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伊藤塾で1年の時から勉強しておくことが、大学の成績やキャリア形成を意識した際にも有益

K.Pさん
大学在学中合格
【予備試験合格時】東京大学法学部4年

受講講座:司法試験入門講座 本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練、予備試験口述模試など

法律の学習を始めた理由私の「推し講座」私の「推しフォロー制度」合格のカギ(秘訣)
人の役に立つ仕事内容 論文マスター(入門講座)カウンセリング制度(合格者・講師など)使える知識

 

はじめに

大学1年生の時に、伊藤塾長が生協の説明会にいらっしゃり、法曹としてなら、人の役に立ちたいという青臭い夢を追い続けられると思えたのが原点でした。また、専門職として、大学での学習を活かして働ける点、法曹を目指すのならば、時間のある伊藤塾で1年の時から勉強しておくことが、大学の成績やキャリア形成を意識した際にも有益であると判断しました。
さらに、大学で何か挑戦してみたいと思っていたところ、1年の時から本気で人生に向かい合ってみたいと思っていたのも決め手になりました。

私の勉強法

基礎学習について

講義はわかりやすく、復習が不十分でもなんとなくは理解できたため、諦めずにできるだけ対面に出られるようにしていました。講義は溜まりがちでしたが、自習室を活用して少しずつ消化していきました。わからないところをマイページを通じて質問することもありました。復習がほぼ出来ておらず、内容は的を射た答案にはなっていませんでしたが、基礎論文書き方ゼミによって、答案の書き方の大枠を知り、基礎マスター答練で書く練習をすることもできました。
また、指定された箇所の論文ナビゲートテキストも読んで典型的な論証(問題提起→関係条文の指摘と理由付けからの規範定立の流れ)を把握していくようにとの指示は、講義の受講だけで精一杯で行うことができませんでしたが、今から考えると軽い一読だけでもやっておけたら早く論文の中身を充実させることができて良かったなと思います。
応用的な難問ではその場で自分なりの規範を立てれば良いのですが、主要判例や典型論点を題材とした問題では、判例や主要学説に沿った規範が書けないと試験時間中に、あてはめをいくら頑張っても間違った方向に向かってしまい、点数が伸び悩んでしまいます。
頑張っても点数が伸びずやる気が失われてしまわないためにも、典型的な論証(問題提起→関係条文の指摘と理由付けからの規範定立の流れ)は『大雑把な雰囲気』と『明らかに大事そうなキーワード(あれば)』だけでいいので早めに覚えておきましょう。細かな言い回しは試験前などに何度も見直しているうちに自然と身についてきます。

◇論文学習について

論文マスターにおいては、考えてみるだけ(もしくは、答案構成)に留める問題や、答案作成まですべき問題というように、講師に予習すべき問題を細かく指定していただけたので、指示に従って、予習を行ってから講義を受講しました。コロナが蔓延して大学の講義が全てオンラインになって実家で暮らすようになり、時間に余裕ができたたこともあり、予習は入念にできました。
オプション講座の論文対策ゼミも開講され、そちらは進行に付いていくだけでも大変で苦労しましたが、豊富な資料の配布に加えて時間終了後には個別のアドバイスもいただけ、学習の大きな指針となりました。復習があまり出来ていなかった点は悔やまれます。解答例へのマーク指示は的確で、『問題提起→理由付けからの規範定立→あてはめ→結論』という、いわゆる“三段論法”の流れを叩き込むことができました。また、担当していただいた講師の方々は、採点実感や出題の動向をよく読み込み、テキスト原文の修正や追加知識の解説も適宜行ってくださいました。そこで、自分で情報収集や百選の読み込みなどを行わなくとも、講師の方々を信頼して、論文過去問を検討してから講義を受講するという学習サイクルに専念することができました。
最初のうちは論文の過去問の問題を読んでも何を書いていいのかサッパリで、基礎テキストの書き写しに終始していたのですが、それでも一応答案用紙に書いてスケジュール通りに講義を受けているうちに、だんだんと『問題提起→関係条文の指摘と理由付けからの規範定立→あてはめ→結論』という一般的な答案の型と、憲法や行政法のいくつかの癖のある特殊な型が理解できてきました。

◇短答式試験対策について

伊藤塾の学習支援システムは、過去問が全て網羅されているため、pdf化して保存し、マークをつけたりしながらひたすら解きました。わからなかったところは、家族にも手伝ってもらいながら解説や基礎マスターでしっかり確認しました。2年目の短答式試験は、せっかく論文試験の対策を1年やってきたのに、「去年と同じく短答で落ちてしまうのではないか」、という筆舌に尽くしがたい緊張で胸が張り裂けそうでしたが、自己採点で合格が確実とわかった時の喜びはひとしおで、受験生活で一番達成感の大きかった瞬間でした。

