20代を東京でグラフィックデザイナーとして働き、地元で独立し活動していました。しかし、環境の違いなど、戸惑うことが多く、将来への不安と自らの仕事への迷いをかかえていました。司法書士の仕事に興味を持ったのは、実家の米作りをとおして、土地を身近に感じるようになっていたからです。さらに、小山晃司講師の「司法書士試験　合格への軌跡」（法学書院）を購入したことで、受験指導校があることを知り、合格への道をイメー ジできるようになりました。

私が受講したのは山村拓也講師の「入門講座」です。講義中、合格者の体験談を聴く機会が多くあり、合格を近くに感じて学習することができました。山村講師の講義にあわせて、重要な箇所は黄色、最重要箇所はピンクのマーカーを引き、さらに、過去問やドリルに出題された箇所にアンダーラインを引いてテキストにメリハリをつけました。反省点としては、復習のときに、講義で指摘されたほど、メリハリをつけなかったことです。そのため、知識の精度が低かったように思います。しかし、入門講座を通じて、基礎をしっかり固めることができました。何より最後まで受講したことが自信になりました。１年目は午前が基準点＋３問、午後が基準点−２問でした。
２年目に受講したのが北谷馨講師の「中級コース」です。勉強の方法は１年目と変えずに、テキストは科目によりますが、５回ほど繰り返しました。二度目の受験は総合落ちでした。しかし、「来年合格する！」とすぐに学習を再開。北谷講師に勉強方法を相談したところ、２年目と同じ教材を繰り返すようにとのアドバイスでした。学習を再開して自覚したのが、それなりにテキストを繰り返したつもりでしたが、曖昧な知識が多かったことです。そこで、消すことができるボールペンで曖昧な箇所にはアンダーラインを引いて、戻ったときに覚えていれば消して、よくわからない箇所はめんどうくさがらず、メール質問し、徹底的にテキストと向き合いました。電話カウンセリングも受けました。しっかり学習しているつもりでも、無意識に楽な勉強をやろうとしていることに気づかせていただいたり、Web受講の私には有益でした。新しい判例の知識や出題の傾向は、年明けの答練で補充して、本試験に臨みました。

受験を考えたのは30代の後半。勉強範囲を終わらせるだけでも長期間に及ぶ司法書士試験への不安は大きかったです。書籍やインターネットで情報収集しましたが、最後の決断は「勢い」でした。その年の行政書士試験を自己採点した結果、合格できそうだったことも後押しになりました。受験期間は長いですが、学習スケジュールを講義が終わるたびにマーカーで消したり、実生活で実際司法書士に会える機会を利用して、司法書士になった自分を想像して、モチベーションを下げないようにしました。

山村講師

受講前は、隙をみせない方かなという勝手なイメージを持っていましたが、受講中、いろんな話をしてくださり、勇気づけられました。私はWeb受講でしたので、口述模試で山村講師と電話でお話ししたときは、緊張しましたが、とても嬉しかったです。

北谷講師

講義のなかで「大きくこういう方向で押さえておけばいいですからね」と言ってくださると気が楽になりました。一方、「ここからは人が嫌がることをどれくらいやるかです」など、電話カウンセリングではハッとさせられる指摘をしてくださいました。メール質問にも、丁寧に回答してくださり、心強かったです。

早く合格したいと焦っていたせいか、初受験のあと、体調をくずしました。病院の検査では問題ありませんでしたが、学習に集中できない時期がありました。受験は長期に渡るので体調管理は大切です。私は、受験前はジョギングをしていましたが、ウォーキングに変え、汗をかいてリフレッシュしていました。寝る前に上半身ストレッチもよく行っていました。
また、Web受講は、孤独感・不安感を感じます。そんなときは、恥ずかしがらず、メール質問や電話で相談して、自分の中にため込まないようにしていました。

模試の帰りにすれ違う人たちの楽しそうな様子やSNSで人生を前に進めている友人たちの近況を知るにつれ、自分がこれまでやってきたことは間違っていたのかと落ち込むことがありました。また、身体的・精神的に不安定になった夜もありました。でも、無事に今日まで辿り着いています。掲示板で自分の番号をみつけた瞬間は、私にとってかけがえのないものでした。合格したばかりで何が変わったと、はっきり言えませんが、展望が開けてきたように感じています。この体験記が少しでも、お役に立つことができれば嬉しいです。