたのは私立については8月下旬、国公立については9月中旬でした。過去問は頻出範囲や重要な範囲を知ることができる情報源なので、もっと早い時期に解いていれば、効率の良い勉強ができたのではないかと思いました。

パーソナル・ステートメント対策について

私はまず「パーソナル・ステートメント対策講座」を受講しました。ここでは、ステートメントの書き方をすべて教えてもらえます。あとは、自分の経験にあてはめて書くだけです。その後、ロースクールカウンセラーの加納さんにチェックしていただいたり、伊藤塾の添削を受けたりして、改良していきました。大学院によって問われていることが全然違うようにも見えますが、実際は同じようなものです。ですから、私立出願の時にステートメントをしっかり書いておけば国公立の時にかなり楽になります。

学部成績について

学部の授業では基本書やレジュメをベースに講義が進められていくのが通常だと思いますが、それを定期テストの際にいきなり解答用紙に表現するのは非常に難しいです。入塾前は、基本書やレジュメの内容を適当に解答用紙に吐き出すだけでした。この点、基礎マスターの「入門講義テキスト」や「問題研究」は答案でどのように表現すればよいのかが書かれており、学部成績の向上に役立ちました。基本書や判例の知識は大切ですが、答案で表現できなければ意味がないので、まずは「入門講義テキスト」で法律の全体像、論文マスターで答案の書き方を理解することが、学部成績向上の近道だと思います。

志望校の選択について

志望校は、司法試験の合格率、カリキュラム、学習環境、立地条件など総合考慮で選びました。司法試験の結果も重要な要素ですが、カリキュラムや、学習環境などが自分にあったロースクールに行くことが重要だと思います。ただ、自分に合っているかどうかは、実際に通ってみないと分からない部分が多いので、最低限、ステートメントを書く際に調べたり、実際に校舎に見学に行ってみたり、ロースクールカウンセリングの方に相談したりして、情報を集めることが大切だと思います。

直前期と試験当日

直前期は7科目ともこれまで加工をしてきた「入門講義テキスト」の読み込みをしていました。定義、趣旨、要件、効果、論点などを確認していきました。もっとも、自分の中で常識になっているページはさっと目を通すだけで、気になるところはしっかり読んでおくようにしました。全分野を4日程度で見渡すようにして、各科目で偏りが無いように気をつけました。国公立入試の時期は、短期間で全範囲を確認し、週末にベストの状態を持っていくことの繰り返しでした。

大学との両立と学習フォロー

大学2回生の時は大学の授業も多く、カリキュラムどおりに進められない時もあったので、インターネット講義はかなり助かりました。見たい時に、見たい場所で、見たいスピードで、何度も、見られるので細かい時間を有効に使うことができました。また、講義は視聴するたびに新たな発見があるので、何度も視聴できたことは法律の全体像や知識の定着に良かったと思います。 

入学前準備として

ロースクールでは、思うように時間が確保できないと思うので、今のうちに司法試験の問題を解き、自己分析をして、これから2年間、何をすればよいのかじっくり考えたいです。あと、配信期限が切れる前に、もう一度基礎マスターを聴いておこうと思います。

合格後に必要なこと

私は、市民に身近な弁護士を目指しています。最近、司法制度改革により法曹の在り方が変わろうとしていますが、まわりの雑音にとらわれず、目標に向かって進むだけだと思います。また、合格後を意識することは、日々の法律学習のモチベーションの向上だけでなく、ステートメントの作成にも効果的であると思います。

最後に

ロースクール入試は長期戦なので、法律の勉強、適性の勉強、ステートメント作成、願書提出と一つ一つのことを悔いの無いように淡々とこなしていく体力と精神力が大切だと思います。あとは、今の自分にできる最善の方法を実行するだけです。

(2011年1月・記)