基礎マスターテキストに情報一元化し口述試験までフル活用
![]() |
K.Wさん
大学1年生からスタート法曹コースで合格
|
---|
受講講座:司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、予備試験論文直前答練+全国公開論文模試 など
私の「推し講座」 | 私の「推しフォロー制度」 | 合格のカギ(秘訣) |
---|---|---|
論文マスター(入門講座) | 無料公開講座 | 正しい方向性の努力 |
はじめに
大学入学時、弁護士といえば、法律をひたすら覚えるという認識しかなかったのですが、周りの話を聞いたり、企業のインターン募集を見ていると、弁護士はとてもビジネスに関わっていることを知りました。また、一般職就職は良くも悪くも自分をよく見せた者勝ちなイメージがあり、それよりも資格をもって安定した弁護士の方が自分の性に合うと考え司法試験を目指しました。伊藤塾に入塾したのは大学1年生の9月でした。周りのほとんどが伊藤塾だったので伊藤塾にしました。
私の勉強法
◇基礎学習について
基礎マスターは倍速で聞いていました。最初は終わったら入念に復習していたのですが、それだと時間がかかってしまい、途中で勉強しなくなるというのを何度も繰り返したため、最終的にはあまり復習はせずにまた聞けばいい、またいつか復習すればいいと思い、とりあえず最後まで聞いていました。基礎マスターテキストは、情報の一元化教材として使いました。論証や、パワーポイント、短答で出てきたポイントなども全て基礎マスターにまとめていました。これらを全部まとめていたおかげで、口述の1日目が終わった後3時間で民訴の基礎マスターを全部読んで復習できたことなど、今でもとても助かっています。私は短答の過去問やアウトプットを始めるのがとても遅かったのですが、早めにアウトプット(特に予備試験の過去問)に取り掛かっておけばよかったと後悔してます。もし早めのアウトプットをしていれば、どんな知識が最終的に役立つのかを知ることができ、また目標が明確になること、そして目標までまだまだであることを自覚することで中弛みせずに勉強できていたと思います。具体的には、短答の過去問は基礎マスターのその回を聞き終わったら、予備試験の過去問も、そこに出てくる単元が終わったらやっていいと思います。基礎部分、特に短答の勉強が論文にとても活きました。
◇論文学習について
論文マスターは答案構成を10分くらいして、あとは聞き流していました。予備の過去問だけは答案を書いていました。やはり自分には時間のかかる勉強は飽きてしまったり、進んでいないなと感じて勉強自体が嫌になって長期間休んでしまったりする性分でしたのでこれが一番あっていました。短答が終わった後に、論文マスター全科目をもう一度聞き流そうと思っていましたが、叶いませんでした。もう一度受けるとしたら絶対にやります。
◇短答式試験対策について
学習支援システムがとても活きました。紙の教材と違い、自分の間違った問題やもう一度やりたい問題のみコピペして基礎マスターテキストに貼ったりすることができるからです。短答と論文は深くつながってます。短答と論文を切り離して考える人も多いと感じますが、確かにBーランクの論点は短答に出ることはあっても論文に出ることはない、または、出ても差がつかないため結局気にすることはないですが、Bランクの論点は論文にも出ます(実際令和5年の民訴にて出て、Bランク論点がわからないと何も書けない問題でした。労働法でも同じでした。)し、B+ランク以上のみをかいつまんで勉強していても全体像がつかみづらく結局遠回りです。また、短答の勉強方法については自分の中に確立したものがとても自信があるのでここで紹介しておきます。①基礎マスターの該当単元(学習支援システムの単元分けにそってました)を1ページ30秒を目安に読む→当該単元の過去問を解き、復習、基礎マスターに貼り付けをする(全て合わせて1問2分を目安)→③もう一度当該単元の基礎マスターを今度は1ページ1分くらいでじっくり読む。①では記憶喚起、つまり当該単元にどんな話があったかをざっと思い出すため、③では過去問を解いたうえで過去問ではある単元の一部分(つまり「点」)が聞かれるので、それを「線」にしていくイメージでやっていました。また、全ての工程で目安の時間を決めていましたが、勉強全般に言えますが、時間を測ってまた、焦って急いで覚えた方がよく覚えてるし効率的です。本田講師も言っていましたが、短答の過去問の解説を全部読むのは合格から一番遠い人のやることです。このような勉強によって、短答直前の短答対策は2週間ほどしか取りませんでしたが、200点を超え、法律科目で8割を取ることができました。
◇論文式試験対策について
論文マスターが活きました。下に書く科目ごとの特性をつかむことができ、また、論証の使い方を知ることができたからです。
論文ではその科目ごとの特性をつかむことがとても大事です。実務基礎や選択科目を含めて10科目もあるので、それぞれがどのような科目であるのかを理解しておくだけで大きく外すことがなくなると思います。
憲法→個別具体的な当てはめが最重要。一般人の感覚をそのまま書く。目的手段審査なのかそれ以外なのかがまず検討すべき。
民法→設問のひとつは典型論点が出るが、少し捻ってるからそれがなんなのかに気づくことが大事。一方で、未知の論点も出るが、その時には問題点を発見し、それを法的に(条文の趣旨などから)解決する能力が問われている。
刑法→事務処理が問われている。論点が10個以上出ることが通常なので、メリハリをつけて書く。
刑訴→典型論点が出るから、当てはめ勝負。問題文の事情は全部使う。
民訴→当てはめよりも法律構成。短答などを通じてしっかり基礎知識をつけておくことが大事。既判力などの典型の定義を書けば点がくる時代は終わったと思っている。
商法→利益相反、423,429など典型論点が頻繁に出る。論点を覚えれば対応できる比較的楽な科目。
行政法→参考に載ってる条文は全部使う気持ちでいる。処分性、原告適格などの典型論点は論証のみならずその先まで全部覚える。判例を想起できると強い。
労働法→考慮要素までしっかり覚えて当てはめ勝負。
刑実→全部の証拠、全部の事実を使う。そのうえでしっかり評価する。答案を書いて、自分の答案に何が足りなかったのか(何を書き過ぎていたのか)を検討することがとても大事。
民実→要件事実をどうしてそれが必要で、または不要なのかまで覚える。準備書面問題は全部の事実を拾ってとにかく書く(1枚程度と書いてあるが1枚半書かない人は落ちると思っている。)
上に書いたのは、私が感じていた10科目の印象ですので、皆さんが自分で感じて自分のものにして欲しいです。
◇口述試験対策について
口述模試を論文合格後すぐの段階に受けたことによって、論文合格してふわふわしていた気持ちから口述モードに切り替えることができました。また口述再現集は全部読んで、友達と問題を出し合うのに使い、どんな雰囲気でどんな問題が出るのかを知ることができました。先輩方の勉強の仕方なども書いてありとても参考になりました。また、民法・民訴などは一元化していた基礎マスターを読みました。
おわりに
予備試験は難しい試験だと思われがちですが、いざ必死に勉強してみると勉強を始めた頃に感じていた絶望感ほどではありません。また、法律は勉強すればするほど楽しく、論文の直前は(ハイになりすぎていたこともあり)、勉強は、論証や法律知識という武器を手に入れて、実際の問題においてそれをうまく使いながら事実を拾って評価するというRPGだと思っていました。まず、一歩踏み出して必死に勉強してみてください。