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明日の法律家講座 東京校第207回

2013年4月6日(土)実施
 

精一杯は万策に勝る

【講師】 
稲川 素子 氏(芸能プロモーター、稲川素子事務所社長、NPO 日本・ロシア協会常任理事、公益財団法人ケア・インターナショナルジャパン評議員)


講師プロフィール

稲川 素子 氏(芸能プロモーター、稲川素子事務所社長、NPO 日本・ロシア協会常任理事、公益財団法人ケア・インターナショナルジャパン評議員)

稲川 素子 氏
1985年4月 有限会社 稲川素子事務所設立
1989年   株式会社に資格変更
2004年3月 慶応義塾大学文学部卒業
2006年4月 東京大学大学院総合文化研究科修士課程入学
2008年4月 東京大学大学院総合文化研究科博士課程進学
      国際社会科学専攻 国際関係論分野
2011年1月 国際知識普及協会理事長就任
2011年8月 河口湖オルゴールの森美術館館長就任
 
 
【賞 歴】
1991年3月 スコットランドバーンズクラブより民間大使としての賞を受ける。
1997年4月 社会文化功労賞受賞(日本文化振興会)
1998年4月 湯川記念平和賞(湯川秀樹財団)
1999年4月 国連世界平和賞(アメリカ合衆国NGO五団体より
 
ご著書
2009年11月 「一途、ひたすら、精一杯」(講談社)
2012年12月 「ハローキティとモコちゃんの世界45ヶ国のありがとう」(講談社)等
   

講師からのメッセージ 

花の咲きそろう春は一年中で一番美しい、春爛漫などと言われる季節です。しかし、春になることによって、たちどころに枯れ木に花が咲くのではなく、一枚の葉もつけずはだかで寒風にさらされて、まるで死んでいるように見える間にも生の営みに絶え間なく働いて、つぼみを出す準備をしているからこそ春先に競って花を咲かせることができるのです。即ち、「功の成るは、成る日に成るに非ず」ということです。
そのような意味において、皆様はまさに司法の世界に大輪の花を咲かせる準備の真っ只中にいらっしゃると思います。何事も、予め熟慮し自分の中にやらねばならないという必然と、やり抜こうという当意を得たときは、艱難辛苦を排して一歩一歩前に進む、そしてその進んでいる道をゆめ疑わず、決して疲れず、断じて休まない、これが続けていけるか、またそれを喜びと思えるかどうかにかかっています。私は仕事柄、外国人と共に働き、そこにまみえればまみえるほど日本人の忍耐強さ、勤勉さ、謙虚さを改めて感じることがあります。日本の伝統的な文化の一つ「恥」の文化とされるものは、私たちの年代では「名を惜しむ」という武士道の重要な柱となる概念が不可欠な徳目だったと思います。しかし、現代の日本では「名誉」を核とするモラルの次元からくる「恥」という概念等は低下の一途をたどっているように思います。どの様な世であろうとも、将来の日本を委ねられた皆様には誠実なることを普段の友とし、日本人の美学にも誇りを持って、勧善懲悪に徹したお裁きを下す要人になって頂きたいと期待して止みません。