知識の量を増やすよりも、精度を高め、論文で書ける、使えるレベルにすることが重要
![]() |
中山 悠真さん |
---|
【学部成績】3.00 /AA:A:B:C=6:33:52:39
受講講座:司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング
法律の学習を始めた理由 | 私の「推し講座」 | 私の「推しフォロー制度」 | 合格のカギ(秘訣) |
---|---|---|---|
専門性・独立性の高さ | 論文マスター(入門講座) | 伊藤塾チャンネル(YouTube) | 基礎基本 |
【はじめに】
東北大学法科大学院は比較的緩い条件で学費免除を受けられるので、受験することを決定しました。他にも、24時間自習室が利用可能であること、学部時代から住み慣れた仙台という土地で引き続き勉強できる点にも魅力を感じました。予備試験合格のため、大学1年生時に伊藤塾に入塾し、学習を開始しました。伊藤塾の受講を決意したのは、司法試験受験生の先輩方のほとんどが伊藤塾生であったこと、圧倒的な実績があること、の2点が大きかったと思います。法科大学院入試を含め、司法試験は極めて難しい試験であるため、独学で学習することは考えていませんでした。学習を開始して年月が経ってからわかってきたことではありますが、いわゆる基本書というものを一人で読み解き、法律の事例問題を解く、というのはほとんど不可能であるといえます。難解で無機質な学者の講師の本を何のガイドもなしに読んでも全く頭に入らない、という経験を多くの法学部生は体験してきたのではないでしょうか。最近ではわかりやすい基本書や演習書も増えてきていますが、受験指導校を利用してのメリハリのある学習が圧倒的に効率が良いことに変わりはないと思います。
【私の勉強法】
◇基礎学習について
私の勉強方法は、基礎マスター、論文マスターを受講し、ひたすら問題研究の問題を繰り返す、という基本的なものです。定義や論証などの暗記しなければならない事項については、自分で暗記カードをつくって意識的に記憶するようにしていました。また、予備試験短答、論文前には、必ず伊藤塾の模試を受験するようにしています。本番と同じタイムスケジュールで初見の問題を解く経験はなかなかできないため、普段の勉強では得られない発見がありとても有益です。また、予備試験対策は、学部試験対策にもつながるため、期末試験直前に焦って勉強しなくてもよかったことも利点の一つでした。知識の90%以上は伊藤塾の基礎マスター、論文マスターから得たものであり、それで必要十分なものだと感じました。知識の量を増やしていくことよりも、知識の精度を高め、論文で書ける、使えるレベルにしていくことが大事だと思います。講義で行われる知識のランク付けや取捨選択はメリハリのある学習に欠かせないもので、大学の授業を受けているだけでは濃淡のない学習に陥ってしまっていたと思います。最近は司法試験は暗記ではない、と喧伝されており、確かにそうだな、と思う部分もありますが、個人的には、暗記をしなくてよい、という意味ではなく、最低限の暗記を乗り越えたうえでの思考力や応用力、事実認定力で合否が決する、という意味であると捉えるべきだと思います。多くの受験生が書ける定義、論証を書けないことは不合格に直結するため、最低限の暗記から逃げないようにすることが不可欠だと思います。
法科大学院対策について
東北大学法科大学院入試に向けて、これといった対策はほとんどしませんでした。対策にかけたのも10日ほどだったと思います。というのも、法科大学院入試対策は予備試験対策に包含される関係にあるため、日頃から予備試験の勉強をしていれば、顕著な特徴がある入試問題でない限り、ほとんど対応可能だと考えていたためです。実際に、東北大学法科大学院入試は、憲法以外は予備試験対策によって対応可能な問題であるため、直前に定義、論証の確認とタイムマネジメントのために過去問を何年か解く、といった程度の対策で足りました。問題は全体として予備試験より簡単で、刑法だけ予備試験に準ずる難易度かな、と感じました。強いて言えば、刑事系は時間的に厳しいのでタイムマネジメントを意識しておくことと、商法は形式が独特で、かつ、過去問とかなり出題が被るので、過去問をやっておくと点数が取りやすい、というのが対策のポイントだと思います。前述した予備試験対策と重ならない憲法は、毎年一つの判例について説明する、というような問題なのですが、(昨年は傾向が変わり学説対立についての記述でした)基礎マスター掲載判例を復習しておく、くらいしか勉強のしようがないかと思います。また、それ以上の対策をしている受験生もあまりいなかったですし、予備試験、司法試験とあまりにも乖離した問題なので、あまり深入りしない方が良いと思います。法科大学院入試は基本事項の確認のいい機会になりました。
予備試験との平行受験において法科大学院入試で工夫したこと
東北大学法科大学院は予備試験論文を受けた3日後くらいに出願締切だったため、論文が終わるまで志望理由書すら書いていませんでした。ギリギリでの出願になったので志望理由書はせめて書いておいた方が良かったかもしれません。ただ、予備試験論文を受験する人は法科大学院入試に対して過度に不安にならず、論文が終わってから対策を始めればよい、という講師の講師の方々のアドバイスは正しかったと思います。前期入試が論文から1ヶ月後だったので、十分に対策する時間がとれましたし、それで十分だったと感じます。入試の時期が予備試験論文からある程度離れている方は、予備試験対策に集中すべきだと思います。
(法科大学院進学後に予備試験を受験予定の方)予備試験を受験される理由
本末転倒だと思いますが、予備試験という試験に合格したい、というのが最も大きいと思います。受験生活のなかで、予備試験という難関に合格することの難しさを思い知ってきたので、事実上の最後の受験で予備試験にケリをつけたいです。また、試験制度が変更され、司法試験を受ける年度が早まる訳ではなくなりましたが、予備試験に合格すれば法科大学院を中退できるため、莫大な学費を払わずに済む、というのも大きなメリットだと思います。
おわりに
当面の目標は、今年度の予備試験合格です。法科大学院の授業と並行しての受験は大変なことも多いと思いますが、必ず合格して有終の美を飾りたいと思います。もちろん、試験の合格がゴールではないので、手段と目的を混同しないようにしなければいけませんが、予備試験合格は、これまで勉強してきた自分にとっての大きな目標なので、必ず達成したいです。これから法曹を目指すみなさん、伊藤塾でともに頑張りましょう。