予備試験に合格できるような知識を持っていれば、どこでも苦戦はしない
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P.Bさん |
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学部成績:3.39 /10:36:49:12
受講講座:司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練他
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はじめに
司法試験を目指した理由としては、私は昔からあまり周りに合わせることが苦手で、ひとりで黙々といろいろなことを行うことが多かったことから、独立して仕事を行え、裁量の幅が広い職業を選びたいと思い、司法試験を目指しました。伊藤塾に入塾したのは、大学1年時の夏でしたが、勉強に熱心な生徒ではなく、本格的に勉強を始めたのは大学2年時の夏を過ぎたあたりからです。伊藤塾を選んだ理由は、大学の周りの人がみんな選んでいたこと、大学生協の説明会なども伊藤塾が主催することが多かったことです。
私の勉強法
◇基礎学習について
基礎マスターの勉強法
基礎マスターでは、当初は対面の教室に通っていましたが、今考えると、自分はひとりで静かな自宅で黙々と勉強をする方が性に合っていることに気づきました。伊藤塾の講座には、素晴らしいことにWeb受講システムや早聴きの制度があるなど、自分のペースで進めるうえで最適な環境が整っていましたので、それをもっと利用すべきだったなと少し後悔しています。しかし、1年時に基礎マスターについて対面での講義を選択したことで、口述試験の際に過去問を出し合う仲間や、就活事情について教えてくれる伊藤塾の仲間ができたので、一概にどちらが良かったかは言えません。ただ、自分のペースで学習を進められる環境と仲間のできる環境の双方が存在する点は魅力的だと思います。基礎マスターでは、自分は当初、講義を聴いているだけという受動的な姿勢であったこともあり、理解できないままの箇所を残して先に進んでしまった点が失敗でした。もう少し、能動的に基礎マスターで学んだことを基本書などと合わせて理解しようとすれば、基礎マスターの効果を何倍にも高められたのではないかと考えます。実際に、基礎マスターの教材を学習の進んだ大学3年時に見返した際には、意識して見返すことでその内容の理解が向上していることに気づきました。基礎マスターテキストはその内容が良いものであったにもかかわらず、自分が最初からそれを最大限活かせなかったことが悔やまれます。
論文マスターの勉強法
私は、論文マスターでは、やはり何度も答案例を見返したり、答案構成を行ったことが良かったように思います。また、1回目の論文試験に落ちた後に、勉強法を見つめなおし、論文マスターで出てきた論証を小さくコピーして、論文ナビゲートテキストに貼ることで一元化したこともとても良かったように思います。論文マスター段階の勉強の後悔としては、自分は最初の短答試験に僅差で落ちた後からやる気を失っており、予習や答案作成をあまりきちんとせず、講義に臨んでいたことです。その間違いに気づいたのは、1回目の論文試験に落ちた後でした。皆さんは、答案作成をきちんと早いうちから行うことをおすすめします。
◇法科大学院対策について
法科大学院の志望校としては、4年間通い続けてなじみの深い自分の大学と同じ、一橋大学法科大学院を国立の第一志望にしました。また、司法試験の合格率が私大で一番良いこと、家から近いことから、慶応義塾大学法科大学院を私大の第一志望としました。法科大学院対策は、伊藤塾の論証の見直しと、予備試験の論文に合格している感触があったので、より難易度の高い司法試験の過去問を代わりに解いただけで、特別なことはしていません。
慶応義塾大学法科大学院について
試験時間が短く、時間配分が重要なので、過去問を数年分だけ取り組みました。後は予備試験に受かった感触があったので、伊藤塾の答練や論証集を見直しして、練習として、司法試験の過去問を解いていただけです。
早稲田大学法科大学院について
過去問も一年分のみで、同じく練習として司法試験の過去問しか解いていません。
一橋大学法科大学院について
1次試験について
一橋大学法科大学院を受験される方は、自分は突破できましたが、今年なぜか一次選抜のTOEICの足切りを735点にするという意味のわからないことが起きたので、TOEICのスコアを750点以上にしておく方が安全だと思います。
2次試験について
2次試験が予備試験の口述試験の6日後だったので、疲れていて、あまり勉強をすることはできませんでした。しかし、口述試験で使った知識が民法、刑法、刑事訴訟法では特に役立ち、苦戦はしませんでした。せいぜい伊藤塾の論証集、答練を見直ししただけです。
3次試験について
3次試験の面接が予備試験に合格した後でしたが、なぜか予備試験関連の質問はうまくかわすことができ、無事何とか乗り越えました。インターネット上で、例年面接で聞かれることはある程度知ることができるので、面接の心配はそこまで不要です。特に大学が一橋大学出身の人で、面接で落ちる人は、自分の知る限り聞いたことがありません。一橋大学法科大学院を受験される方は、(自分は突破できましたが)今年なぜか一次選抜のTOEICの足切りを735点にするということが起きたので、TOEICのスコアを750点以上にしておく方が安全だと思います。また、足切りに備えるという意味では、東京大学法科大学院や京都大学科大学院と同時に併願して(併願自体は検定料さえ納めればでき、二次試験を同時に受けることができないだけなので)、一次選抜を通った方を受験するというような戦略も必要になってくるかもしれません。
予備試験との平行受験において法科大学院入試で工夫したこと
基本的には、法科大学院入試では、予備試験に合格できるような知識を持っていれば、どこでも苦戦はしないと思います。私は、法科大学院の入試が予備試験の論文試験後に定期的に入ってくれたおかげで、試験に向けて論文の勉強をする習慣を崩さないことができたので、その点が良かったです。なので、予備試験を受験される方は、そこまで心配する必要はないと思います。
おわりに
法曹コースにも所属していた自身の体験を踏まえて、法曹コースのメリットとデメリットを記します。
メリットとしては、法曹コースの3年早期卒業コースに入り、仮に3年時の予備試験がだめでも、法科大学院に行くことで、既習2年時(大学4年相当時)に予備試験合格、次の年に司法試験に合格することで、法科大学院を中退せずとも、法科大学院を修了でき、予備試験合格と法科大学院の良いとこ取りをできるというものです。私の代では大学にそのような人は一人もいませんでしたが、他の大学にはいたようです。ただ、両立はそこそこ難しいと個人的には思います。また、従来、国公立大学三校(東京大学、京都大学、一橋大学)は二次試験の日が同じで同時の受験ができませんでしたが、法曹コースの特別選抜試験は、一般受験の二次試験の日程とは別のことが多いので、ふたつの併願が可能となります。私が通っていた一橋大学にも、特別選抜で合格し、一般受験で東京大学法科大学院を受けて合格している人がいました。選択肢を広めるという意味で、活用を検討してみると良いと思います。
デメリットとしては、大学にもよると思いますが、私の大学では法律科目のGPAよりも一般教養科目などを含めたGPA要件がかなり高めに設定されておりました。伊藤塾で勉強をして法律科目ができたからと言って、要件を満たせるとは限らないのです。また、卒業論文(自分の大学では4万字)を3年時の1月までに完成させなければならず、予備試験・司法試験の勉強との両立が大変になってくるという点でした。