法科大学院入試で問われる基礎知識は、問題研究の演習の過程で身についた。何とかやり続けることが合格の秘訣
Nさん
◆受講講座/司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、法科大学院別過去問分析講義、法科大学院別法律科目論文模試など
◆合格校/一橋大学法科大学院(既修)慶應義塾大学法科大学院(既修)早稲田大学法科大学院(既修・半額免除)中央大学法科大学院(既修・半額免除)
はじめに
私は、学校問題を扱う弁護士を志望しています。高校生の時に、学校環境の悪化のせいでやむなく退学を強いられた友人を見て、将来の日本を担う子どもたちの教育環境を法的な立場からサポートしたいと考えるようになったことがきっかけでした。大学入学後、せっかく総合大学に入学したのだから、1年生の間は法律以外の科目も幅広く学ぼうと思い、法律の勉強は学部の必修科目にとどめ、本格的に法律の勉強を始めたのは伊藤塾に入塾した大学2年生の春からでした。志望校は単純に司法試験合格率で選びました。優秀な学生が集まる方が刺激になると思ったからです。
基礎的な法知識・法理論の修得について
基礎マスターでは、伊藤塾長が何度もおっしゃっているとおり、とにかく聴ききることを心がけました。予習は項目立てのマークだけ、復習は入門講義テキストの該当範囲をもう一度読んで理解できない部分に印をつけるだけにとどめて、とにかく先に進めることを意識しました。膨大な量の講義を消化するためにもこのことは重要であったと感じます。論文マスターでは、ほかに手を広げることなく、問題研究の問題だけをマスターするつもりで勉強しました。具体的には、①問題研究+論文マスター答練の問題を1問15分程度で、それぞれ3回ルーズリーフに答案構成し、典型問題の解き方や論理のつなぎ方を覚えるようにしました。また、②細切れの時間では、コピーした問題研究の目次を見ながら、1問5分程度で、頭の中で答案構成することを繰り返し、とにかく回数をこなしました。さらに、③毎日論文ナビゲートテキストの論証を確認する時間をとり、論文マスター、論文マスター答練で既出の論点は、論証を即座に吐き出せるようにしておきました。
法科大学院対策について
まず、全ての法科大学院に共通した対策として、私はそれぞれ過去問3年分しかやっていません(ただし、全て答案まで書きました)。法科大学院入試で聞かれるような基礎知識は、問題研究の演習の過程で身につくからです。そのため、まずは問題研究記載の問題をマスターするのが先決だと思います。以下では、法科大学院ごとに過去問演習の際に特に注意した点をお伝えします。
〈慶應義塾大学法科大学院〉
慶應義塾大学法科大学院対策については、時間配分に気をつけました。ちなみに憲法・刑法では刑法を先に、民法・商法では商法を先に解いていました(民訴法と刑訴法は気分で順番を決めていました)。自分のなかですぐに解けると感じる方を先に終わらせた方が、精神的に楽だったからです。
〈早稲田大学法科大学院〉
早稲田大学法科大学院対策については、特に注意した点はないです。他の2校と違って時間不足になる可能性は低かったからです。なお、家族法まで出題されるうえ、150点もの配点が振られる民法や、一行問題が出題される刑法といった、形式面での特殊性がありますが、これについては中央大学法科大学院入試が終わった後に対策しました。覚えるべき点もそこまで多くはないので、結局は問題研究の問題が解けるレベルに達すれば何ら問題はないと思います。
〈中央大学法科大学院〉
中央大学法科大学院対策については、時間配分と行数制限に気を使いました。特に刑法は書こうと思えばいくらでも書けてしまうため、論証をコンパクトにすること、検討する行為のメリハリをつけることを意識しました。
おわりに
私は何でも要領よくこなせるような人間ではありません。そんな私でも、伊藤塾での講義を聴き終え、問題演習(答案構成)をし続けたことによって、法科大学院に合格できる程度には法律知識を身につけることができました。途中でやめたくなったことも幾度となくありました。それでも何とかやり続けること、これが合格の秘訣であったように思います。「やればできる、必ずできる」とはよく言ったものだなと実感しました。来年の予備試験合格に向けて、気を抜かず学習を継続していきたいと思います。稚拙な文章を最後まで読んでくださってありがとうございました。