一度目指した司法書士試験ですが仕事の忙しさを理由に断念してしまったことがずっと心の奥のモヤモヤになっていました。
そんな時、ある“ きっかけ” が私の再チャレンジを後押しして、またある“ きっかけ” が私の受験を本気にしてくれました。

海外で痛感した
法律家の役割

 私は大学の外国語学部を卒業後、語学を活かしたいと思い海外で仕事をしてきました。留学経験はありましたが、海外での生活の中では今までの常識や道徳が覆される場面もありました。特に外国人はビザがないと活動できないのですが、事情がわかっていないと手続は困難でした。そんな時にお世話になったのが現地の法律家の方達でした。外国人という弱者に対してとても親切でやさしく、丁寧に接してくれました。この方たちに私の心は何度となく癒されました。この経験から、海外からいらっしゃった方のお役に立ちたいと帰国後は行政書士の資格を取り、国際業務を専門とする行政書士事務所で勤務をはじめました。まさに困っている外国人の方に行政書士として役立てる仕事はとても充実していて楽しい毎日でした。
 事務所でビザの相談にいらした外国人の方に会社設立の相談をされる時もあり、司法書士が担当していました。職責なので、しょうがないのですがお客様の中には「ロイヤーなのになぜあなたが担当できないのか」と疑問をもたれることもありました。その横で依頼された案件を的確にこなす司法書士の姿に感動を覚え、司法書士の業務について相談してみると、まさに「私がやりたかったことが実現できる」、お客様に依頼された案件もワンストップで対応できるとわかり、私は司法書士試験受験へとステップアップすることを決めました。

司法書士試験
“1 回目” のスタート

 働きながらの受験だったため受験指導校を使うことを最初に決め、無料講義を聞いて話が聞きやすく「この講師となら」、と思えた伊藤塾「入門講座」山村クラスで勉強をはじめました。仕事と受験勉強の両立は本当にきつい日々でした。復習する時間がなく理解できずに次の単元に移り、また理解できていないのに次の単元へと、わからない知識ばかりが積み重なっていきました。そのうちカリキュラムを終了できないままその年の受験は諦めてしまいました。その後数年間は受験勉強から離れていたのですが、5 月になれば「願書の時期だ」、7 月になれば「本試験日そろそろだな」というように司法書士試験のことは頭のどこかでいつも気になっていました。しかし、日々の仕事に追われて受験は遠い存在になってしまっていました。

司法書士試験
“2 回目” のスタート

  そんなある日、私に一度目の“ きっかけ” がやってきました。勤務していた事務所の勤務形態が変わり自由な時間が作れるようになりました。これを期に、「やるなら今しかない!」と、モヤモヤしていた受験勉強の火を再燃させました。再開にあたり過去の学習経験はリセットしてもう一度山村拓也講師の入門講座を再受講することにしました。
 再び受講した山村講師の講義はとても充実していました。聴きやすく、メリハリがついている講義はとても勉強しやすかったです。一度受講しているので各科目のボリュームや、覚えにくいところ、苦手なところがわかり、復習も効率的にできました。間違いノートも、講義や体験記を参考にして今回はうまく活用できました。テキストもマーキングを工夫してカラフルな色分けで情報を視覚的に整理しました。最後の半年は専業受験生となり、必死にがんばった1回目の受験でしたが基準点に1 問足りず残念な結果に終わりました。
 試験後は悔しい思いですぐに来年にむけて気持ちを切り替えていたのですが、11 月ごろ体調を崩し、12 月には手術入院が必要になりました。幸いすぐ退院できたのですが、今は体のことを優先に考えようと思い、勉強道具を全ておいて実家に帰り、受験勉強から遠ざかってしまいました。やがて体調が回復したもののこの時期の約二ヶ月のブランクでは「今年の受験も厳しいな」と諦めの気持ちで年明けの講義にいきました。そこでお会いした関信敏講師に事情を話したところ、大きな声で「ぜんぜん大丈夫だよ!まだ十分間に合う!」と力強く励まして下さいました。この励ましが大きく私の背中を押してくれました。「今までの努力を無駄にしたくない」、昨年の悔しさを思い起こさせてくれました。体調が悪かったことを理由にまた弱い自分に甘えてしまうところでした。山村講師が「合格する年は何かがある」とよくいわれますが、何かがあった時に自分の弱さに打ち勝つことができるかが問われているのだと思いました。それからは「最後まで絶対に諦めない」という、以前にも増して強い気持ちで勉強に取り組むことができ、無事に合格することができました。これは私の2つめの“ きっかけ” になりました。

2つの“ きっかけ” が
私に合格を与えてくれた

 私の受験勉強を支えてくれた2 つの大きな" きっかけ”。一度目は勉強を再開することを導いてくれました。「がんばりきれずに諦めてしまった」という、モヤモヤした気持ちを整理してくれました。二度目では「最後まで絶対に諦めない」という覚悟を決めさせてくれました。どちらが欠けても合格はありませんでした。もう後がないという緊迫感、“ 合格しなければ意味がない” という強い自覚と覚悟で勉強しました。そしてそれを応援してくれたのが伊藤塾の講師の皆さんでした。親身になって、時には厳しく励ましてくれた講師の言葉が合格まで導いてくれました。合格した今は、司法書士として困っている人の役に立つ、また海外からの方にも頼っていただける司法書士になり、より多くの方が日本で安心して活躍できるようなお手伝いができればいいと思っています。