「明日の法律家講座」はモチベーション維持にも繋がる実務家の話を聴けるまたとない機会です。

薦田 知浩さん
 

合格者イラスト
上智大学法学部4年

【合格校】
・慶應義塾大学法科大学院(既修)
・中央大学法科大学院(既修)

【受講講座】
入門講座本科生+リーガルトレーニング、適性試験対策講座、ロースクール入試直前論文総仕上げゼミ など

※プロフィールは、2010年合格時点のものです。


はじめに

私は漠然と法律家になりたいと思っていました。そして大学入学当初より2年生の冬まで独学で勉強してきました。しかし、法律は学説の対立が激しく自分でどの説をとればよいかわからない、またメリハリがつかない、など独学の勉強では限界を感じました。そんな中、友人が何人も伊藤塾に通っており、良いうわさをよく耳にしていたので3年生になる春休みに伊藤塾に通い始めました。この時期に入塾する人は少ないと思います。事実、私の友人は1年生の最初から、または2年生の夏休みから入塾した人が多く大変焦りを感じていました。

私がとった勉強方法 

適性試験対策について

適性試験対策としては(1)模試を受験・復習し(2)過去問を何回も繰り返しました。最初に受けた模試の推論・分析でなんと0点をとってしまい、偏差値は25で、正直焦りました。法律科目の対策がまだ終わっていなかったので適性試験対策にあまり時間は割けませんでしたが、それでも毎日推論・分析の問題を1日1問は解くようにしました。最終的に平均ぐらいにもっていくことはできました。結果として私立入試で適性試験のスコアが足を引っ張るということはありませんでした。「既修者コース受験の人は適性試験より法律の論文試験の方が重要」という話を先輩からよく聞いていました。最初は半信半疑でしたが、それは正しかったんだなというのが正直な感想です。

法律科目試験対策について

ポイントは(I)基礎マスターをしっかり聴き、基礎マスターで得た知識(インプット)を (II)「問題研究」を使って文章で表現する(アウトプット)、ということだと思います。これはどの法科大学院を受験する場合でもあてはまるものだと思います。

(I)私は通学クラスだったので、必ず毎回講義に出席するようにしていました。講義の帰りには友人とその日の講義の復習をしながら帰りました。講師の説明はわかりやすいので「わかった気」になってしまいがちですが、友人と講義の内容を説明し合うという作業は講義を本当に理解しているかのメルクマールになりました。友人がいない日は壁に向かって説明しました。そして、次の日の朝一番にもう一度復習するようにしました。記憶は寝ている間に定着するのでこの作業は効果絶大だったと思っています。
(II)基礎マスターを一通り聴いて、答練の時期が来たのですが、いざ論文を書くとなったとき最初は全く何を書いていいのかわかりませんでした。あんな論点あったな、というのはわかるのですがどう文章にしたらいいのかがわからないです。そこで「問題研究」を使って論文を書く練習をしました。「問題研究」では、答案構成をして、わからなかったらすぐに参考答案をみて、論証の練習をするという形をとっていました。「論証パターン集」の表現がしっくりこないときは参考答案の表現に書き直したりして(逆も然り)自分なりの論証を確立していきました。そしてこの「問題研究」を最終的には4回は繰り返し復習しました。最初は1日1法4問くらいが限界で、繰り返すのにとても時間がかかりますが、回を重ねるごとにスピードがアップしていき、最終的には6法を1週間で復習することができるようになりました。
「問題研究」ばかりやっていたので問題を見慣れてしまい、これでは初見の問題に対応できずまずいと思ったので、初見の問題を解くためにロースクール直前ゼミを受講しました。ゼミでは知識の盲点が確認でき、また、まわりのレベルも高く良い刺激になりました。優秀答案として採用された時は努力が認められた気がしてうれしかったです。

