明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第316回

2022年6月18日(土)実施

自分にしかできないことを~迷うことは自由の証

 

 講師プロフィール

越 直美  氏 (弁護士、三浦法律事務所所属、OnBoard株式会社CEO、元大津市長)

越直美氏
西村あさひ法律事務所、NYのDebevoise & Plimpton、コロンビア大学客員研究員を経て、2012年から2020年まで大津市長。当時最年少の女性市長として、待機児童ゼロや人口増加を達成。ガス事業コンセッション等の公民連携、自動運転、いじめAI予測等のスマートシティを進める。
現在は、三浦法律事務所パートナー弁護士として、日本やシリコンバレーのスタートアップ支援、公民連携、スマートシティに注力。また、OnBoard株式会社CEOとして、女性役員の育成・紹介。ブイキューブ、ソフトバンクの社外取締役。日本・ニューヨーク州・カリフォルニア州弁護士。北大院・ハーバード大学ロースクール修了。

 
著書に「公民連携まちづくりの実践―公共資産の活用とスマートシティ」(学芸出版社)、「教室のいじめとたたかう」(ワニブックス)等。

講師からのメッセージ 

 私は、ニューヨークの法律事務所で働いていたときのある出来事をきっかけに、女性が仕事か子どもかの二者択一を迫られるのではなく、「自由に選択できる社会」をつくりたいと思い、大津市長に立候補しました。市長としての2期8年間で、保育園等54園約3000人分を整備しました。その結果、待機児童がゼロになり、5歳以下の子どもがいてフルタイムで働く女性が70%増加し、市の人口も増加しました。
 しかし、それはゴールではなく、始まりでした。日本の上場会社の女性役員は7.5%。今は、OnBoard株式会社CEOとして、「Diversityは成長戦略」を掲げ、女性役員の育成と紹介を行っています。また、三浦法律事務所の弁護士として、スマートシティや公民連携に注力しています。
 私が伊藤塾に通っていたころには全く想像していなかった未来でしたが、人生の選択に迷ったときに友人がかけてくれた「自分にしかできないことを」「迷うことは自由の証」という言葉を、今も大事にしています。そして、迷った結果、本当にやりたいことが見つかれば、その後のどんな困難も乗り越えていけると信じています。
 私は司法試験になかなか合格できずに、伊藤塾には大変お世話になりました。弁護士になってからも、司法試験の悪夢を見ることが多かったのですが、その後ニューヨーク州とカリフォルニア州の司法試験を受け、45歳にしてやっと、試験のコツのようなものが分かりました。試験後の少し先の明確な未来を想像することは、とても大事です。そのこともあわせて、お伝えできればと思います。