基幹となる教材を見つけたら愚直に繰り返すのみ
それが合格の一番の近道だった
S.Sさん(40代)
専業受験生
◆受験回数 15回以上
◆主な受講講座
《直前対策講座》直前パック、推論対策完成講座、プレ模試
私はこうして司法書士を目指す決意をしました
私は司法書士事務所の補助者として長年勤務しながら司法書士試験の勉強を続けていたのですが、仕事・生活と試験勉強のバランスを崩していたため合格に至りませんでした。
そして、このたびその事務所の退職という人生の転機が到来。
年齢も40 を過ぎているため、まさに決死の思いで、この試験に真正面から挑むことにしました。
伊藤塾を活用した私の学習方法
「プレ模試」と「全国公開模試」の利用
去年まで他の受験指導校の講座・答練・模試等を受け続けていたため、いわゆる「受験指導校慣れ」を回避する目的で、また、過去問に近いという評判もあり、伊藤塾の「全国公開模試」を受けることを決めました。
私は関西の受験生ですが、伊藤塾は模試を本試験会場となる大学で実施してくれました。本試験は、異常な緊張状態での受験を余儀なくされましたが、一度は本試験会場で伊藤塾の「全国公開模擬試験」を受けることができていたことは、幾分かその緊張を緩和することとなっていたと思います。本試験会場で開催されない模試についても他の受験会場を設定してくれたので、疑似的な本試験の緊張状態を作り出し、いい予行演習になったのではないかと思います。
択一クイック総整理講座(北谷馨講師)、推論対策完成講座(宇津木卓磨講師)
直前期にそれまでの勉強の総まとめを自分だけの力で進めるのは何かと不安でしたので、受験指導校の直前講座を受講することを検討しました。そのとき伊藤塾の「直前パック」の存在を知り、内容に比してリーズナブルな価格設定であったこともあり、受講を決めました。
宇津木講師の「推論対策完成講座」は、テキストで対立説どうしのぶつかり合いをわかりやすく記載してあり、記憶の整理の一助となりました。近年は推論型問題が本試験では出題されない傾向にありますが、憲法については「推論対策完成講座」が直接的に効果があったと思います。また民法・会社法については、推論型対策をすることで、知識型問題の理解にプラスになった側面がありました。
「択一クイック総整理講座」は、北谷講師もおっしゃっていましたが、「これだけ覚えれば合格する」という性質のものではありません。まさに「これだけは押さえておかないと」という部分を整理する講座です。ただ、新しい知識は主に年内に修得すべきであり、直前期に入れた新しい知識は、本試験において引き出すことはかなり困難だと思います。そういう意味でもこの講座は直前期にはうってつけの講座でした。また、今回の本試験で私は合格できたのですが、本試験直後から発表までの空白期間に、「択一クイック総整理講座」のレジュメを知識の欠落防止に利用していました。
うかる!記述式(蛭町浩講師)
実は、「直前パック」を申し込んだ一番の理由でした。
前評判どおり、毎回非常に厳しめの記述の問題が出題されました。
私は、模試等においても記述問題が比較的得意としていて答練・模試等の成績優秀者の常連で、本試験においても記述式の順位が50 位以上でしたが、この「うかる!記述式」の問題ではかなり苦戦しました。
ただこの講座は、対記述問題の知識と解法の修得を目的とする講座であることのほかに、本試験の予想講座という側面、そして蛭町講師も言及されているとおり「精神を鍛える」講座でもあると思います。本試験での緊張状態の中で、いかに自分の手駒を有利に引き出してやることができるか。その修練の場として非常に有意義であったと思います。
伊藤塾の各講師陣についての感想・各講師へのメッセージ
唯一ライブ講義を受けることができた蛭町講師には大変お世話になりました。蛭町講師は長年にわたる司法書士講師としてのキャリアをお持ちですので、いろんな受験生をこれまで見てこられています。そして、受験生の不安や苦労も非常に理解していただいています。
「うかる!記述式」の生講義の後、毎回質問にうかがっていましたが、遅い時間まで丁寧にお答えいただき励ましていただきました。ひな型暗記や論点・解法手順の解説ではなかなかカバーすることができなかった、私の記述式問題における疑問点・弱点も、蛭町講師とのやり取りの中で氷解していきました。
最後に
私の場合、仕事をしながらの司法書士受験はうまくいかず、最後は専業受験生として野に下り1 回目で決着を見ました。しかしながら、仕事をしながらでも合格は可能だと思います。
私が兼業受験生として失敗したのは、時間がないが故に効率を求めすぎ、いろんな教材に手を出し過ぎたことにあるのではと思っています。いろんな教材に手を出すことでただでさえ難しい試験をさらに難しくし、そしてうまくいかないが故に受験に対する集中力を欠いたのではないかと今では思います。
基幹となる教材を決めたら、過去問や諸講座でその理解を補って、愚直に繰り返すのが一番の近道なのではないかと思います。
私の場合、他の方と異なり、長い補助者経験を経ての合格ですので、ある意味自分の今までの仕事への姿勢の「中間決算」みたいな感覚で、これからの人生を捉えています。
自らが持つ「法務の理想」を実現すべく謙虚に邁進していきたいと思っています。