講義で疑問に思った点について電話で答えてもらえるフォロー制度は、在宅受講の私にとって、非常に学習の助けになりました。

K.N さん(21歳)
 

合格者イラスト
名古屋大学法学部4年在学中
【合格校】
・京都大学法科大学院(既修)、大阪大学法科大学院(既修)、神戸大学法科大学院(既修)、大阪市立大学法科大学院(既修・半額免除学生)、岡山大学法科大学院(既修)、関西学院大学法科大学院(既修・全額免除学生)
【適 性 試 験 】第1回:229点 第2回:204点
【学 部 成 績 】A・B・C:49・14・9
【受 講 講 座 】司法試験入門講座本科生、法科大学院別論文対策講座 など

※プロフィールは、2012年合格時点のものです。

はじめに

 私が法律家になろうと決心したのは大学2年生の秋ぐらいの頃でした。この時期に自己の進路について真剣に考えた結果、一般企業に就職している自分が想像できず、また以前から弁護士として、いじめやパワハラ、DVなどの構造的暴力に悩む人の助けになりたいと考えていたこともあり、この時期に決断することになりました。
 そして、この決断とほぼ同じ時期に伊藤塾に入塾しました。大学の学部での勉強や独学に限界を感じていたこと、及び塾長の体験講義を拝聴したところ、それがとてもわかりやすかったことがその理由です。

私がとった勉強方法 

法律科目対策について

(1) 基礎的な法知識・法論理の修得について
 まず、講師が講義の中で覚えろとおっしゃった定義や趣旨などを覚えるために、できるだけ寝る前に記憶の時間をとるということを行いました。この時間は正直本当にしんどいですし、毎日するとなると大変です。しかし、定義・趣旨は試験合格のための必須アイテムですし、短期で簡単に手に入れられるものでもありません。なので、大変でも早いうちからこつこつと覚えておくことを強くお勧めします。
 また、この作業と併行して、基礎マスターテキスト及び論証パターンを何度も読み返すということを行いました。論文を書く上で、特に事例問題では、論点を見つけ出すための前提となる基礎的な知識及び論点について論証する力が必要だと思います。そして、私は基礎的知識について基礎マスターテキストで補充し、論証パターンの読み込みで基礎的な論証をする力を身につけられたと考えています。 (2) 実践段階の学習について
 私は、実践段階の学習として、論文マスター、京都大学及び神戸大学法科大学院の過去問分析講義、そしてこれらの大学院の法律科目論文模試を受講しました。
 論文マスターの講義では、旧司法試験の過去問を中心に論文の基本的な書き方を学ぶことができて、論文初心者にとっては非常に有意義な講義でした。また、 論文マスター答練では、実際に論文を書いてみて、いかに自分が、文章が書けないかを実感させられ、実際に書いてみることの重要性を体感できました。さらに、法科大学院別過去問分析講義では、実際の合格者答案と不合格者答案がそれぞれ用いられていたので、合格答案のレベルがどの程度のものなのか(問題の難易度に比してそれほど高くないということ)を具体的に知ることができ、本番でもあまり焦らずに問題に臨むことができました。そして、大学院別の法律科目論文模試では、どの程度の問題を、どの程度の時間で解かなければならないのかを実際に体験でき、実際の試験の予行演習ができたと思います。
 また、法科大学院入試に当たって、予備試験の論文試験を受験しておくことを強くお勧めします。理由は2つあります。1つ目は、予備試験の論文試験は2日にわたるので、法科大学院の試験に類似しています。だから、これを受験すれば、だいたいの法科大学院入試の感じが掴めるという理由です。また、予備試験の論文試験は長いので、これに耐えられれば、試験が長い法科大学院(京都など)入試にも耐えられると思います。
 2つ目は、自分のできなさを実感でき、危機感を持つことができるため、その後の法科大学院入試の勉強に一層身が入ると思われるという理由です。この点について、私は、論文対策を十分にする時間もないまま、予備試験の論文式試験を受けました。そして、もちろん私自身実際に、「現場で書けない。なかなか書き出せない。」といったことを実感し、自分の勉強不足を痛感しました。そのため、危機感を持つことができ、その後この危機感を抱いたまま勉強を続けていけたことが、合格につながったと考えています。
 以上から、予備試験の論文式試験を受験することを強くお勧めします。これで受かれば、言うことはないですし、落ちても失うものはないと思うので、ぜひ、チャレンジしてみてください。

適性試験対策について

 適性試験の勉強は、毎日少しずつやることが大切だと思います。私自身、対策せず過去問をやったら、半分もできなかったのですが、大学3年の冬から1日1時間ほどの勉強を初め本番まで続けた結果、7割5分ほどの得点を取ることができました。また、伊藤塾の適性試験模試は、志望大学院別の受験者の順位が出たので、自らの立ち位置を把握でき、さらにモチベーションを保つのに役立ちました。

パーソナル・ステートメント対策について

 どのように書けばよいかわからなかったので、伊藤塾の対策講座を受講しました。その講座では、ステートメントとはどのようなものか及び具体的な書き方について教えていただいたので、早い段階でステートメントに対する不安を取り除くことができました。また、先輩方が実際に書かれたステートメントを見られること及び、自分が書いたステートメントを添削していただけることも、この講座を受講する利点かと思います。

学部成績について

 私は、基礎マスターなどの講義を聴くまでにほとんどの卒業単位を揃えていたので、この点についてあまり書くことはできません。しかし、私が入塾前にとった法律科目の学部成績は、あまり良いものではなかったので、学部の講義より先に、又はこれと併行して基礎マスターなどを受講していれば、よりよい成績を取れたのではないかとは思います。

伊藤塾の学習と学習フォロー制度について

 講義で疑問に思った点について電話で答えてもらえるフォロー制度は、在宅受講の私にとって、非常に学習の助けになりました。そして、この制度を利用する際に私が心掛けていたことは、疑問について自分なりに答えを出してから質問するということです。このようにすることで、自分にとって「未知」である問題について、結論を出す訓練をし、また自分なりに論理的に考えて結論を導き出そうとすることで、論理的思考力を鍛える訓練ができたと思います。

法科大学院の受験にあたって

 法科大学院を複数受験する方は、試験において持ちこめる物を、それぞれの大学院について、一度は確認しておくことをお勧めします。なぜなら、当たり前ですが、試験に持ちこめる物は、大学院ごとに異なります。来年度は、どうかは分かりませんが、私の受験した大学院に関しては、京都大学法科大学院のみ 「ラインマーカー及びシャープペンシル等の持込みは不可」でした。割とたくさんの受験生が、試験開始後にそのことを指摘されていました(私及び京都大学の学部生も含めて)。使えると思っていたものが使えなくなると、結構焦るので、この点には注意が必要かと思います。

最後に

 私は、不出来な生徒で基礎マスターも答練も日程通りに受けることができませんでした。そして、初期の学習が停滞したことで後々本当に苦労しました。なので、現在学習が遅れ気味の人はとりあえず早くカリキュラムに追いつくことを強くお勧めします。
 また、追いつくことが絶望的な方も諦めずに頑張ってください。私のような合格例もあるのですから。
 最後に、私も信じてやまない塾長の言葉を拝借させていただいて、終わりにしたいと思います。「やればできる。必ずできる」
 諦めずに頑張ってください。