大学の授業にも基礎マスターテキストを活用。本番は自分の理解していることを最大限表現すれば大丈夫
◆学部成績
GPA 3.37 /【11段階評価】A+:A:A-:B+:B:B-:C+:C: D:D -:F=10:8:15:12:20:18:8:2:0:0:0
◆受講講座
司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、 予備試験全国公開短答模試、法科大学院別過去問分析講義など
◆合格校
北海道大学法科大学院(既修)
中央大学法科大学院(既修)全額免除
はじめに
高校の職業体験で検察庁に行ったことがきっかけで、法曹に興味を持ちました。そこで大学進学の際は法学部を志望し、北海道大学法学部に合格したため進学しました。大学在学中に、企業間の紛争に関して学び、ビジネス分野の法律に明るい法曹になりたいと思いました。しかし、法律の基本書を通読することは部活をやっていた自分にとっては、時間や内容的に難しく感じたため、大学2年生から伊藤塾に入塾して勉強を開始することにしました。進学先の法科大学院を選択するにあたり考えたことは、①同期が多いこと、②自分が志望する法曹像に関連する授業が行われていること、③奨学金制度が整っていることの3つです。①については、同期が多い方が、切磋琢磨できる環境にあり高いモチベーションを維持しながら勉強をできると考えました。②については、自分が興味のある科目が設置されている方が楽しく勉強できると考えました。③については、アルバイトをしながら司法試験の勉強をすることは困難であるため、しなくてもすむような環境がよいと考えました。
私の勉強方法
【基礎学習について】
私の基礎学習の中心は、伊藤塾の基礎マスターを受講することでした。大学の授業なども基本書を利用せずに、基礎マスターテキストを利用しました。基礎マスターテキストの利点は、初学者であっても理解できるように整理され、平易な表現で書かれていることです。さらに、難しい論点については図表なども用いて具体的なイメージがしやすいようになっています。そのため、学部のテスト前も基礎マスターテキストを利用し、専門的で難解な部分のみ基本書を使いました。学部の定期テストのたびに基礎マスターテキストを利用したため、結果的には何度も基礎マスターテキストを読み返すこととなり、基本的事項が定着したといえます。また、基礎マスターテキストは重要判例の必要な部分をピックアップして掲載しているため、事案が難しい判例もしっかりと理解することができました。また、論文試験の受験にあたって、筆記の対策をする必要があります。これに関しては、問題研究を利用しました。問題研究には主要論点が全て網羅されているため、問題研究を 3周ほどすることで、論文の書き方や、論点の起案の仕方を覚えました。やはり、論文の勉強では論証を覚えることは必要になります。中には長いものもあるので、何も見ずに書けるようになるまでには苦労しました。そこで私は、論文ナビゲートテキストを用いて、友達と問題を出し合って、すらすら論証を言えるようになるまで練習しました。
【法科大学院対策について】
<中央大学法科大学院>
入試で特徴的な点は、刑法、商法、刑事訴訟法、民事訴訟法で字数制限があるということです。具体的には、30行の表面しかない解答用紙に記入しなければなりません。このような字数制限がある場合には、論点の問題提起や論証を大々的に展開するスペースはないので論証は必要最低限にして、事実のあてはめに字数を割くことが必要になります。私は、他の受験者と差をつけるために、事実をしっかりと評価するということを心がけました。これができている答案は意外と多くないと聞くので、普段の学習から事実の摘示に止まらず、評価するということまで意識するとよいと思います。また30行までしかないため、一度答案を書き始めてしまうと、それ以降は基本的には書き直しをすることができません。これはすなわち、問題を一読して答案構成をする段階で、どのように書くかの目処がついていないと解答を書き切れないということです。最初の答案構成の段階で勝負がつくといっても過言ではなく、普段の学習から答案構成の練習をするとよいです。私はそのための練習に問題研究のテキストを使いました。30行以内で答案を書く場合の答案構成をすることで、30行という短さに慣れるようにしました。
<北海道大学法科大学院>
私は、前期試験を受験しました。行政法もあるというのが特徴的かと思います。特に紙面の関係で字数が不足するような事態にはならないので、気にすべきは時間のなさです。民事系については、民法、商法、民事訴訟法を一度に解答しなければならず、時間が足りなく感じました。やはり大事なことは短く書けるものは短く書くということです。
おわりに
法科大学院入試に関しては、必要とされる水準は、既修者として法科大学院で学習するだけの基本的な法律知識があるか否かです。難関法科大学院を受験するからといって、難解なテキストや問題集に手を伸ばすのではなく、基本を徹底的に自分のものとし、どのようなことが問われても、一定水準以上のことが書けるようにトレーニングすることが大切だと思います。自分は、試験本番に焦ってしまい、合格発表まで不安な思いをしました。その際思ったことは、自分が理解できていることまでを答案に表現すればよかったということです。結果的に全額免除を取れましたが、これから試験を受ける方々には、このような思いをしないように注意してほしいと思います。頑張ってください。