【特別対談】司法書士合格者による
在学中に合格する秘訣とメリット

司法書士試験の合格者は働きながら勉強している方が多いのですが、大学在学中に学習を始めて大学在学中に合格される方もいらっしゃいます。
今回は法律学習未経験の経済学部に在籍し4年生で合格された中山さん、法学部に在籍し、3年生で合格された田代さんに、在学中に学習するメリット、在学中に合格することのメリットを、対談形式でお話いただきました。
高校生の方や大学在学中の方はもちろん、働きながら勉強している方にも、役立つ学習法が満載です。ぜひご参考になさってください。

━━━なぜ司法書士試験を受験したのですか
 
 
(中山さん)
2年生のころ、父の勧めで宅建士を受験した時に登記という概念を知り、登記を専門職として働ける司法書士が魅力的に思えて受験を決めました。経済学部でしたから周りには宅建士も司法書士も勉強している人はほとんどおらず、情報には苦労しました。

(田代さん)

父が司法書士なので、司法試験という選択肢もありましたが、まずは司法書士を受験しました。司法書士は就職にも有利、実家で働くことも可能なので1年間で合格すると決め、自分が何をやりたいかはあとで考えようと思いました。しかし勉強を始めると父の仕事が具体的に分かり、登記業務の安定性や財産管理業務、成年後見業務も将来性があると思い、司法書士に魅力を感じていきました。

 
 
 

中山夏輝さん

中山夏輝さん
成蹊大学経済学部4年在学中。
約1年半の学習で2017年司法書士試験合格。

━━━それではなぜ伊藤塾を選択されたのですか
 
 
(田代さん)
大学では伊藤塾で司法試験の勉強をしている友達が多く、伊藤塾は法律の学校、他校は単なる資格の学校というイメージで、法律だったら伊藤塾と悩まずに決めました。入門講座はライブクラスでしたが、後半は速度を速くして受講できるインターネット受講を活用し効率的に学習しました。

(中山さん)
指導校選びに重視したポイントは、カリキュラムやテキストの内容、勉強のしやすさ、効率の良さ、講師の方の熱意などでしたが、他の資格校と比べてもどれも伊藤塾が一番よかったです。始めたのが12月なので試験まで半年間、合格できたら奇跡かな、という感じでしたが、出来るところまではやろうと講義を必死に受講しました。1回目受験の反省から、次の年はライブで中級講座、演習を受講しました。ビデオだと気がゆるむので、集中できるライブ講義が知識のインプットに効率的でした。

(田代さん)
私は3月から勉強を始め、ひたすらインプットを勉強しました。問題を解いて、わからないところをノートに書き写し、そのノートで勉強するスタイルでした。これは大学受験のころから続けている私のスタイルです。

 
 
 

田代皓士さん

田代皓士さん
早稲田大学法学部3年在学中。
約1年の学習で2017年司法書士試験合格。


 ━━━司法書士になりたいという気持ちは強かったですか

 
(中山さん)
なりたかったというより“絶対になる”と決めていました。絶対に合格すると決めていたのであきらめることは全く考えませんでした。途中で投げ出したくないし、サークル活動も辞め、全てを犠牲にして何も結果が残らないのは嫌だと思いました。

(田代さん)
勉強しているときは、司法書士になりたいというより“目標を達成したい、試験に合格したい”という気持ちでした。司法書士という仕事は人生において有益だと分かっていましたが、合格後のことまでは具体的に考えられていませんでした。


 ━━━入門講座を受講して1番良かったことは何ですか

(中山さん)
法律各科目の基本が身についたことです。法学部ではないので、大学では法律の基礎を勉強していませんでした。しかし山村講師の講義で、司法書士として必要な法律知識を全て学ぶことが出来ました。6ヶ月間の受講で受験しましたが、入門講座だけで去年の司法書士試験の午前の科目が35問中22問正解、午後が35問中25問正解と、かなり手手応えがありました。半年間なのにここまで出来たので、このペースで勉強すれば必ず合格できると確信しました。