パーソナル・ステートメント対策について

パーソナル・ステートメントを書くにあたって、対策講座を受講しました。上にも書いたとおり、私は法律の勉強が終わっていなかったので、パーソナル・ステートメントにあまり時間をかけていられませんでした。この講座を受講することで、パーソナル・ステートメントでは何を書けばいいのかポイントを知ることができました。そして内容は「明日の法律家講座」を多分に参考にしました。「明日の法律家講座」は勉強のモチベーション維持にもつながりますし、何より実務の方の話を聴けるまたとない機会です。特に検察官や裁判官の方の講演はなかなか聴ける機会がないと思うので是非聴いてみてください。 

学部成績について

私はGPが3.12と可もなく不可もない数値でした。3年生の春から伊藤塾に通い始めたこともあって憲法・民法・刑法は独学だったのですが、民事訴訟法では基礎マスターでやったことが大変役に立ちました。1年次から伊藤塾に通っていた友人のGPAが私よりはるかに高いことを考えると、もっと早くから伊藤塾に通っていればよかったな、と思います。ただ、大学の教授によっては教授の興味のある分野から試験問題が出されることが往々にしてあるので授業は出席するべきだと思います。

志望校の選択について

大学受験のリベンジも兼ねて上位校だけを受けました。上位校は合格率が高いだけでなく、就職の面でも有利になってくると聞いています。それゆえ志望校の選択にあたっては自分が心から行きたいと思う上位校に的を絞ることにしました。自分の行きたくない大学院を受験するのはお金の無駄ですし、その大学院に合格したとしても進学後モチベーションが維持できないと思います。

直前期と試験当日

直前1ヶ月は「問題研究」をひたすら繰り返していました。疑問が浮かんだらすぐ自習室クラスマネージャーに質問しにいきました。
試験当日は特に何もしませんでした。「これまで自分はベストを尽くしてきた。自分がわからなければ他の受験生もわからないはずだ」と自分に言いきかせ、緊張をほぐしました。余談ですが、試験会場で基礎マスターのテキストや「論証パターン集」を読んでいる人が多く伊藤塾塾生の多さにびっくりしました。慶應の民法の問題で預金担保貸付の問題が出たのですが、類似の問題が「問題研究」に載っていたので心の中でガッツポーズしました(笑)。帰りに他の受験生の話を聞いていると民法が壊滅的だった人が多かったようです。

伊藤塾の学習とサークル、アルバイトとの両立について

私は大学でサークルの部長をやっていたり、大手大学受験予備校でチューターのアルバイトをしたりするなど、受験勉強以外のことでもすべきことがままありました。しかし、それらは必ずしも勉強に悪影響を及ぼすものではありませんでした。サークル、アルバイトに時間を取られる分、勉強できる時間を大切にするようになり、自然と勉強にメリハリがつき、ただダラダラ勉強するより効率が上がったと思います。サークル活動、アルバイトは大学時代の醍醐味だと思います。切羽詰っていない限り勉強をするため、という理由でサークル、アルバイトをやめるべきではないと思います。

入学前準備として

私は短答式試験の勉強をほとんどしていないので、入学までに短答式試験を中心に勉強しようと思っています。また弁護士になって企業法務の職に就いた場合、簿記や会計の話がわからないと大変という話を聞いたので簿記の勉強をする予定です。

合格後に必要なこと

私は現段階では租税の知識を活かした弁護士になりたいと思っています。世の中で起こる事件は法律の知識だけでは解決できないと思います。例えば、経済犯罪を挙げるためには検察官には経済の知識が必要でしょうし、それを裁く裁判官にも当然ながら最低限の経済の知識は要求されます。そして各分野において専門化が進む中、弁護士として活動するためにも様々な知識が要求されると思います。その専門分野として私は租税に携わりたいと考えています。予備知識の修得に翻弄されて法律の知識が疎かになってしまうのでは本末転倒ですが、合格後スムーズに社会に出るために予備知識を蓄えておくことが必要だと思います。

最後に

私が上位法科大学院に合格できたのは、伊藤塾があったからこそだと思います。基礎マスター、「問題研究」、適性試験模試、ゼミ、どれかひとつでも欠けていたら合格はなかったと感じています。そういった意味で伊藤塾は合格に必要なことを全部サポートしてくれていて、あとは自分がやるかやらないかの問題だと思いました。本当にありがとうございました。

(2010年9月・記)