とにかく基礎の反復。「当たり前」といえるレベルまで上げていくことが大切です。

法科大学院在学中

 I さん(25歳)

中央大学法学部卒業、国公立大学法科大学院(既修)3年在学中
【受講講座】
司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練、論文直前答練、司法試験既修本科生 など

※プロフィールは、2012年合格時点のものです。


はじめに

 私は高校時代から法律家になることを考えて法学部を選択していたため、大学1年生から伊藤塾に通いました。伊藤塾を選択したのは、実績の高さと知り合いの先輩の評判が高かったからです。実際に通ってみて感じることは、テキストが整理されおり、わかりやすい講義をしていただけることから、小難しい学説が書いてある基本書から勉強するよりもスムーズに法律の世界に入ることができたといえることです。どんなことでも得意になるには好きになることが大切だと思いますので、伊藤塾で勉強を開始して正解であったと思います。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

 少なくとも主要6科目については予備試験の合格に必要な知識の9割近くを基礎マスター・論文マスターで修得できるのではないかと思います。私は、山本有司講師に教えていただいたのですが、判例や学説をわかりやすく、ときには面白おかしく説明していただき、非常に法律を好きになれました。基礎マスターテキストは学説・判例が整理されており、わかりやすい図もあり初学者には取り組みやすいものであると感じました。とくに受験勉強という観点から間違いやすい事柄が丁寧に整理されており、勉強が進んだあとも見返す価値のあるものであると思います。基礎マスターテキストではランク付けがされていますが、はじめは何が大切で何が瑣末な議論なのかの判別ができなかったため、非常に助かりました。というのも、ただ基本書などを読んでいても、試験でどこがよく聞かれるのか、聞かれないのかといったことはわかりません。そのため、何を覚えるべきかわからなくなり不安に感じてしまうことがあると思います。しかし、ランク付けのおかげで基礎マスターテキストのどこを最低限押さえなければいけないのか常に意識して勉強することができたと思います。予備試験の最終合格のためにはBランクまで押さえていれば十分だと思います。ただし、何度も反復してBランクの論点までは問題の所在から規範・結論まで「当たり前」といえるレベルまで上げることが大切だと思います。実際、試験中に典型論点を思い出している時間はないからです。

短答式試験対策について

 とにかく条文と基本判例を押さえることです。私は短答マスターでこれらを身につけました。この講座では条文と試験に必要な知識が網羅されている情報シートをもとに講師が講義してくださるものです。なかなか一人で条文を読んでいても頭に入らないものなのでこの講座は非常に有益でした。また、情報シートもかなりの情報量があるのでこれを読み込むだけで短答に合格する力は十分つくと思います。ただし、条文の中には混同しやすいものも多く含まれています。全体系の中でどこに位置づけられるのかということがわからないと混乱してしまうことがあると思います。そのため、基礎的理解の充実が必須であり、短答対策においても基礎マスターが重要になってくると思います。

論文式試験対策について

 伊藤塾では早い時期から答練を書く機会を設けてくれています。私は、はじめは「もう書くのか!?まだ何もわかっていないのに・・」と思っていました。そして、実際書いたところ案の定、大変な点数がついてきました。しかし、「六法と問題文だけが与えられた中でいかに考えるか」という論文式試験にとって一番重要なことを早い段階からできることはその後の勉強においても役立ちました。また、聞いたことはあるし、なんとなく問題となる点はわかるという経験をしたことで法律試験における暗記の大切さを身をもって感じることができました。この点で、伊藤塾のカリキュラムは非常に学習効果の高いものだと思います。 
 予備試験の論文問題を見るとかなり基本的なオーソドックスな出題が多い気がします。そのため、基本的部分でミスをするとかなり痛手になるため、法科大学院入試以上に基本部分が大切になり、基礎マスターの反復は欠かせません。また、旧司法試験に主題形式が似ているため、旧司法試験の過去問を中心に作られた論文マスターテキストを反復することもまた有益です。
 基礎マスターで得た知識が具体的にどのように出題されるかを知ることは、論文問題を解くうえで当然重要ですが、基礎マスターの理解を深めることにも役立ちます。そのため、完璧主義に陥らず、基礎マスターが完璧でなくとも論文マスターに進むことをおすすめしたいと思います。
 また、論文対策においては答練を受けることも重要だと思います。論文マスターを反復しているとはじめて見る問題を解く機会がなくなりますが、はじめて見た問題に如何に食い付けるかを試すのに答練は有益だと思います。ここでも完璧主義に陥らずに論文マスターを終えたら早い段階で答練を受けることをおすすめします。実際に書いてみると理解の甘さを痛感したり、新たな発見があったりするからです。

法律実務基礎科目について

 上述のように主要7科目の論文問題がオーソドックスであるがゆえに大きな差が開かないため、この科目が合否を分ける(とくに若手)と感じております。書き方や少々の知識を身につけるだけでだいぶ違うものがあると思うので伊藤塾を利用して対策するほうがよいと思います。

一般教養科目対策について

 一般教養科目の論文試験では、知識ではなく、自分の考えたこと、問題から読み取ったことを端的に(行数制限がされている)理由を付しながら書くといことが求められていると思います。その意味で法律論文に似たものがあります。

口述試験対策について

 あまり対策はできませんでしたが感じたことは、聞いていた以上に知識がないと落ちるということです。論文試験の勉強だけではあまりやらないこと(規則の細かい条文というよりも法律の条文で足りる知識)をかなり聞かれました。そのため、口述模試などで訓練したほうがよいでしょう。  

合格後を見据えて 

私は刑事弁護に携わりたいと感じておりますので、そういった勉強会などにも顔を出すことを考えております。具体的法曹像がまだ決まっていない人はさまざまな方面の人の話を聞く機会として明日の法律家講座を利用するのもよいかと思います。

最後に 

 とにかく基礎の反復が大切だと思います。反復することで「こんなの当たり前じゃん」といえるレベルをどんどん上げていくことが大切です。反復はしんどいですがうまく自分を騙しながら楽しみながら工夫してみてください。