合格から逆算して、スケジュールを立て、 気持ちを切り替えて学習したことで一気に実力がつきました

特待生合格

S.Kさん: 慶應義塾大学法学部4年 ◆学部成績/[GPA]:3.5 79:48:8:2 ◆受講講座/  司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、 法科大学院別過去問分析講義+法律科目論文模試など

合格校/慶應義塾大学法科大学院(既修)、 早稲田大学法科大学院(既修)全額免除、 中央大学法科大学院(既修)全額免除

はじめに

小学校の社会科の授業のすすめで小学校6年生の時に裁判傍聴をしにいったことをきっかけに、 法曹の世界に興味を持ち始めました。そこから漠然と、「自分は法曹になるんだ」という思いを胸に、 中学生、高校生の頃にジュニア・法科大学院や模擬裁判に参加していました。将来は人のために役 に立てる仕事がしたい、という思いと、良くも悪くも正義感が強く、何事にも正しさを求め「こう あるべき」という規範意識を昔から持っている自分自身の性格から、検察官を目指すに至りました。 伊藤塾にはすでに通っている友人のすすめや、大学の法曹志望の同級生の多くが伊藤塾に通ってい たことから、大学1年の夏頃に入塾しましたが、当時はサークルやアルバイトを優先し、なかなか 授業についていけなかったため、取返しのつかないほど遅れをとってしまいました。しかし、ある 時から勉強中心の生活に一気に切り替え、伊藤塾の講座を活用してやるべきことを絞ったことで、 法科大学院の合格をつかむことができました。せっかく早く入塾していたにもかかわらず、危機感 を持つのが遅く、ギリギリ大学4年次にそのツケを払って合格できたというのが正直なところで す。早く入塾された皆さんは、受講のペースに乗り遅れないようにすること、とにかく早めにまず は一周することをおすすめします。 

私の勉強法

基礎学習について

私は通塾のクラスを選んでいましたが、上記のように基礎マスターを受講するのが遅れたことに より、ドミノ倒し的に論文マスターを受講するのも遅れてしまいました。一度流れに遅れると、1・ 2年次はなかなか危機感を持つことができず、また、遅れたことを相談するのが情けなくてカウン セリングにも相談にいけず、ただマイペースに受講し続けるという怠惰な状況から抜け出せずにい ました。論文マスターに切り替えて今度こそスケジュール通りに通塾しようとしても、どの科目も 微妙に基礎マスターが終わっていなかったため、それを受けつつとなると結局論文マスターも途中 で全科目遅れてしまうといった状況でした。しかし、3年次の夏に大手法律事務所のインターンに 参加したことからモチベーションを取り戻し、そこで出会った予備試験合格者であり、伊藤塾に 通っていた先輩に話を聞いたことで気持ちを切り替えることができました。そこから、試験日から 逆算してスケジュールを立て直し、一気に勉強中心の生活に変えました。溜まっていた講座を一気 に見て、短答の過去問をがむしゃらに解き、問題研究の解き直しを始めたことで、自分の現状に危 機感を覚え、法科大学院入試まで駆け抜けることができました。今思うと、ここでの切り替えによっ て、大幅に遅れながらも周りの受験生と戦えるまでに実力をつけることができたのだと思います。 このことから、たとえどんなに受講が遅れていても、先輩や塾のカウンセリングの方に正直に自分 の現状を話して相談することの重要性を痛感しました。そして同時に、自分の現状と向き合って合格から逆算してスケジュールを立てることで、自ずと危機感を持つことができるし、気持ちの切り替えによって一気に実力がつくということも実感できました。

法科大学院対策について

法科大学院は一貫して、論文ナビゲートテキスト、論文マスターの問題研究を中心に対策を進め ました。論文ナビゲートテキストに情報を一元化し、問題提起や問題の所在、あてはめの具体例を 空いているスペースに書き込みました。また、その論証が出てきた問題研究の問題番号をメモし、 参照しながら復習したことで、ただ論証を暗記するにとどまらず、具体的な事案の中でどのように 論証を使うかを効率的に身につけられたように感じます。また、問題研究を繰り返し復習すること で、自ずといずれの法科大学院の対策にもなっていたと感じています。
【慶應義塾大学法科大学院】慶應に関しては、過去問分析講座の受講と模試を受験しましたが、こ の二つによって自分がいかに基礎的な事項を分かっていないかに気づくことができ、また結果的に 合格にも大きくつながったと深く実感しています。慶應は特に刑訴、民訴、商法は基礎的な問題が 多いため、難しい予備試験の過去問や問題研究を解くよりも、むしろ過去問分析講座によって基礎 的な論点の復習や理論の理解をすることができました。また、試験時間がとてもタイトであるため、 時間を測って解いて実際の試験の時間感覚を身につけることがとても有意義でした。さらに、テキ ストに付された再現答案を見ることで、合格者のレベルを知ることができたことも、受験生の相場 や合格水準を知るうえでよかったと感じています。他の法科大学院の勉強にも応用できたので、基 礎力に不安のある方、また慶應に受かりたいと考えている受験生の方にはぜひおすすめしたいで す。
【早稲田大学法科大学院】過去問を数年分見て、各科目の傾向をつかむことに徹しました。特に、 刑法の一行問題は特殊なため、各論の判例を意識的に読むようにしていましたが、その他には特段 対策はしていません。
【中央大学法科大学院】中央は30行などの行数制限がある科目があるため、事前に過去問を見て形 式を把握しておいてよかったと感じています。また、中央は試験科目・試験時間が慶應と同じであっ たため、時間配分の点において試験当日も2週間後の慶應の良い練習になりました。 

おわりに

私は今まで述べてきたように、他の塾生の方に比 べて、決して勉強が進んでいる方ではありませんで した。しかし、どんなに勉強が遅れていても、やるべきことを絞って一気に集中して取り組めば、私立 の法科大学院の合格は決して不可能なものではないと感じています。周りが就職活動や公務員試験な どで内定を決めていく中、また、予備試験に合格し ている同級生が出てくる中、後輩の皆さんも法科大 学院入試直前期はきっと不安に駆られることもあ るかと思います。また、勉強に遅れている場合「ど うしてもっと前から頑張らなかったんだ…」と自分 を責める気持ちになるかもしれません。しかし、自 分は自分、と割り切って自分の現状を理解し、愚直 に今できることに集中することで、合格は見えてく ると思います。私自身も、落ちこぼれの状態から法 科大学院に合格できたことを自信に変えて、今年こ そ予備試験に合格したいと意気込んでいます。同じ 受験生として、一緒に頑張りましょう。