どんなに遅れていても、どんなに不安でも、合格に何が必要かさえきちんと押さえていれば、大丈夫
吉岡 知輝さん
◆学部成績/[GPA]:(3.78)A(優):B(良):C(可)=127:31:2
◆受講講座/司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、法科大学院別過去問分析講義、法科大学院別法律科目論文模試
◆合格校/慶應義塾大学法科大学院(既修)早稲田大学法科大学院(既修・半額免除)中央大学法科大学院(既修・半額免除)
はじめに
私は法曹のなかでも検察官になりたいと思っています。このように考えるようになったきっかけは、高校2年生の時に、祖母へオレオレ詐欺の電話がかかってきたことです。私は、今までニュースのなかの出来事でしかなかったことがとても身近なところに迫ってきていることに衝撃を受け、少しでも被害を減らしたいと思うようになり、検察官となって特に特殊詐欺の抑止に貢献したいと考えるようになりました。そして、検察官を目指すにあたって、少しでもレベルの高いところで学びたいと思ったのと、出身大学ということもあって慶應義塾大学を志望しました。入塾した時期は、大学2年生の11月の終わりです。ほかに迷っていた進路をやめて法科大学院入試一本に絞ったのがこの時期だったため、入塾する時期は遅くなってしまいましたが、説明会に参加し、スタッフの方に相談することができたことで入塾を決めました。
基礎的な法知識・法理論の修得について
大学2年生の11月終わりに入塾したということで、すでに同じコースの人たちよりもだいぶ遅れた状態からのスタートでした。また、吹奏楽サークルに所属しており、3年生時には学生指揮者も務めたため、なかなか勉強に専念することができませんでした。とにかく少しでも追いつこうと講義を見ていくなかで心がけたのは、疑問はあとに残さないということです。講義を繰り返し見ている時間が取れないため、1回の講義でしっかりと理解し、後で復習するときにテキストやメモを見れば理解ができる状態にすることを目指して勉強しました。復習になかなか時間が取れず、講義をひたすら見て追いついていくだけで精一杯で、論文マスターに本格的に入れたのは4年生になってからでした。そこで、論文マスターの講義の前に復習を慌ててするのではなく、論文マスターの講義を見て、取り扱った問題に出てきたところや該当範囲を中心に復習することで復習の効率を上げることを考えて勉強していました。また、暗記しなければならないことは、書いてみたり何度も目を通したりすることで覚えました。
法科大学院対策について
私は、慶應義塾大学・早稲田大学・中央大学の3つの法科大学院を受けましたが、法科大学院対策として一番に活用したのは法科大学院別過去問分析講義と論文模試です。私は、慶應義塾大学のものを受講しました。過去問分析講義を通して、どのような傾向の問題が出て、どのくらいの答案が書ければ合格レベルに達するのかなどを知ることができ、直前の勉強の参考にすることができました。また、実際の入試問題と同じ形式の模試を受けることで、本番の時間配分だったり、自分が制限時間のなかでどのくらい書けるのかを把握することができました。直前期の8月になっても勉強が間に合っておらず、答案を書いたのはこの模試と、刑法と民法の答練を1回ずつ書いただけに結果的になってしまったため、この模試で実際に答案を書いてみることができたのは大きかったと思います。私は、直前期の8月になってもまだ憲法と民法の論文マスターの講義を見ており、商法と訴訟法の論文マスターには手が回らない状態でした。しかし、前述のように入試の分析をすることで、合格のためには何が必要かを考えることができ、限られた時間のなかでも効率よく勉強できたと思います。憲法・民法・刑法は問題研究の問題の復習を中心に、商法と訴訟法は論点を中心にとにかく1週間など短い期間で一周するなど、何度も繰り返し見直すことで知識を定着させました。また、過去問は2年分くらいを見て、時間内に答案構成ができるかを確認しました。実際に答案を書く練習が極端に足りていなかったため、中央大学、早稲田大学の本番の入試で答案を書くことで、答案を書くことに慣れていきました。
おわりに
私が伊藤塾を利用してよかったと思うことは2つあります。1つは、何を勉強しなければならないかが決まっているため、効率よく勉強できたということです。2つ目は、東京校のスタッフの方や講師のカウンセリングで、なかなか勉強が進んでいない私に対しても本当に親身になって相談に乗ってもらい、応援してもらえたことです。不安のなかで勉強していた私にとっては、とても大きな力になりました。勉強を始めたのが2年生の11月の終わりからと遅かったうえに、全然勉強が進まず、最後の1 ヶ月でなんとかしたという感じが否めません。しかし、ここから言えるのは、どんなに遅れていても、どんなに不安でも、合格に何が必要かさえきちんと押さえていれば、勉強に本気になるのに遅すぎることはないということです。決してあきらめることなく最後まで頑張れば、絶対に大丈夫です。