子供のころから、なにか熱中できるものが欲しく、目標にコミットしている自分が好きでした。父からの「終身雇用はいずれ終わる、将来を考えておけ」というのが頭に残っていました。今の大学は暇な時間も多く、熱中するものなく何も考えずに卒業してしまったら怖いという恐怖心がありました。
司法書士試験を目指す
中学のころ、弁護士のドラマを観ていて、弁護士はかっこいいなぁ、漠然と思いました。高校で進路を決めるとき必然的に法学部を目指し入学しました。大学に入学すると何か在学中の目標を探そうと資格の取得を考えました。最初は司法試験を考えていたのですが、どうやら司法試験は在学中に最後まで取得するのはハードルが高そうだと考えました。私は自力で稼ぐ力を身につけたかったので、資格を取得するならどうしても在学中にとりたいと思っていました。そこで司法書士なら大学3年生で合格できて、そのあとの就職活動にも影響がないと司法書士試験受験を目指しました。
札幌の地で
伊藤塾と出会う
札幌の大学で1年生の時、伊藤塾長の法律資格のセミナー講演会に参加しました。伊藤塾長の話はとても興味深く、こういう世界があるんだ、と一気に司法試験を勉強する気持ちになりました。勉強するなら圧倒的な実績のある伊藤塾だと思い、司法試験の入門講座を申し込みました。勉強は楽しかったのですが、受講後の合格スケジュールを考えると、大学3年生で合格するのはハードルが高いと感じました。私は資格を取得した上で民間就職をしたいというのが一番の優先順位でした。両親にも相談すると「自分のやりたいようにやるのが一番いい」といってもらえて、学習経験も活かせる司法書士受験に転進しました。
入門講座ではカリキュラムを
信じて言われたことだけやる
入門講座の講義は一括配信コースを選択しました。学生で時間があるし受験勉強に集中できるので自分のペースで勉強できるコースを選びました。ハイペースでまずはすべてのカリキュラムを一通り受講しました。講義は複数回聴くと、気になるところがでてきて、範囲を拡げてしまう可能があるので1回しか聴かないと決めていました。これで入門講座の本当に大事なエッセンスが身につくと思いました。受講後は演習で過去問を解いて、そしてテキストに戻り、該当部分に赤線を引きました。該当部分がテキストに掲載されていなかったら青色でメモをしました。演習の解説は読まずにすべてテキストに戻り一元化しました。とにかくテキストに集約することに専念し、過去問で出題されていてもテキストに掲載されていない内容は「これは合格には必要のない問題」と割り切り、やるべきところとやらないところをさらに明確にしました。山村講師も入門の内容だけで合格には十分と言われていたので、それを信頼しました。テキストで書かれていないところが模擬試験で出題されても、先ほどの青字のメモで理解することができました。とにかくテキストを信頼し、愚直に言われたとおりの勉強をしました。楽しい勉強をして、ただの法律に詳しい人になるのは絶対にいやだったので、合格のために必要な勉強だけをしました。そして合格目標年度での合格しか考えていなかったので、講師とカリキュラムを信じてひたすら言われたことを繰り返しました。
合格から逆算した
学習計画の重要性
学習スケジュールも徹底的に極めました。カレンダーを大きくプリントアウトして、1日に勉強すべきところをページ単位で決めて書き写しました。毎日課題が達成できたら赤線を引いていました。課題がすべて終わったらそれ以上の勉強はせず、休憩にあてました。勉強スケジュールを書き写すのは結構な労力なのですが、それは合格のためには必要な工程だと思います。どこまで勉強すればいいのか、自分が今どこにいるのかを合格から逆算して可視化し明確にすることで目標に近づいていきます。また、大学3年生で司法書士試験に合格すると友人に明言していました。これだけ言って合格できなかったら恥ずかしいと思い、勉強にも気持ちが入りますし、あきらめるという考えも浮かびませんでした。
記述式試験の
勉強法
このような勉強を続けて、試験直前には結果も出てきました。自己流で学習しなくて本当によかったと思いました。あえて苦労したとすれば記述の勉強です。わからなくて解けないのではなく、わかっているのに解けない、知識はあるのだけれど答案に書けない状況でした。山村講師は答案構成という手法で解き方を示してくれましたが、講師の示す答案構成は100点満点のものなので、実際の試験の際にどのように自分用にアレンジするかを考えました。その方法を解く時のルーティンにして、何度も何度も繰り返すとプロセスが蓄積されて理解できるようになります。過去の合格者もこの、“正解をたどるためのプロセスの蓄積”が試験で発揮できたのだと思いました。
最後は
やはり言われたことだけやること
私は大学3年生で合格することが唯一の目的だったので、今年合格できなかったら試験はやめていたと思います。大学生だったので、受験勉強に、そして試験合格のためにフルコミットできる環境でしたから、絶対合格できると思って勉強しました。過去の一発合格者の合格体験記を観てみると、ほとんどすべての人が「入門講座のカリキュラムに従い、講師の言うことを愚直に繰り返すだけ」と言っています。あることに成功したいのであれば成功者の正攻法を実戦するのが一番だと信じて疑いませんでした。そして結果的には総合成績20位という順位で合格できました。司法書士試験の合格で私の選択肢は一つ増えました。大学生活はあと1年あります。現在はITベンチャー企業への就職を考えていますが、就職先が決まったら、また何か資格の取得を目指すかもしれません。目標を明確に定め、そこにフルコミットしていく、私の旅はまだまだ続いていきます。