独学は効率がよくないうえに、基本書を解読し使いこなすことができるか不安だったため、伊藤塾で学習を始めました。

H.M さん(22歳)
 

合格者イラスト
慶應義塾大学法学部4年在学中
【合格校】
・東京大学法科大学院(既修)、慶應義塾大学法科大学院(既修)
◆適性試験 / 第1回:173点 第2回:213点
◆学部成績 / GPA:3.77
◆受講講座 / 司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、適性試験シミュレーション、法科大学院別論文対策講座 など

※プロフィールは、2012年合格時点のものです。

はじめに

僕は、大学入学当初は法律家になろうといった確固たる意志があったわけではありませんでした。しかし、伊藤塾長の講演で法律家についての話を聞いたり、期末試験の準備を友達とやっていくうちに、法律に対する興味が湧き漠然と法律家になってみたいという想いが生じ、法律家になることを目指そうと考えました。そして、そのために必要な知識を学ぶには基本書を片手に独学に励むのは効率があまりよくないうえに、自分自身の頭で難解な基本書を解読し使いこなすことができるのかが不安だったため、伊藤塾長の講演を聴いて前々から興味があった伊藤塾への入塾を決めました。

私がとった勉強方法

法律科目対策について

(1)基礎的な法知識・法理論の修得について

私が法律を勉強する上で最も重視した点は基礎マスターレベルの知識を固めることです。法科大学院レベルでいえばおそらく基礎マスターテキストや百選に書いてあることの大筋を理解すればできない問題はないと思います。もっとも、基礎マスターは量が膨大なため大筋の理解を得ることは決してたやすいことではありません。そこで、僕が意識したのは、常に考えながら基礎マスターを繰り返して読み込むことでした。基礎マスターは何も考えずに読めば単なる学説の羅列にも見えてしまいますが、その前後を意識して相互の関係性を意識しながら繰り返し読めば毎回疑問や新たな発見があると思います。ただ注意すべきなのは、この作業は定期的に繰り返して行わなければならないことです。人は一度読んだものを完璧に記憶することは不可能で、欠落した記憶を自分の勝手な想像で埋めることが多々あります。そこで、僕は各科目のテキストや簡単な基本書を2か月に1回のペースで読み返していたり講座を聴き直したりしていました。

(2)実践段階の学習について

実践段階では、まず短答試験対策についてはひたすら一つの問題集を繰り返し行い、知らない問題や理解が不十分だと感じた問題については基礎マスターにその問題についてのまとめを書き加えていました。これは正直面倒な作業でしたが、この作業を繰り返し行うことで同じ問題にあたっても間違えることはなくなりました。
次に論文についてですが、論文マスターを最初に受講した時に抱いた印象は絶望感でした。なにしろ量が膨大で本当にこれをマスターできるのかという不安ばかりが頭の中によぎっていました。しかし、法科大学院レベルでいえばテキストに載っているすべてを網羅する必要はありません。少なくとも、旧司法試験平成10年以降の問題を網羅すれば、事案が長い法科大学院入試や予備試験の練習には十分でした。

適性試験対策について

私は、なるべく早くに法律家になるため予備試験合格を伊藤塾入学当初から考えていました。そして、予備試験は短答試験が5月下旬にあります。そのため、どうしても適性試験対策には時間が回らず、結果的に適性試験対策を始めたのは予備試験短答式試験後の適性試験一回目の一週間前となってしまい一回目は平均点に及ばないという散々な結果となってしまいました。しかし、その後伊藤塾のテキストや市販の問題集をひたすら繰り返してやるうちに一題を解くのに必要な時間感覚やどの問題から手を付けるべきかの感覚を身に着けることができたので、結果的に210点台まで伸ばすことができました。

学部成績について

大学の授業は基本的には基礎を教えてくれますが、最新の学説の動きを教えられることも多く、基礎が十分でない段階でこれを行われて伊藤塾入学前は多々消化不良に陥ることが多くありました。しかし、伊藤塾で基礎を学ぶことで確かな土台の元で最新の理論に触れることができ、大学の授業を理解するうえでも伊藤塾の講座は非常に役立ちました。

伊藤塾の学習と大学生活との両立について

僕は、スキューバダイビングのサークルに入っていました。その活動自体は多くないものの仲間との強制的な飲み会が週1、2回は当たり前にあり、それと学習を両立することはどうするべきかをかなり悩みました。そこで行ったこととしては、朝方の生活を身に着けることでした。朝から勉強を行い、夜の9時か10時には勉強を終える。これを行ったことで、いつもの勉強量をこなしながら飲み会などにも参加することができ学習と学生生活の両立が可能となりました。

入学前準備として

法科大学院では最新の理論を学べることとなると思いますが、それを理解するには先述のとおり基礎の確立が不可欠です。また、わざわざ教員の方々が丁寧に教えてくれることを無理に先取りして、無理やり独学で学ぼうとしても無理が出てかえって今までの理解が崩れてしまうことになりかねません。そこで入学準備については、僕は受験時の勉強と特に方法を変えたりはせず、強いていえば判例をより意識した勉強を行っていこうと考えています。

合格後必要なこと

今後は、弁護士の就職難が伝えられるなど、どんどん厳しい法曹界は厳しい状況になっていくと思います。しかし、それより厳しい状況にある人々こそが弁護を依頼してくる人々であり、そのような人々を助けたいと思う自分たちが先に困難な状況から逃げるのは間違いだと思います。そこで、合格後に必要なことは噂や憶測にとらわれずに困っている人を助けたいなどの自らの目標に向け邁進することだと思います。