◇論文式試験対策について

初受験の際は、短答後まで時間を測った本格的な演習が行えておらず、論文試験日が迫っていたこともあり、論文直前答練と全国公開論文模試のみを受講して試験に臨みましたが知識に穴があり、また、時間を測って解く練習も不足しており、善戦はしましたが圧倒的な時間不足で落ちてしまいました。
その後、2回目の受験に向けて、必ず時間を測り、完璧でなくとも本番を意識して時間内で答案を書き上げることを優先して演習を繰り返しました。
教材としては、割引価格で受けられたコンプリート論文答練や、やり残していた論文過去問答練といった添削サービス付きの問題を使用して、毎日ひたすら書きました。また、添削されて帰ってきた答案も、点数が悪くても冷静にしっかり見直し、直すべきところがあれば直していくというスタンスで、全て見直すようにしました。自分で見ているだけでは甘くなってしまうことも考え、家族にも帰ってきた答案のチェックをしてもらいました。
また、規範や判例知識の穴を埋めるべく、論文ナビゲートテキストに記載されている論証を教科を決めて1日15〜20個くらいずつ覚えていきました。初めのうちは何日かしたら忘れていましたが、何周かしていたらだんだん頭に入ってきました。

◇口述試験対策について

論文試験が終わったので、合否は不明でしたが、一応「今からやるべき口述対策」という30分の無料公開講座を聴いてみました。すると、民法の要件事実や刑法の構成要件が大事だということがわかったので、要件事実の記載されている民事実務基礎の基礎テキストや刑法の構成要件が記載されている刑法の基礎テキストを見直し、エクセルで表を作成しました。要件事実や構成要件の学習は仮に論文試験に落ちていても法科大学院入試や司法試験にも必ず役立つと思ったので、ためらわずに取り組みました。
手続き面については、短答の学習が役立つと教わりましたが、法科大学院入試の対策もしなければならず、司法試験の短答も含めた全年度分をやっている時間的余裕はなかったので、予備試験の7年分くらいに留めておきました。
そして、口述試験は、法務省ホームページを見ても出題のテーマしか公開されていないので、伊藤塾の講座や模試を受講して過去問を入手することは必須だと思います。(伊藤塾の口述模試を受講するとオマケで予備試験開始以来の全年度分の過去問がもらえます。そして、口述模試は口述再現と合格体験記を提出すれば無料で受けられます。)
僕は、論文合格が判明してからの直前期は、入手した過去問を読み込んで頻出論点や手続きをチェックするとともに、夏に自分でまとめた要件事実・構成要件の表を中心に見直していました。

「学生生活との両立について」

サークルもアルバイトもしていなかった僕が言える話でもないのですが、大学生活との両立は可能だと思います。しかし、在学中予備試験合格と大学生活との両立には、時間管理が適切に行える環境・能力と双方に折り合いをつける覚悟が必要だと思います。僕は無作為に人生を模索することにも意義があると思いますが、予備試験を受験せず、法科大学院進学後の司法試験受験を想定している友達と同程度に漠然と過ごしていたら、個人の能力が相当に優れていない限り、予備試験に受かることはできないと思います。比率としては、8割は勉強していて残りの2割の範囲内で全力で大学生活を過ごすという感覚で良いと思います。
受験と大学生活の両立のためには、自分が大学生活としてやらなければならないこと・やりたいことを絞って明確にし、限られた時間の中で決めたことをやり、自分にできる範囲で折り合いをつける要領の良さが求められると思います。受験勉強においても、わからない分野や高度な分野を延々と考え続けることなく、周りの方々の助けも借りれるものは全て借り、コスパを考えてできる範囲のことを淡々とやり続けることになると思います。
そして、これは僕もやっていましたが、電車内などの隙間時間も、暇なら基本的に勉強時間に充てることになると思います。

「法科大学院入試との併願について」 

7月に予備試験の論文試験が終わった後、受験予定だった東京大学法科大学院の過去問題集と伊藤塾の解説講座を購入し、解いてみました。問題は意外に難しく、(予備試験より合格ラインが低いだけで、出題される問題の難しさは予備試験論文本試験とたいして変わらないと感じました。)最初のうちは苦戦しました。
解説講座はわかりやすく、重要判例の学習と論文マスターで受講した予備・旧司法試験の過去問の学習が有益だとお聞きしたので、論文ナビゲートテキストや論文マスターテキストの見直しをしました。