(田代さん)
入門講座では基礎からわかりやすく教えてくれます。正直、司法書士試験は独学では厳しいと思います。また、山村講師が同郷の静岡出身で親近感がありました。親近感があることはモチベーションにつながりました。


 ━━━伊藤塾の勉強は独学の勉強と何が違うと思いますか

(中山さん)
宅建士と比べ司法書士試験は勉強量が多いので、独学は絶対無理だと思いました。
独学はどこが重要なのかわからず、必要な知識とそこまで重要ではない知識の見分けもつきません。やはり受講料を払って勉強するだけの価値はあると思います。

(田代さん)
受講料はもちろん払うだけの価値はあると思います。独学では学習書がとても多く、その本が合格のために本当に信用できるか判断できません。それに比べ講座は講師が合格するためのテキストで講義してくれるので、やみくもに書籍を読むより信頼できます。信頼できる講師ならば、講師に言われたところを勉強すればいいので、講座を受講した方が安心して勉強できると思います。


 ━━━山村講師の講義で印象に残っている事はありますか?

(中山さん)
絶対にあきらめないということです。あきらめないという気持ちは絶対に大事だと思っています。司法書士試験の厳しいところは、勉強量よりむしろメンタル面だと思います。勉強量は気合で何とか乗り切れますが、メンタル面は難しい面があります。勉強量も多く、試験は1年に1回しか実施されません。一生懸命1年間勉強しても、たった1日の試験で今後の人生がすべて決まってしまうと思うと恐ろしく不安になります。山村講師の「最後の最後の1秒まであきらめない」という言葉で、不安な試験直前期もあきらめずに合格できたと思います。

(田代さん)
入門講座の具体的な説明の仕方を、言われたその通りに覚えたことがかなりありました。山村講師の解釈や教え方、覚え方は基本的にそのまま従いました。


 ━━━入門講座のテキストはどのように活用しましたか?

(田代さん)
枠外に細かく書きこみがあったので、これは全部覚えました。講師が言ったことをテキストに書き込み、入門講座のテキストを100%理解できるようにしました。テキストや教材のわからないところをノートに書いて、そのノートを見て、わからないところはまた他のノートに書く、そうすると何回勉強しても覚えられなかった部分がノートに残ります。その結果、多少細かい知識でしたが、他の人と差を付けられる知識が増えていきました。入門テキストを理解できているのが前提ですが、知識の幅を多少広げました。そしてそれを吸収すれば単純にレベルアップができると思いました。この方法で、テキストに書いてあることはほとんど理解できました。大学受験も同じような方法で、私の中ではこれがスタンダードな勉強方です。

(中山さん)
結局全てが集約されているので、入門テキストしか勉強しませんでした。模試や過去問を解いて、それを復習して分からなかったら入門講座のテキストにそのまま書きこみます。テキストを見れば、模試で間違えた問題も集約されているので復習が便利でした。基本的には「Aランクの知識は、絶対覚える」「差をつける意味でB⁺もできれば覚える」とB⁺の知識を上乗せ点と考えました。その覚える事項すべてが掲載されているのが入門テキストでした。復習には過去問を利用しました。答えあわせでは解説を読み、問題の考え方まで検討しました。正解なら○、完全に理解していれば◎、これはもう復習しません。逆に正解でも考え方が違っていたものは△、間違っている問題は×と、これは絶対復習します。このように4段階に分類して勉強しました。印をつけていくことで、勉強するたびに復習しなければいけない問題は減っていきました。


━━━サークルや友人など大学生活はどのようにすごしましたか。

(田代さん)
1年生のころ、サッカーサークルに入っていましたが、受験を期に辞めて、サークルの友達とは疎遠になりました。その反面予備試験を受験している友達や税理士・公認会計士を目指している友達との交流が増えていきました。アルバイトもひかえて勉強以外のことはしないように意識していました。

