明日の法律家講座 バックナンバー
明日の法律家講座 東京校第276回
2018年10月6日(土)実施
明治維新にメスを入れる~元外科医が法曹関係者に考えて欲しいこと
【講師】 本田 宏 氏(元外科医、NPO法人医療制度研究会副理事長、立教大学兼任講師、日本医学会連合労働環境検討委員会委員)
講師プロフィール
本田 宏 氏(元外科医、NPO法人医療制度研究会副理事長、立教大学兼任講師、日本医学会連合労働環境検討委員会委員)
1979年 弘前大学医学部を卒業し、同第1外科に入局。その後東京女子医科大学臓病総合医療センター外科に移動、腎移植、肝移植の研究に携わる。
1989年 埼玉県済生会栗橋病院に外科部長として赴任
2001年 同病院副院長に就任
2011年7月より院長補佐
2014年 還暦を迎えたのを機に、2015年(平成27年)3月で外科医を引退して 栗橋病院を退職、講演や論分執筆、SNS投稿等による情報発信と市民活動への参加を通して、医療&日本再生の活動を開始
2014年5月7日と2018年7月13日に衆議院厚生労働委員会で参考人として意見陳述を行う
『本当の医療崩壊はこれからやってくる』(洋泉社、2015年)、『がんになる性格、ならない性格』(廣済堂、共著、2016年)、『Dr.本田の社会保障切り捨て日本への処方せん』(自治体研究社、2018年)等著書多数。
講師からのメッセージ
東京医大の不正入試が「女性差別」等の観点から大きな社会問題となっていますが、日本は1983年に厚生省官僚が提唱した「医療費亡国論」を契機に、医療費抑制のために医学部定員を削減し、医師数だけでなく医療費も先進国最低レベルとなっています。しかし日本の人口当り医師数が先進国最少で、日本で一番医師数が多い徳島県もOECD加盟国平均より少ないという事実が報道されることはありません。
今年は明治維新150年ですが、未曾有の少子超高齢化社会を目前に、日本は医療だけでなく介護や年金・生活保護などの社会保障分野、さらに保育や教育予算なども先進国最低に抑制しています。何故政府は国民生活に直結する社会保障や教育を疎かにしたまま、9条改憲や大企業利益を最優先するのでしょうか、できるのでしょうか。
すでに明治時代から日本資本主義の父とされる渋沢栄一は「論語と算盤」で、「官尊民卑の官僚政治」と「社会貢献意識が乏しい経済人」の問題を嘆いていました。
明治維新150年は、賊軍の立場から見れば戊辰150年です。勝者が書いた明治維新を見直して、国民第一の立憲政治への転換が可能か考えてみたいと思います。