文学部から合格。当初は国語教師が目標。言葉を使って人の役に立てる仕事としての法曹へ。
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F.Mさん |
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受講講座:司法試験入門講座 本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練、予備試験口述模試など
法律の学習を始めた理由 | 私の「推し講座」 | 私の「推しフォロー制度」 | 合格のカギ(秘訣) |
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人の役に立つ 仕事内容 | 論文マスター (入門講座) | 伊藤塾チャンネル(YouTube) | 反復と継続 |
はじめに
私は、言葉の力で誰かの役に立ちたいと考えており、大学入学当初は国語の教師を目指していました。ところがコロナ禍で満足に大学に通えず自分の将来に対し漠然と不安を感じていました。そんな中、教師以外の職種について調べていると、『検察官になるには』(ぺりかん社)という本をたまたま読む機会があり、言葉を使って直接的かつ具体的に人の役に立てる仕事として法曹という職を認識しました。そこからは、まるで靄が晴れるように「自分がやりたかったのはこれだ!」と感じ、すぐに法曹を志すことにしました。
法曹については司法試験に受かる必要があることくらいしか知りませんでした。インターネットで検索してみると、予備試験ルートが最も早く夢を実現できること、また予備試験合格の圧倒的実績があるのは伊藤塾であることを知りました。そして受からなければ意味がないと思い、最も合格実績のある伊藤塾を選ぶことにしました。
私の勉強法
◇基礎学習について
伊藤塾長や基礎マスターゼミのゼミ長が、基礎マスター段階ではとにかく1周させることが重要とおっしゃっていたので、講義を受講し終えることを重視しました。
私は入塾したのが9月末で、次の年の短答試験まで時間がなかったので、朝5時に起きて再生速度を早めた講義を最低3コマは受講し、午後は受講した分の復習と学習支援システムの該当箇所の問題を解くようにしました。その結果、年末には4月入塾生に追いつくことができました。
講義はとにかく受講し終えることを目標にしていましたが、復習では理解することを意識していました。学習支援システムの問題(過去問ではなく肢別)を解くと、理解できていない内容が浮き彫りになり、インプットの質を高めることができました。また学習支援システムで解いて間違えた事項については基礎マスターに書き込んでいました。
刑法が始まったあたりからは並行して基礎マスターをもう一度読む作業を行いました。結果として最後の科目である行政法が終わる頃には、各科目最低2~3回くらいは通読していたと思います。行政法の基礎マスターが終わってからは、学習支援システムの過去問をスタートさせました。解いて間違えたところは基礎マスターで確認をしたうえで、論文ナビゲートテキストにメモをとり情報を一元化しました。勉強が進んでくると基礎マスターテキストを全て読むのは時間的に厳しくなるので、一元化の場所を論文ナビゲートテキストに変えたのは成功でした。
◇論文学習について
目標にしていた短答試験合格を達成できた後は気が抜けてしまい、十分な準備ができないまま1年目の論文試験を受験しました。結果は散々で気を引き締めざるを得ませんでした。
論文マスター段階では予習が重要と言われましたが、基礎マスター段階で短答合格を意識しすぎ、論証を全く覚えていなかったため、答案構成をしてから講義に臨むことには挫折しました。そこで、基礎マスター同様、取りあえず講義を受け、その後登場した論点の論証をルーズリーフに書いて覚えたり、答案を見ながら答案構成を作ってみたりして、2回目には絶対解けるようにすることを目標に復習しました。
新しい科目が始まると前の科目の解き直しをスタートさせました。この段階では何も見ず答案構成を行うことを目標にしましたが、なかなか上手くいきませんでした。結局、論文マスターの問題はどの科目も最低6~7回は解いたのですが、全問答案と同じ構成で書けるようになったのは5回目くらいからでした。ただ何度も解くことで、論証の正確な把握や、より良い事実認定方法が身についた上に、新たな疑問が生じるのでインプットの質を高められたと思います。私が論文試験に合格できた最大の要因は、この論文マスターの解き直しにあると確信しています。
◇短答式試験対策について
上述したように、朝に受けた講義をその日中に復習し、そのまま学習支援システムの肢別の問題を解くようにしていました。たくさん間違えるけれど、間違えた問題を基礎マスターにしっかりメモして、後日その基礎マスターを読み直すという作業を行ったので、2回目に解いたときには一気に出来が良くなり達成感がありました。
基礎マスターの講義が終ってからは過去問を解き始めました。過去問は分野横断型であるし、全選択肢に目を通すのは難しいので、まず肢別をこなしてから解いてよかったと思っています。
過去問を解き始めた段階では、最初の方にやった科目は遠い記憶になってしまっていたので、特定の分野を解いては基礎マスターを読み、また解き直すという作業をひたすら行いました。ただ一度理解した内容だったのでそれほど苦痛ではなく、むしろ知識が網羅されていく感覚があって楽しかったです。
◇論文式試験対策について
上述したように、初見の問題については復習を重視していました。本当は予習段階でしっかり頭を働かすのが理想だとは思いますが、この勉強法でもちゃんと合格できたので、もし予習が進まず焦っている人がいれば、ひとまず受講してみることをおすすめします。
ただ、答練は必ず時間を計って、何も見ずに解いていました。私の勉強法だと、どうしても答案を書く枚数が少なくなってしまうので、意識的に答案を書く作業を設ける必要があると思います。
論文試験直前まで論文マスター、答練、予備試験ゼミの問題をひたすら解き直し、疑問に思ったことや弱点となっていることについては判例を確認したり、基礎マスターに戻ったりしたことが合格に大きく寄与してくれたと思います。
◇口述試験対策について
まさか論文試験に合格できているとは思っていなかったので、合格発表前に口述試験向けの勉強は何もできていませんでした。ただ、不合格だったとして来年の予備試験では絶対合格を果たすために、刑法と刑事訴訟法の基礎マスターの復習をしたり、判例百選を読んだり、要件事実の問題を解いたりはしていました。合格が怪しい段階で、論文ではメインで問われない保全執行や弁護士倫理を根詰めて学習するのはしんどいですが、刑事科目や要件事実は結局やることになるので、合格発表前の学習としておすすめです。
発表後は弁護士倫理や保全執行も加えて勉強しました。
「学生生活との両立について」
私は文学部であるため、学部の授業は全く試験に関係なく、法学と学部の勉強の両立にはそれなりに苦労しました。色々と試行錯誤しましたが、夜遅くまで起きるのが苦手だったので、朝5時に起床し勉強することを習慣としました。伊藤塾の体系的で過不足のないカリキュラムだからこそ、両立できたのだと思っています。
サークルやアルバイトについては、やってはいましたが、平均よりはかなり軽い部類に入ると思います。特にアルバイトに関しては長期休みのときに、週に2、3回シフトを入れる程度にしていました。
おわりに
講義やゼミでお世話になった講師の方々は、法律家としてのみならず人として尊敬できる人達ばかりでした。口述試験のときに顔も知らないはずの私に、伊藤塾長が「頑張って」と言ってくれたときには、「伊藤真」という人に出会えて本当によかった、と感慨深くなりました。
正直なところ、予備試験を目指したために大学生活は光陰矢のごとくにして過ぎ、少なからず犠牲にしたものもありますが、それを踏まえてもやはり法曹を目指してよかったと感じています。伊藤塾はそう思わせてくれる塾でした。
司法試験まであと少し、伊藤塾長の「受験生へのメッセージ」を励みに頑張ります。