「法科大学院入試を「法曹コース」で合格されたエピソード」

東京大学の法曹コースは、法学部2類(法律プロフェッションコース)の卒業要件を満たすべく予備試験出題科目を履修して単位をとっていけば自然に修了できるようになっており、特段の課題やカリキュラムはありませんでした。 僕は1年次から伊藤塾で学習を開始して基礎講座を受講したため、法学部での本格的な講義が始まる2年次後半(厳密には2年次前半から憲法・民法・刑法は始まります)には、穴は多くありましたが、法の大枠はなんとなく把握できていました。そこで、法曹コースの講義は良い復習の材料として用いることができ有益でした。
講義の中では、予備試験の勉強で学んだ論点の掘り下げが行われることも多く、予備試験の学習をしておくと講義の難解な部分もかなり理解しやすくなると思います。実際、内職や居眠りなどをせずに普通に講義を聞いていたら、予習や復習をしなくてもほとんどの部分は理解できました。試験勉強も、二週間ほど前から試験対策の共有ノートや配布プリント・教科書を読み込んでおけば大抵の教科で安定して優(80点以上)が取れるようになりました
逆に、予備試験の学習でよく分からなくて気持ち悪いけどとりあえず置いておこうと思っていた箇所を教授が分かりやすく解説してくれたり、そこは気持ち悪い部分が残って然るべきだという旨のお話をしてくれたりして、すっきりすることも多かったです。また、予備試験の基礎学習段階では規範等の暗記に注力していてあまり気を配れていなかった条文の体系性や判例の事案を把握する良い機会にもなりました。
法曹コースの必修講義の中には、稀にではありますが、予備・司法試験には出題されない旧法の沿革や教授の学問的興味を中心に取り扱うものもあり、話は退屈ではないのですが、今の自分にそれを学ぶ必要はないのではないかと感じることもありました。しかし、ほとんどの講義では、予備・司法試験にもなんらかの形で役立ちそうなことを取り扱っていただき、法文・判例・学説に対する理解が数段深まったと思います。

「法科大学院入試を「法曹コース「5年一貫型」」で合格されたエピソード」 

東京大学法科大学院の「5年一貫型」は、4年次卒業生でも法曹コース修了生なら受験できる筆記試験免除合格なのですが、筆記試験免除の基準はやはり大学の成績だと思います。僕は、法曹コースの終了要件となっている科目のGPAが3.5くらいで合格できました。期末試験では、基本的にどの科目でも優上(90点以上)か優(80点以上)を狙い、ダメでも良(70点以上)に止めるくらいの気概で受講していくと合格できると思います。大学の講義に真面目に取り組んでいる人は意外に少ないので、予備試験の勉強をされている方なら、日頃から授業を聞き、試験前にプリントを読み込んでおくだけでも、意外に良い成績が取れます。
僕は、2年次には政治や民法といった科目で可(60〜70点)を取ってしまいましたが、3年次から真面目にやればいくらでも挽回できるので頑張ってください。
法曹コース「5年一貫型」のメリットとしては、大学の講義を真面目に受けて試験を受けているだけで入試を受けずとも将来が約束されるという安心感とコスパの良さが大きいと思います。予備試験のような一発評価ではなくコツコツと積み上げていけることが利点です。
また、しっかり聞いてみると大学の講義は意外に面白く、予備試験に向けて学習していた論点の理解が深まることも多々ありました。逆に、予備試験の学習をしていたことで教授の話がわかりやすいと感じることも多々あり、相乗効果が生じていると実感できました。
デメリットとしては、単位を落とすと法曹コースを修了できなくなるため、コロナ等で試験を受験できなくなるリスクを考慮して3年のうちに該当科目の単位を取り切ってしまおうと考えると、3年次が大学の講義でとても忙しくなることがあります。また、単位に加えて成績も落とせないので、講義の内容を把握しておく必要がありますので、予備試験勉強との両立を考えると、学習以外のことに使える時間はかなり少なくなります。
私は、せっかく授業料を払っていて偉い先生の講義を聞ける環境にいるのだから聞いておこうと自分に言い聞かせ、基本的に全ての講義を受講しました。課題や予習・復習は、必須のものやコスパのいいものがあればやるというスタンスでした。

おわりに

伊藤塾を利用して一番良かったのは、大学に入って何をして良いかわからなかった僕に夢を与えてくれたことです。今、難関試験に挑戦して困っている人の役に立ちたいという入学当初の夢物語の道半ばにいます。1年次から学習を始め、基礎段階での復習の不完全さや要領の悪さからこの道で良いのかと何度も挫けそうになりましたが、家族の支えもあり、なんとかここまでやってこれました。感謝してもしきれません。
この夢物語がどこに向かうのかは未だに見通せず不安もありますが、今は、ここまで来れたからには道なりにもう少し頑張ってみようと思えています。司法試験に受かれますように。 



※プロフィールは2022年度合格時点のものです。