本当に合格したいのかを常に問いかけろした
私はこうして司法書士を目指す決意をしました
私は旧司法試験の受験を経験しており、旧司法試験制度が大きく転換するのに伴い法律家になる道を一度は諦めかけました。しかし、法律家になりたいという気持ちはどうしても捨てきることはできず、簡裁代理権が付与され得る司法書士を目指す価値は大いにあるだろうと思い、司法書士試験を目指す決意をしました。
伊藤塾を活用した私の学習方法
私は受験歴が長期におよんでおり、「私の学習方法」として受験生の皆さんにお伝えできる有益な情報は、ほとんど持ち合わせていないと思います。従って、私の経験を反面教師として理解し、今後に役立てていただければ幸いです。
①入門段階の学習法について
まず司法試験から司法書士試験に転向するにあたり、山村拓也講師の「入門講座」(速修生)を受講しました。これが、私の司法書士試験のスタートであり、土台の全てになっています。しかし、私は旧司法試験の勉強をしてきたのだから司法書士試験なんか簡単に受かるだろうという根拠のない思い込みが頭の中のどこかにあって、講座を何となく受講して何となく復習するというような勉強しかしていませんでした。ここが私の受験歴が長期におよんでしまった最大の原因であると思っています。
すなわち、司法試験と司法書士試験は同列に比較することはできず、むしろ司法書士試験の方が難関であるという側面を有しています。従って、司法試験から転向してきた方はこの点に十分注意していただきたいと思います。
②中上級段階の学習法について
上記のような反省点に気づいたのは、お恥ずかしながら受験して3年ほど経ってからでした。この頃になってからようやく、もう一度ゼロから勉強し直すしかないと考えるに至り、択一、記述の各種答練を受講するようにしました。これにより問題も依然にも増して解けるようになってきました。ところが、今度は時間の壁にぶつかることになってしまいました。すなわち、問題は解けるのだが時間内に解き切ることが厳しい。
そこで、ここ2〜3年は「択一実戦力養成答練」、「記述式答案構成力養成答練」の両答練ともとにかく制限時間を厳守しました。特に、「択一実戦力養成答練」に関しては本来の制限時間よりも更に5分短縮して問題を解くようにしていました。
以上のように勉強方法としては抽象的な話になってしまいましたが、特に受験歴が長期になってしまっている受験生の方に、ぜひおすすめしたいのが以下の点です。
すなわち、やはりインプット面は3月中に全て終了させ、4月以降は全て時間を意識して実戦形式のアウトプットの訓練をするということです。極論すれば、4月以降であればいつ本試験が実施されても構わないくらいの状態まで引き上げておくべきだと思います。このような意識をもって弛緩化してしまっている受験勉強に緊張感を持たせていくのが有用だと思います。
最後に
冒頭にお話したように、私は受験歴が長期化してしまっており半ば自暴自棄になってしまっている面がありました。本当は受験できる環境にあること自体に感謝しなければいけないのに。
でも、この2〜3年の間は「本当に司法書士試験に合格したいのか」という素朴な点を常に自問自答していました。
合格発表の日、ネットで自分の受験番号を見つけた時は、いい歳をした大の男が母親の膝元で号泣してしまいました。まさに夢のような瞬間でした。本当に嬉しかった。諦めなくてよかった。
確かに、司法書士試験は合格率が3 ~ 4%という超難関試験です。そして、実力があっても合格の保証はなく、下手をすれば一生かかっても合格することはできない残酷な試験であると、合格した今でも素直にそう思います。
しかし、「受験を断念してしまえば、合格することはもう絶対にない」ということも当たり前ですが事実です。
私のように、受験歴が長期化して苦しんでいる方がおられればぜひ、自問自答してください。「本当に合格したいのか」と。そして、答えが明確にイエスならば、周囲の目は気にせずに堂々と合格を目指して頑張っていっていただきたいと思います。
最後に、私のわがままを最後まで許し、応援してくれた両親に心から感謝します。