伊藤塾から正しい努力の方法を学んだ
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I.Eさん
予備試験受験経験あり法曹コースで合格
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学部成績:3.85 /S:A:B:C=62:43:19:0
受講講座:司法試験入門講座(本科生)、法科大学院別過去問分析講義
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はじめに
法科大学院に求めるものは卒業生ネットワークの厚さでしたので、一学年の人数が多く、司法試験合格率の高い学校を中心に受験しました。私が法律家を目指したきっかけは本当のところ、日本語の文書を書くのが好きで得意という適性を活かして取得できる最難関の資格であると考えたためという、あまり夢と再現性のないものです。よって、以下の合格体験記もむしろ、各大学院に提出する志望理由書に書けることがなく焦りを感じているような方にこそ捧げたいと思います。動機がなんであれ、努力によって実力をつけることは可能だという前例になれればと思っています。とはいえ、大学2年生の頃、呉クラスの講義に出会っていなければ、私はとっくに勉強を諦めていたと思います。法科大学院入試対策においても、ほとんどを呉クラスの講義で扱った内容でカバーしていました。
私の勉強法
◇基礎学習について
私の勉強の流れは以下の通りでした。間違いなく最短でも良好でも十分でもありません。こんな四苦八苦をした受験生もいたんだな、という程度に考えていただければ思います。
憲法・民法・刑法⓪基礎マスターを受講・復習する①論文マスターに取り組み、打ちのめされる②論証を暗記する③論文マスターの復習をして丸暗記を使える知識にしていく⓪基礎マスターを受講・復習するコツは「理解できないことをスルーする勇気」です。法律は概観が分かってからの方が理解しやすい点がたくさんあります。時には他科目とのつながりから理解が進むということもあります。極論、その詰まっているところが出題されるとは限らないのです。何度読み返してもモヤモヤする箇所があろうと、短答過去問の正解率が悪かろうと、とにかく一通り復習したら先に進んだのが結果的によかったと思います。①論文マスターに取り組み、打ちのめされる「復習はいつまで経っても完璧にはならないからアウトプットの練習をしなさい」ということは何度も言われると思いますが、手も足も出ないという状態を体感することにも価値がありました。実力不足というのは頭でわかっていても、実感しないと危機感につながらなかったためです。②論証を暗記する①で知識不足を痛感し、主に口頭試験がある入試の前の時期に取り組んでいました。「丸覚えは現場で使えなくて危険」という話があります。これは正論なのですが、一方で定義や規範は暗記をしないことには始まりません。一度丸覚えをすることで、知識の整理が一気に進み、問題が解けるようになったと感じています。適した暗記の方法は個人差の大きいところですが、記憶の定着を確認するとき、声に出して説明できるかを試すのが口頭試験対策に役立ったと思います。③論文マスターの復習をして丸暗記を使える知識にしていく論文マスターの2周目、3周目です。2周目では模範答案と自分の答案の差を分析をして、足りないところや勘違いしているところを確認していきます。3周目は1日20問弱のスピードで答案構成をして知識の定着の確認をしました。
民事訴訟法・刑事訴訟法・商法(会社法)⓪完全マスターを受講・復習する①完全マスターの復習をする②過去問分析講座などで頻出論点を絞って完全マスターの復習をするご覧の通り、講義の復習しかしていません。おかげで規範の暗記と理解が不十分となり、試験現場で苦労しました。基本概念の定義と基礎的な論点を覚えて規範を書けるようにし、出題頻度が高い順に取り組むことが肝要かと思われます。私は以上の学習でどうにか入試を戦えるレベルまで持っていくことができました。今振りかえって、時間をもっと上手く使えたならやりたいことは、暗記を長期的にコツコツやることと、呉明植基礎本シリーズのない科目の論証を見やすい形にまとめることです。
◇法科大学院対策について
明治大学法科大学院7月上旬という早い試験日だったということもあり、勉強が追いついていませんでした。直前まで呉明植基礎本シリーズの論証をひたすら音読と書き写しで暗記していました。口頭試験は刑法と民法でした。後から思い返すと、間違ったことも言いましたし、試験中も先生に「ちょっと違う」と指摘されたりもしましたが、最終的には合格をいただきました。緊張しすぎると、頭にあるものも出てこなくなるので、難しいと思いますが、なるべくリラックスして受験するよう心がけるのが大事だと感じました。
中央大学法科大学院明治大学のときと同じく、呉明植基礎本シリーズの論証を音読と書き写しで覚えこみました。口頭試験はオンラインでの実施でした。私は自宅で受験しましたが、土日に静かな部屋で1人になれる環境がない場合、受験場所を早めに考えた方がいいと思います。内容は民法の代理権についてで、呉明植基礎本シリーズに載っている論証、本文の事例とほぼ同じ内容を聞かれました。知っている論点だったことで緊張がほぐれ、後半の志望理由書に関する質問にも、落ち着いて対応することができました。
