問われているのは基本論点。基礎マスターの知識を何度も覚え、記憶を固めていくことが合格へつながります。
H.N さん(23歳)
【合格校】
・東京大学法科大学院(既修)、 首都大学東京法科大学院(既修)、 中央大学法科大学院(既修)
◆受講講座 / 基礎マスター、法科大学院別論文対策講座、適性試験公開模試 など
※プロフィールは、2012年合格時点のものです。
はじめに
私は経済学部に在籍していましたが、その中で法律の重要性にあらためて気づき、企業などを法的な面からサポートしたいと考えて法曹を目指しました。
志望校はまず経済的な面から国立を第一志望とし、さらに司法試験合格率が高く、入学後勉強に集中できる環境であると感じる法科大学院を受けようと考えました。
私がとった勉強方法
法律科目対策について
全体を通して言えることは、とにかく基本的な重要論点を覚えていることが大切です。難関といわれる法科大学院でも、問われているのは基礎マスターなどで重要と言われている論点であり、そこでしっかり得点することが重要となります。それ以外のあまり聞かない論点は出題されにくく、また出題されても大半は解けないので合否を分ける問題とはなりません。以下は、各法科大学院について述べさせていただきます。
中央大学は私立でも比較的早い時期である8月半ばに試験があります。さらに7科目全てが試験科目であるため、早期に全科目についてある程度の対策をしておかなければならなりません。憲法・民法・刑法は当然ながら、商法・民訴・刑訴・行政法も事例問題であるため、問題を読む時間も考慮すると、試験時間にあまり余裕がありません。ただ聞かれていることは基本的な論点であり、とにかく重要といわれている論点を覚えることが最重要な対策となります。細かい知識にとらわれる必要はありません。
首都大学は憲・民・刑は事例問題ですが、商法・民訴・刑訴・行政法は一行問題です。後者の一行問題は必然的に知識問題となるため、その単語を知らないと手も足も出なくなる可能性があります。しかし、そういう場合はわからない受験生も多いため、他の科目の基本的な部分でしっかり得点することが重要だと思います。
東京大学はとにかく時間との勝負となります。1科目約30分であるため、問題をすばやく読んで問題点・論点を考え、答案構成をし、あとはひたすら書き続けなければなりません。つまり、だらだらと長い論証を書くことはできず、簡潔にする必要があるが、問題文の事例はしっかり抽出すべきです。問われていること自体は基本的論点であり、最初それを思いつかなくとも知っている知識に結びつけられないか考えた方が良いと思いました。解答用紙はマス目で追加もできないため、答案構成や書いている途中などに、答案用紙の残りに注意すべきです。
東京大学に関しては「過去問分析講義」を受講しました。論文試験の解答が公開されていないため、再現答案やその分析を見られる本講義は非常に役に立ちました。出題のされ方や答案として、どの程度書くべきかなどを知ることができるこのような講座はとても重要であります。
適性試験対策について
受験年度の1月後半から毎朝過去問を解くようにし、問題に慣れるようにしました。適性試験は好みが分かれますが、個人的には嫌いでなかったため3月頃にはその習慣を中断し、本番まで可能な限りの模試を受けるようにしました。このように何度も模試を受けることで1科目40分という時間の使い方を覚えました。また伊藤塾の模試では本試験より難しめの問題が出題されていたため、本試験のときは比較的簡単な問題だと感じる余裕も生まれました。模試の使い方としては、時間の使い方を考え、終わったらその日のうちに自己採点と復習をして、間違えたところはチェックをつけて本試験の前に必ずもう一度解くようにしました。
合格するために重要なこと
あらためて、どの法科大学院でも基本的知識・論点を覚えていることが重要です。伊藤塾で言えば基礎マスターには必ず出てくる知識であり、重要度としてもAやB+ランクの知識です。ただ基本的な部分と言え、試験で問題なく書けるくらいになるにはそれなりに大変であるため、復習はしっかり行い、記憶のための時間をとることが必要です。
また勉強していく上で、一度覚えたと思ったところを忘れていることが最も怖く、目を背けたくなるところでありますが、これほど膨大な範囲であれば必ずそのような部分は出てきてしまいます。嫌がらずに何度も覚えて記憶を固めていくことが合格へつながると思います。
そして、覚えたと思った論点を試験で正確に書くためにはやはり問題を解く作業もしておくべきであり、その点模試は最適です。伊藤塾は法科大学院別の模試もあり、本試験を想定して挑むことができ、練習として非常に効果的でした。
最後に
最後に、合格したいという想いも重要だと思います。その想いは勉強段階ではもちろん、本番の試験中の意識も変えます。書くべき論点をもらすまいと考え、貪欲になります。そういう細かな差も、合否を分けうると考えます。