(中山さん)
周りは遊んでいる人ばかりでしたが、遊びたいという誘惑はありませんでした。勉強を機会に国際交流のサークルをきっぱり辞めましたが、やりたいことが見つかったと熱く語ると友人は理解し、応援してくれました。私は指定校推薦で入学し高校も付属だったので、中学受験しか経験していません。みんなが受験勉強しているときに遊んでいたのでもう遊びは良いだろうと考えました。遊び疲れたとき本気で勉強したいと思ったのが司法書士でした。だから誘惑はもうありません。自分が合格すると決めたことをモチベーションに、そして山村講師の言葉や、講義中の合格者講演を聴き、自分も絶対こうなりたいという気持ちをモチベーションに無我夢中で勉強しました。


 ━━━大学の授業と受験勉強の両立はいかがでしたか。

(中山さん)
経済学部なので法律の科目は一切なかったですが、法学部の授業で不動産登記法は申請して受けました。授業との両立は大変でしたが、働きながら勉強するよりはよほど楽だと思います。働きながらの受験勉強は疲れてしまい、私には仕事と受験を両立できる自身がありません。だから大学生は遊ぶことを我慢してでも、受験勉強をしたほうが絶対によいと思います。正直言ってなんでもあり、時間もありあまっています。本気で何かをするのなら大学時代は最大のチャンスだと思います。就職してしまうと仕事や付き合いで時間を自由に使えないと思いますが、大学生なら縛りはほとんどなく、今しかないと思いました。

(田代さん)
入門講座の講義は民法や会社法など大学の授業の役に立ちました。しかし司法書士試験は、どちらかというと判例・通説を理解し記憶していく勉強、でも大学の授業は答えがない問題に妥当な解決策を考えていく勉強、多少の違いがあります。ただ判例・通説を理解していることは法学部の試験で十分役に立ちました。


 ━━━在学中に合格して1番良かったことは何ですか?

(中山さん)
司法書士業界に私のような若い年代でも挑戦できることを証明できたことです。今、司法書士事務所でアルバイトしていますが、年配の方が多く、若い人はあまりいません。仕事は責任も伴いますが、他の人が出来ないこと、司法書士でなければ出来ないことをやれるので信頼度を身につけられるのがうれしいです。

(田代さん)
家族が喜んでくれたのが嬉しかったです。それと司法書士というひとつの分野で一定のレベルに達することが出来たことは自信にはなりました。若いうちに、他の人より早く合格することは親孝行にもなりましたし、若いうちに合格するという目標はひとつのモチベーションになりました。


 ━━━受験勉強で1番苦しかった思い出はありますか

(田代さん)
苦しかったことや悔しかったことは特に思い出しません。合格できたので結果よければすべてよしと考えています。

(中山さん)
受験は不安との闘いでした。合格できるのだろうか、それが本当に苦しかったです。半年の勉強で受験した手応えでは、“このままやれば受かる”という実感がありましたが、必ず受かる保証はありません。保証はないけれど勉強する、孤独な勉強は辛かったです。


 ━━━勉強していて心がけていたことはありますか

(中山さん)
常に合格のイメージを持つようにしました。たとえば合格発表に自分の受験番号があるとか、実際に司法書士として働いている場面とかです。あとは、あきらめない気持ちで、それが強ければ誰でも合格できます。あきらめない気持ちを持続することが1番難しいのですが在学中に合格するという使命感、受からなくてはいけないという気持ち、そして来年の受験はないと思って取り組みました。試験直前は講師の「覚悟を持って行け」というメッセージで覚悟を決めて最後までやりきりました。

(田代さん)
無心で勉強するタイプなので、雑念が入らないよう、あたりまえのように勉強するように心がけていました。重要なことは、勉強を持続するメンタルと、効率的に勉強することです。勉強したことを忘れないことが1番大事で1番効率良いと思います。そのためにはやはり復習で、自分の記憶サイクルを知り定期的に点検をしました。忘却曲線も意識し短期記憶、長期記憶を自覚するのも大事だと思います。


