時間内に答案を書くための型や作法を身につけることが合格のための近道
◆学部成績
GPA 3.69 / S:A:B:C=62:46:7:19
◆受講講座
司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、予備試験全国公開短答模試など
◆合格校
京都大学法科大学院(既修)
神戸大学法科大学院(既修)
はじめに
私が伊藤塾に入塾したのは、母親が伊藤塾のチラシを持って入塾をすすめてきたことがきっかけでした。京都大学法学部の専門科目の単位取得が非常に難しいと聞いた母親が、心配して入塾させてくれました。私も当初は司法試験に受かって法律家になる夢を持っていたわけではなく、卒業に対する漠然とした不安から大学1年の8月頃に入塾を決めました。しかし、基礎マスターで、伊藤 真塾長が講義の合間に弁護士業務の話をしてくださり、それを聴いて、自分の世界を広げてくれる弁護士資格の取得に魅力を感じるようになりました。それ以降は、基礎マスター・論文マスターの受講、予備試験対策講座など本格的に法律の勉強を開始していきました。そして、大学3年の夏休みには、伊藤塾からすすめられた大手法律事務所のインターンシップに参加し、そこで、弁護士になった後の具体的なビジョンを見せてもらうことができ、より一層勉強に励むようになりました。また、京都大学法科大学院への進学を決めたのは、優秀な同期たちが集まり、彼らと切磋琢磨して学習することが司法試験合格への近道だと考えたからです。さらに京都大学法科大学院入試では、内部生に対する優遇措置があり、せっかく受験するなら優遇してくれる法科大学院を受験しようと思ったのも志望理由の1つです。
私の勉強方法
【基礎学習について】
私は大学1回生の半ば頃から、Web受講をメインに学習を行ってきました。自分の勉強が上手くいったと思った点は、早期に伊藤塾に入塾し、基礎マスターの学習を開始したことです。法律科目で問われる知識の範囲はとても広く、しかも試験ではどの部分を問われるかがほとんど予測できないので、網羅的に学習する必要があります。そこで、できる限り早く法律科目の全範囲を終わら せ、試験までに何度も復習することで知識を自分のものにしていくプロセスが必須です。大学2年の5月くらいまでに基礎マスターを1周していたので、それ以降は全体像を把握しながら勉強することができました。次に、上手くいったと思う点は、アウトプットの機会を多く確保したことです。確かにインプットも重要だと思いますが、それ以上に実際に答案を作成することの方がよっぽど重要だと思います。なぜなら、実際に試験でどのような問題が出題され、どのような問われ方をされ るのかがわからなければ、インプットの方向性を見誤ってしまい、必要十分なインプットを行うことができなくなるからです。さらに、同じ大学の同期と一緒に答案を書く機会をたくさん確保し、互いに刺激し合うことができたのも成功の要因だと思います。一方で、失敗したなと思っていることは、基礎マスターの学習を進めている時に全くといっていいほど復習をしなかったことです。そのせいで、2年生の5月までには基礎マスターを1周し終えていたにもかかわらず、その時に受けた短答式試験の合計点が100点を切ってしまいました。復習に重点を置きすぎて全く前進しないのも問題ですが、復習をしながら学習を進めないと自分の知識として定着せず、それまでに費やしてきた時間を無駄にする結果になってしまいます。さらに、学習を始めた当初は明確に法律家を目指していなかったことも原因なのですが、基礎マスターの途中に過去問にも全く目を通さなかったことも失敗だと実感しています。上記の通り、過去問の出題傾向を押さえたうえで学習を進めるのと、ただ講義を聴いて知識をインプットするのとでは、学習効率が全く異なります。このように、私の1回目の基礎マスター受講は良くない結果に終わったのですが、その次の論文マスターの受講方法を工夫することで、この失敗を挽回することができたと思います。つまり、論文マスターを予習する際に、基礎マスターの総復習も兼ねて行うように努めました。非常に時間がかかりましたが、そうすることで、問題の傾向を把握しながら知識の総復習をすることができ、やっと自分の知識として定着させることができました。
【法科大学院対策について】
〈京都大学法科大学院〉
本番と同じ時間制約の中で答案を作成する練習を行っていたと思います。特に、刑法の制限時間が予備試験並みに厳しかったので、事前に練習しておくことを強くおすすめします。過去問については、未だに受験指導校が出している模範答案を目にしたことはないですが、法科大学院入試も結局は相対評価なので、順当に合格しそうな受験生の感覚を把握しておくというのが最もよい対策だと思います。そして、論証が不安な部分は、問題文の事情が似ている論文マスターの問題の参考答案を参考にしていました。また、京都大学法科大学院では、他の法科大学院入試では課されないよ うな手形・小切手法や憲法の統治分野からの出題があるのですが、私はこういった分野についても、手を抜かずに勉強するようにしていました。なぜなら、今まであまり本格的に勉強したことがなく、 まだ伸び代があるので費用対効果が高く、また、合格する人でも捨て科目として扱っているのが現状なので、仮に、主要科目でミスをしてしまっても精神安定剤になってくれるからです。私は、法科大学院対策用の講座を取っていたわけではないのですが、過去問を解く際には、基礎マスターと論文マスターの参考答案を何度も参照していたので、知識面はこの2つを完璧にしておけば十分だと思います。一緒に受験する知り合いがいないという人は、直前に実施されている伊藤塾の法科大学院別の法律科目論文模試を受験されることをおすすめします。
〈神戸大学法科大学院〉
神戸大学はとにかく時間制約が厳しく1科目につき40分しか時間が与えられていなかったので、基本的な法律知識に加えて、事案の処理能力が求められているなと思いました。しかし、前年から予備試験対策としてコンプリート論文答練を受講しており、短い時間制約の中で事案を処理するという訓練をしていたので、十分に対応することが可能でした。そういう意味で、最も役に立ったと思ったのはコンプリート論文答練でした。
おわりに
伊藤塾を利用して最もよかったと思う点は、答案作成の型や作法を身につけることができた点です。残念ながら、試験中に表現できないことは、いくら頭の中でわかっていたとしても、採点者からはわかっていないとみなされてしまいます。身につけた答案作成の型や作法は、どの科目で、どのような問いが出題されたとしても、応用することができる万能の知識だと思います。これを身につけないまま、むやみに知識を増やしたとしても、試験の合格から遠のいてしまいます。確かに、基本書などに書いてある様々な論点を学ぶのは法律家にとって大事なことだと思います。しかし、法科大学院入試も司法試験もあくまで試験であることに変わりないので、この点を割り切って、試験時間内で答案を作成するための型や作法を身につけ、問われやすい重要論点を重点的に学習することが合格のための近道であると考えます。伊藤塾には、合格するための知識を学ぶ環境が整って いるので、皆さんもぜひ入塾して合格を勝ち取ってください。