予備試験論文式試験不合格の悔しさをバネに勉強し、法科大学院に合格。入学後も予備試験にチャレンジ
A.Aさん
◆学部成績/[GPA]:(3.8)S(A+、優以上):A(優):B(良):C(可)4:4:2:0
◆受講講座/司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練、法科大学院別法律科目論文模試など
◆合格校/東京大学法科大学院(既修)早稲田大学法科大学院(既修・全額免除)
はじめに
私は、社会的に弱い立場にある人、困っている人に寄り添い、支えとなれるような人間になりたいと思っていました。また、高校まで英語学習に力を入れていたことから、英語力を活かして国際的な仕事をすることに憧れていました。そのようななか、国際人権NGO・ヒューマンライツウォッチでご活躍されている弁護士の土井香苗先生の著書『巻き込む力』という本に出会い、土井先生のように弁護士として国際人権活動に携われたら希望がかなえられると考えました。同書の中で、土井先生は伊藤塾長の憲法の講義に感動し、そこから人権というものの尊さに目覚めたとおっしゃており、それが伊藤塾を知るきっかけになりました。憧れである土井先生も学んだ伊藤塾で学習し、弁護士になろうと決意し、入塾したのが大学1年生の頃です。
基礎的な法知識・法理論の修得について
法知識の修得にあたっては、基礎マスター・論文マスター、そして教授の執筆している演習書で学習しました。ここで、私の失敗として、論証パターンの質を高めようとして、伊藤塾の講義と並行して演習書にも手を出してしまったことが挙げられます。伊藤塾の講義は、基礎マスターだけでも400時間を優に超え、他の受験指導校と比べて圧倒的に丁寧で、網羅性も高いです。それにもかかわらず、私は「完璧主義」に陥ってしまい、さらに論点への理解を深めようと法科大学院生が使うような演習書に手を出してしまい、結果として論文マスターの消化が遅れ、さらには最も肝要である書く訓練を学習初期段階で十分にできませんでした。予備試験も伊藤塾の教材だけで十分に合格することが可能であるので、法科大学院入試ならなおさらです。スピード感をもって伊藤塾の教材を消化していくことが大切だと思います。
法科大学院対策について
〈早稲田大学法科大学院〉
私は早稲田大学法科大学院と東京大学法科大学院を受験しました。早稲田大学法科大学院に関しては基礎的な問題を問うており、かつ時間的制約も厳しくないので、論文マスターを繰り返しておけば容易に合格ラインに到達できると考えています。
〈東京大学法科大学院〉
東京大学法科大学院は70分で2~3科目の答案を書かねばならず、時間的制約も厳しいですし、私立と比べて受験者のレベルが高いので、入念に対策しました。まず、なによりも書く訓練が大切ですが、私は大学3年生からコンプリート論文答練、予備試験論文直前答練を受講しておりました。さらに、予備試験論文式試験に不合格となった後から、東京大学法科大学院の5年分の過去問を書き、クラスマネージャーの方にチェックしていただきました。さらに模試を受け、特有のマス目つきの答案用紙に慣れるよう努めました。私の場合、予備試験の頃から途中答案が非常に多く、予備試験では2科目で途中答案をしてしまい、不合格の大きな要因となりました。この反省を踏まえ、時間の厳しい東京大学法科大学院入試では、(1)試験開始から20分たったらとにかく書き始める、(2)論証は限りなく短くする(反対説へは一切触れない、理由付けは1つだけ、など)ことを意識しました。結果として途中答案をせずにすみました。
おわりに
私は、2018年の予備試験に論文600番台という惜しくもない成績で不合格となりました。1年生の頃から伊藤塾に通っていながら、恥ずかしい限りです。東京大学法科大学院入試ではこの悔しさをバネに勉強し、無事合格をいただけたのでほっとしています。しかし予備試験での悔しさは予備試験でしか返せませんし、法科大学院入学後も予備試験にチャレンジするつもりでおります。大学1年生より入塾し、演習書で論点への理解を深めたにもかかわらず予備試験に落ちた私の経験から、完璧主義ではなく最善主義であるべきと考えます。最善とは、(1)伊藤塾の入門講座を確実に、かつスピーディーに消化し、(2)途中答案を防ぐにはどうしたらよいかなどを自分で徹底的に考えながら書く訓練を大量に積むことです。最後に、予備試験で結果が出せなかった自分に対しても、答案のチェックやアドバイスをくださったクラスマネージャーの方には大変に感謝しております。2019年の予備試験で結果が出せるよう、努力を続けたいと思います。