伊藤塾長の憲法の講義を聴いて目指した司法書士
合格できたのは本気で人生を変えたいと思ったから
私はこうして司法書士を目指す決意をしました
10 年程前、渋谷にある書店で伊藤塾長の憲法講義がビデオで流れていました。この国で一番大事な法は憲法で、それが定めている一番大事なことは個人の尊重であると。伊藤塾長の講義に感動する一方、暗い雰囲気の現実とのギャップに違和感を覚え、伊藤塾長が教えている法律の世界を知ってみたいと思ったのが伊藤塾との出会いでした。それからも派遣やアルバイトで職場を転々としてきて、29 歳で改めて将来について考えた時に、もう一度勉強し直そうと法律専門職の司法書士を目指すことにしました。
伊藤塾を活用した私の学習方法
入門段階の学習法について
「入門講座」、「択一実戦力養成答練」、「記述式答案構成力養成答練」をWeb 受講しました。「入門講座」はテキストの項目立てをマークしてから視聴しました。途中で巻き戻しては進み、一語一句聞き漏らさないようテキストにメモしました。理解度確認チェック、テキスト読み込み、ドリル、ひな型の練習、科目によっては条文。過去問は不登法から手が回らなくなり、年明け以降に解いていました。「記述式答案構成力養成答練」では空欄が目立ち、ほとんど白紙ということもありました。無力さを痛感し回を重ねるたびに泣いていても、山村拓也講師の講義を聞いていると沸騰した頭の中が少しずつ冷静に落ち着いていくのを感じました。苦しかったけど投げ出さず、自分のペースで自分に合う解法を試行錯誤していました。模試は伊藤塾のものを2 回だけ(1 回目はスランプ中で欠席)。「入門講座」や答練の復習で精一杯でした。結果は基準点を全て満たしたものの総合であと5 点足りず不合格でした。
中上級段階の学習法について
年内は「蛭町記述コース」と「速解記述式パターン60」をWeb 受講しました。1 日1 時間程は暗記の時間をとり、A・B+ ランクの定義・要件・効果を中心に単語カードを使って声に出して覚えました。テキストにある様々な表も、この時期から覚えて常識にしようとしました。「基礎力の底上げ」をして、直前期の暗記に頼る部分を少なくしたかったからです。記述は「速解記述式パターン60」の問題を繰り返し解くことで正確性とスピードが上がりました。
年明けからはほとんど有料自習室で過ごしました。周りに人がいる環境で解くことに慣れるためです。答練も通学にして「プレ模試」なども積極的に受けました。ひな型・「速解記述式パターン60」の問題は欠かさず、「択一実戦力養成答練」をペースメーカーにして科目ごとにテキスト読み込みや昨年使った理解度チェック・ドリル・答練の問題や過去
問を解きました。間違いノートには「なぜ間違えたのか? どうすれば得点できるか? 解法手順は?」等考えて対策もあわせて書き込み、毎朝30 〜 40 分読んでから1 日の勉強をはじめました。1 問、1 点にとにかくこだわりました。
直前期の学習法や試験当日について
昼間は図書館、夜は家で勉強しました。4 月はやり残したことや復習が中心です。5 〜 6 月、午前中は間違いノートと表の確認、ひな型、択一過去問。午後は記述です。過去問・答練・「出題の手口から本試験を知る講座」の問題を不登法・商登法2 問ずつ(多い時はどちらか+1 問)解きました。本試験会場の机は小さいので、狭いスペースで解く練習もしました。夜はテキストの読み込み。模試は伊藤塾「全国公開模擬試験」の2 回と他校で4 回。すべて合格圏内の判定でしたが決して気を緩めることなく、淡々と毎日やるべきことを続けました。
本試験はやはり独特です。午後択一式、普段は60 分で切り上げていたところはじめて70 分かけ、記述式不登法では問題文の読みとばしをして10 分位パニックに陥っていました。それに気づいた時には普段と比べてマイナス20 分。1 ~ 2 分は思考停止状態でした。「最初からやり直したい」涙が浮かび心底思いました。高城真之介講師の激励の言葉が頭の中をよぎりました。腹をくくり、15 時まで不登法を書けるだけ書いて(手は震えていました)、商登法に移りました。商登法は答案構成をチェックした段階で「よし、いける」との感触をつかめたので、少しは冷静さを取り戻せました。結果は総合222 点。もっととれたかもしれないけど、自分の実力そのままの数字だと納得しています。
伊藤塾の各講師陣についての感想・各講師へのメッセージ
「入門講座」は時間が伸びてもきりのよいところまで続けてくれます。仕事で疲れている時は「もういいよ!早く終わって!」とパソコンの前で悪態をついたりもしましたが、最後のふんばりを続けたことで、普段の勉強にさらに負荷をかける習慣がつき、実力が上がったと思います。パワーポイントの表は使いやすく、時折ある雑談は一人で勉強している私にはよい気分転換でした。
私にとっては「鬼コーチ」でした。答練だったので厳しいことも言われますが、本試験は1 点を争うものであることを常に意識させてくれました。ゴールデンウィークにある「司法書士試験突破!必勝講義」の内容は直前期の心の支えとなりました。メンタル対策は不十分だったので、これも準備をしておくのとしておかないのとでは本試験当日の迎え方が受験生によって異なるだろうと思います。
最後に
受験回数2 回というと「すごい」と言われることが多いですが、私は劣等感の塊で、人生を変えたいと本気で思ったから、この試験勉強は毎日泥臭くやってきました。合格ラインの実力をキープするだけでなくさらに上を目指すことを続け、心休まる日はありませんでした。合格はそれまでひとつひとつ積み重ねてきたことの結果に他なりません。
受験生活は辛いです。私は勉強できる環境があったので続けられましたが、他の受験生ももし続けることができるなら、辛いままで終わらせず合格後の慶びを味わってほしいと思います。