 ━━━今後はどのような進路を目指しますか

(中山さん)
卒業後は金融関係の民間企業に就職します。そこで組織としての働き方や社会人としての基礎を学びたいと思っています。先のことはそれから考えます。就職させていただく会社は、不動産担保ローンなど司法書士に関連する業務が多いので、実際に受験勉強で得た知識が実務でどのように活かさているのかを知ることが出来ます。これは自分にとってとても勉強になると思います。ゆくゆくは相続関係、民事信託業務にも携わってみたいと思います。司法書士が当然に知っている知識、プラスなにか秀でるもの、たとえば税法なども勉強してみたいです。

(田代さん)
今、司法書士業務に活かせると思い不動産鑑定士の勉強をしています。これも、大学受験や司法書士試験受験と全く同じ勉強法でチャレンジします。司法書士の研修や認定考査なども考えていますが、父のアドバイスを受けてうまく進めていきたいです。そして登記など得意分野に精通したうえで不動産鑑定業務や税法に精通した、不動産関連は私に任せてくださいと言えるような幅広い領域で仕事をしていきたいです。

 
 ━━━これから司法書士を目指す方にメッセージをお願いします。
特に早く勉強するメリット、在学中に始めるメリットなどをお伝えください。


(中山さん)
迷っている人は始めたほうがいいです。大学生は時間がありますし、司法書士試験の受験で学ぶことは、他でも絶対に活かせます。法律科目はもちろん司法試験など他の法律資格や公務員試験にも活かせます。また司法書士試験受験の経験は、日々の勉強や自分との闘いなどメンタル面も磨かれました。合格だけが全てではなく、他にもいろいろなことを鍛えることができる試験です。もし迷っている方は1度挑戦してみて、そこから考えればいいと思います。迷っている時間こそ無駄な時間です。
大学生は時間があるので、実はものすごいアドバンテージです。こんなに良いアドバンテージはありません。社会人になってから仕事と両立するのは相当な気力が必要だと思います。また学生時代に合格できれば他の資格にも挑戦でき、新たな武器を身につけることもできます。若いからこれからが勝負、合格すれば60歳までまだ40年あります。早いに越したことはありません。絶対に大学生のうちにチャレンジした方が良いです。しかも定年がないので一生もの資格です。

(田代さん)

学生時代に司法書士試験を受験することはコストパフォーマンスがとても良いと思います。やり方次第では短期間で、若くして合格できますし、弁護士に負けないくらいの収入を得ることも可能だと思います。業務の可能性も広がっているので大学生が挑戦するに値する資格だと思います。勉強面でも司法書士試験受験は大学受験と同じくらいの勉強量、同じくらいの難易度だと思います。大学受験に成功した方はもう一度同じように頑張ればいいですし、大学受験にちょっと失敗した方はリベンジとしてぜひおすすめしたいです。大学受験と同じ覚悟で臨めば司法書士試験は絶対合格できます。私は大学に合格するより司法書士試験合格の方が嬉しかったです。大学受験ともう一度同じ気持ちでチャレンジすることで大学受験以上のメリットを手に入れることができるのはすばらしいと思います。ぜひ大学生の方におすすめしたいと思います。難しい試験ですが、自分自身を信じて頑張れば合格は不可能ではありません。


<本日の感想>

(中山さん)
勉強方法はそれぞれの人さまざまだと思いました。ある人の勉強法があれば他の人の勉強法もあります。その中で自分がどのような勉強方法が適しているのかを見つけその方法を信じるのが1番大事だということを実感しました。

(田代さん)
他の合格者の方とお話しさせていただいて、本当に努力をされている方はとても輝いていると感じました。
 


初めて法律の学習を始める方