「何のために法律家となるのか」常に考えさせる機会を提供する伊藤塾を選択。

大学在学中

 P.Pさん

国公立大学法学部3年在学中
【受講講座】司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練、短答答練、6時間でマスターする要件事実主張整理、口述模試 など

※プロフィールは、2011年合格時点のものです。


はじめに

私は高校時代から弁護士を目指し始めました。当時『それでも僕はやってない』という痴漢冤罪の映画を見て、自白の強要、可視化なき取調べの実体、いわゆる「推定有罪」の理不尽な刑事実務に憤り、被疑者、被告人の人権を守りたいと思ったことが私の弁護士志望の原点であり、今でもこの点は基本的にブレていません。予備試験対策を伊藤塾に委ねたことも、伊藤塾が単なる受験テクニックの指導ではなく、何のために法律家となるのか、そのことの意味を常に考えさせてくれる機会を提供してくれる用意があったからだと思います。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

 「合否を分けるのは、いかに盤石な基礎を固めたかである」。私はこの言葉を信じて基本的な知識を血肉化することに最も重点を置きました。具体的に言えば、Aランク、B+と言われたもの、「これは必ず覚えてください」と言われたものについては、瞬時に口に出して言えるくらいに記憶することに努めました。逆にいえば、Cランク以下のものは徹底的に無視して、はじめのうちは「できれば覚えてください」とか「覚えた方がいいですよ」と言われた部分についても反対解釈して、「できなければ無理に覚えなくてもいいんだな」とか「覚えた方がいいけど、覚えなくても致命傷にはならないんだな」と割り切っていました(むろん試験直前には叩き込んだが)。完璧主義を目指さず、良い意味での「いい加減さ」があったからこそ、最後まで挫折しないでついてこられたのだと思います。私のこの徹底したメリハリ原理は、私の受講したすべての講座において貫徹されました。予備試験もほとんどの問題が基礎的知識で対応できるものであったと思います。短答式試験に関して言えば、問題を読んですぐ「あ~、これは基礎的な問題でみんなできるから落としちゃまずいな」とか「あっ、これは初耳の知識を問うているな。どうせほとんどの人が頭を悩ますから最後に回して一番常識的な選択肢を選ぼう」というように、基礎的な問題と応用的な問題をかぎわけることができ、効率的に解答をしてそれなりの高得点を得ることができました。盤石な基礎固め、重要な知識と優先度の劣る知識のメリハリ付け、これら2つの所産です。
 総じていえば、具体的にどの講座が予備試験にどのように活きたかというよりも、基礎知識を徹底して確認し、重要知識とそうでない知識とのメリハリ付けというメソッドが私の受講したすべての講座を通して本番に活かされた、と表現する方が正確かもしれません。

短答式試験対策について

 短答式試験対策として、私は短答答練と全国公開短答模試を受講しました。それ以外に、市販の問題集を、憲法、民法、刑法については「司法試験択一問題集(伊藤塾オリジナル問題集)」(弘文堂)を、民事訴訟法、刑事訴訟法、行政法、商法については「司法試験短答式過去問(伊藤真NEWセレクション)」(法学書院)を2回ほど繰り返して解きました。あまり手を広げすぎないよう心がけました。

論文式試験対策について

 論文式試験は、ともかく人に添削してもらうことに意味があると考え、答練、より具体的にはコンプリート論文答練を受講しました。忙しかったため、期限を決めてその日までにきちっと提出するということはできず、遅延が日常茶飯事でしたが、自分が受けたものについてはどこが弱点だったのか、どうすればもっと良く書けたのかを十分吟味し、同じ問題や似た問題が出題されたら絶対に落とさないようにすることを心がけました。

法律実務基礎科目対策について

  法律実務基礎科目については岡崎講師の基礎マスター法律実務基礎科目を受講しました。基本科目の方に学習のウエイトを置いていたため、実務基礎科目自体の答練は受けず、口述試験前にオプションの講義を受講したくらいです。要件実務の考え方は民法の復習として、特にこれまで暗記していた個々の要件がどのような意味を持っているのかを再確認する意味で大いに役立ったと思います。民事訴訟法や刑事訴訟法は抽象的でとっつきにくい科目だが、民事・刑事手続で具体的なイメージを持っておくことで、それらの科目も学習しやすくなったと思います。もっとも、試験科目のウエイトは圧倒的に法律基本科目であるので、法律実務基礎科目にはそこまで時間をかけないよう心がけました。

一般教養科目対策について

 (1)短答式試験対策について
  短答式試験対策としては、全国公開短答模試を一回受講した以外は特に対策するための講座は受講しませんでした。もっとも、何もしないのも心配であったので、一応高校時代の世界史の教科書と政治経済の教科書を一読しました。英語は大学でも勉強しているし、(選択式なので)自然科学の問題は全部捨てようと思い、一切勉強をしませんでした。
 (2)論文式試験対策について
 率直なところ、論文式試験対策は一切していません。大学レベルの一般常識があれば大丈夫であろう、それよりは法律基本科目の対策にウエイトを置こうと考えたためです。日頃からテレビのニュースや新聞に目を通し、人並みに読書していれば大丈夫であろうという気持ちで本番に臨みました。

口述試験対策について

 口述試験対策としてはオプションの講座のほか、口述模試を受験しました。佇まいや口癖などの自分では気づかない点を指摘され、本番前に正すことができたことは大いに自信になりました。誘導にうまく乗れないという欠点も本番前に自覚しておいて助かりました。

伊藤塾の学習と大学生活との両立について 

 予備試験は腕試しのつもりで受けていたため、予備試験の対策よりも大学の授業にウエイトを置いていました。法科大学院入試に際しては学部成績が重視されること、せっかく授業料を払っていながら授業に出席しないのももったいないと考えたこと、これらの考慮から大学の授業には予習・復習をして臨み、予備試験のための勉強は余った細切れの時間を充てることとなりました。サークルにも入っていますが、そこまで忙しいサークルではないため、試験勉強には差し支えなかったと思います。

司法試験受験の準備として 

 予備試験合格は全くの想定外だったため、司法試験の勉強は特にしてきませんでした。今後はペースメーカー論文答練などの伊藤塾の司法試験対策講座を活用し、できることなら来年度の合格を目指したいです。  

合格後を見据えて 

 痴漢冤罪の理不尽に憤り弁護士を目指したという原点もあり、何らかの形で社会の理不尽と闘っていけるような弁護士になれればと考えています。「人権が私の恋人」と言えるような弁護士でありたいです。

最後に 

 あえて言えば、「気持ちの切り替えの早さ」だと思います。論文式試験の前日、気になっていた女性との会食の約束を当日にキャンセルされテンションが下がったものの、翌日にはすっかり気持ちを切り替えて論文式試験に臨むことができました。前日の科目での失敗もそうですが、過去を忘れて今目前に迫ったものに全力で向かい合うことが、何事においても勝利の秘訣だと信じて止まないです。