慶應大学法科大学院は、法科大学院別過去問分析講義を受講し、試験日の1週間前から3年分の過去問を解きました。一科目あたりの試験時間が短いという特徴があるため、本番と同じ時間割で過去問に取り組みました。動画によって孤独感が緩和されるという副次的効果もあったので、直前期にもおすすめです。入試当日のことは必死だったのであまり覚えていませんが、答案が用紙裏面に到達した科目はありませんでした。再現答案を作ったところ、憲法にもかかわず条文番号を書き間違えている箇所、うろ覚えの規範を誤魔化している箇所、規範の抜けに後から気づいてあてはめ中にねじ込んだ箇所などが見つかり、惨憺たる有様でした。それでも合格をいただけたのは、呉講師の教え通り、読みやすい日本語で文章を書くことを意識し、あてはめで問題文の事情に食らいついていった点などが評価されたのではないかと考えています。
予備試験との平行受験において法科大学院入試で工夫したこと
短答過去問について、基礎マスター・完全マスターの進度に合わせて復習として1周目を解き、大学院入試に向けては知識を固める方法の一つとして、6月ごろまで憲法・民法・刑法を中心に2周目・3周目と同じ問題を解いていました。瞬発力や、問題文の中で注目すべきポイントに対する経験値を培うことできたことは、口頭試験があったり試験時間がシビアな法科大学院入試にも役立ったかと思います。
法曹コースカリキュラムについて
明治大学の法曹コースのカリキュラムにおいて、一番大切なことは「法曹コースの一貫教育プログラム修了要件を隅から隅まで読んで理解すること」です。何を当たり前のことを言っているんだと思うかもしれませんが、法曹コースの一貫教育プログラムの修了要件は、入学年度によって必要な単位が異なるなど、存外複雑です。どんなに理解が完成されていようが、どんなに優秀な成績を取ろうが、取る単位を間違えていては、一貫教育プログラム修了見込を取れません。その結果、5年一貫型・開放型入試の受験資格すら失うことは、精神的にも時間的にも大変な損失です。そこさえクリアできれば、日頃から伊藤塾の講義を理解しようと努力している方にとって修了要件の単位をGPA水準を保って習得していくのはさほど難しいことではないと思います。強いてコツを挙げるなら、「テスト勉強をすること」です。「予備校の勉強で十分対応できるから学校のテスト勉強はしなかった」という合格体験記がたくさんあるかと思いますが、それは「テスト勉強が不要なくらい予備校の勉強が進んでいないと大学院に合格できない」という意味ではありません。特に5年一貫型・開放型入試を利用する方はGPAも大切になってきます。背伸びをして失敗するくらいなら、地道にやりましょう。
「合格の秘訣」について
4年卒ながら5年一貫型入試を利用した私にとって、合格の秘訣は「4年卒という選択肢を知る」ということでした。以下、かなり打算的な話をします。あなたが3年生のとき、大学院合格を手にし早期卒業を控えている同学年の優秀な学生たちは、次の年、あなたの学年にいません。つまり、あなたの学年内での順位は上がります。加えて、非法曹志望の学生も、学年が上がるにつれ、学部の勉強に力を入れなくなるのが一般的です。そして、あなた自身の実力も、半年ないし1年で必ず伸びてきます。呉クラスのカリキュラムで考えても、1年あれば3〜4科目をいちから学ぶことができることからも想像していただけると思います。相対評価においても絶対評価においても、高評価が取りやすい環境になるということです。実際、私のGPAは2年秋学期時点で3.14でしたが、3年秋学期の履修科目全てでSを取得し3.33に、4年春で3.35(伊藤塾基準では3.85)と上昇しました。GPAが高いということは書類審査における安心材料になっていきます。たとえば、学部内成績優秀者として奨学生に採用されれば、志望理由書においてアピールすることが増え、精神的な支えになります。学部事務室が発行する法曹コース内での順位等の証明を推薦書として提出することができる学校もあります。一方、4年生での5年一貫型・開放型入試出願を認めていない学校もありますので、その点はご自身の志望校を確認してください。
おわりに
伊藤塾を利用して良かったことは、正しい努力の方法を教えていただけたことです。試験対策に重きをおいて編集されたテキストは、読み込めば読み込むほど、実際に短答・論文試験の過去問が解けるようになっていく実感があります。また、上記した勉強方法も基本的には講義中に呉講師が指導されていたことを実践したものです。努力すればするほど伸びる方法を自力で探すのは私には不可能だったと思うので、このように恵まれた環境に身を置けて本当によかったと感じています。
呉クラスの「これからの学習について」まで辿り着いたものの、ようやくうっすら全貌が見え始めた越えるべき壁の高さに言葉を失っていませんか? 4月の私です。苦しい勉強の合間に合格体験記を覗いたらGPAがすごく高い人たちのストイックな勉強方法ばかり出てきて絶望していませんか? 7月の私です。それでも、9月の私は第1志望に合格しました。受験する前から諦める必要は全くないです。もっとも私は上記の通り、外連味あふれる学習状況でしたので、第1志望に合格した時、驚きすぎて大号泣しながら床に崩れ落ち膝を擦りむきました。みなさんは落ち着いて合格を受け入れられるような努力を積み重ねてください。正しい努力の方法は伊藤塾の講座が教えてくれます。