時間がとれず働きながらでも合格。最後まで自分を信じて勉強することが大事です。

社会人・既卒者

 Z.Zさん(30歳)

学習院大学法学部卒業
私立大学法科大学院(既修)修了
【受 講 講 座】
司法試験入門講座本科生、短答マスター、口述模試 など

※プロフィールは、2011年合格時点のものです。


はじめに

私が、法律家を目指したきっかけは、テレビ、新聞を通じて社会で困っている人を助けたいという素朴な正義感だったと思います。その正義感は、法律の学習が進むにつれて強くなっていったように思います。
 伊藤塾を選択した理由は、伊藤塾長、呉講師をはじめ、わかりやすい講義がなされるという評判を聞いていたからです。
 入塾して特によかったという点は、学部学科の関係上、司法試験を目指す友人がおらず独学でやっていく自信がありませんでしたので、伊藤塾で多数の受験仲間と出会うことができ、ときには法律の議論をしたりするができたことです。
 ですから、今現在、情報が少ない予備試験を突破するためには、独学ではなく、伊藤塾で学ぶことをおすすめします。

私がとった勉強方法 

基礎的な知識・法理論の修得について

 まず、予備試験全体を通して要求される知識、法理論については、基礎マスターテキストや「試験対策講座」(弘文堂)で学ぶ知識で足りると思います。細かい知識を押さえればそれだけ点数は伸びることはあると思いますが、法知識や法理論は、様々な学説があるように膨大であり、それを学ぶのは効率性の観点からはよくないと思います。やはり確実に基本的な問題を落とさないということが大切であると考えますので、基礎マスターテキストを確実に理解し、記憶するということに尽きると思います。 
 次に、それを確実に理解する方法についてですが、講師がメリハリをつけるためにランクを付けてくださるので、一気に理解しようとせず、まずはAランクのみ、次はBランクを理解するという風にステップを踏んでいくことが大切だと思います。私も、最初はとにかくすべてを記憶しようとしてしまい、結果、何も頭に入ってないということが多々ありましたのでメリハリをつけて学習する方法がよいのではないかと思います。
 さらに、法文を手元に置き、テキストで法文が出てくるごとに法文を確認するという作業も重要だと思います。私が講義を受け始めたときは、テキストのみを見て記憶をしていましたので、それがどの条文のどの文言に関して生ずる論点かが全くわからなかったという経験があります。試験では六法しか参照できないにもかかわらず、そのことに対する意識が薄かったように思います。途中から私が工夫した学習方法は、あくまで法文を主にし、テキストは従とし、テキストは法文の解釈を補充するものという位置付けにしました。具体的には、法文を読み、ここではこの文言をめぐって争点があるというように、法文にテキストを結び付けていきました。試験直前期には、私の都合上時間がとれませんでしたので、法文を読むことくらいしかしていなかったように思います。

短答式試験対策について

 短答式試験対策は、試験問題を解いていただければわかると思いますが、ほとんど基本的な条文知識しか要求されていないので、法文や基礎マスターテキストで対策を講ずれば十分合格点に到達できると思います。旧司法試験短答式試験と違い、その場で考える問題は少なく、法文やテキストに書いてあることを基礎として、問題の正誤を検討するという問題がほとんどであると思います。ですから、基礎を理解し記憶することが短答式試験合格には必要不可欠であると思います。

論文式試験対策について

 論文式試験対策は、基礎マスターテキストや「試験対策講座」(弘文堂)でインプットした知識が重要になるので、それらを繰り返し復習しながら、実際に答案練習会などで答案を作成することに尽きると思います。インプット段階で特に意識したのは、条文の趣旨を中心に理解をすることでした。未知の問題においては、条文の趣旨から検討すればだいたいは守りの答案を作成できると思います。特に、刑事訴訟法では、似たような趣旨の条文があるので、それらは汎用性のあるものだと考え、意識的に記憶することもしました。
 また、私は答案練習会だけでは、なかなか上手く答案が書けなかったので、伊藤塾の基礎マスター対応ゼミなどを受講し、答案の形式面や実践的な書き方を学んだりもしました。このゼミで扱われる問題は、基本的なものでしたので、答案作成が比較的しやすかったように記憶しています。 
 このようにして、私は論文式試験対策をしてきました。

法律実務基礎科目対策について

 これらの科目の対策は特にしませんでしたが、実務基礎科目をとってみても、あくまで実体法の理解が重要なので、基礎マスターテキストや「試験対策講座」(弘文堂)を使用して基本的知識の理解に努めてきました。
 要件事実に関していえば、民法及び民事訴訟法の知識を基に、訴訟でのやり取りを検討することになると思います。これらの知識がなければ、ただの暗記になってしまい応用が利かなくなってしまうのではないかと思います。

一般教養科目対策について

 (1) 短答式試験対策について
  ほとんど対策をせず、その場で考えて解答しましたが、やはり出来は悪かったです。ただ、一般教養科目で点数がとれなくても、法律科目をがんばれば十分合格できると思います。 
 (2) 論文式試験対策について
  こちらもほとんど対策をしませんでした。注意したのは、法律の論文式試験の答案作成にも当てはまると思いますが、嘘をかかないこと、長々論じてしまうと焦点がぼやけてしまうので、端的に問いに答えようとする姿勢をみせるようにしたことです。

口述試験対策について

 初めての口述試験だったので、何を対策していいかわからなかったので、伊藤塾の口述対策講座や口述模試を受講しました。口述模試では、自分の癖などを指摘されるので、本試験までに修正することができ、非常に役に立ちました。口述模試で聞かれたときは答えられなかった質問が、実際の本試験で聞かれ驚きました。 
 口述試験では、法律知識も当然要求されますが、特に重要なのは試験官と会話のキャッチボールをしてコミュニケーションを図ることであると思います。

伊藤塾の学習と仕事との両立について 

 私は、今年から社会人になった関係で、勉強する時間が、なかなかありませんでしたので、通勤中にiPhoneで講義を聴き、昼休みには、公園などでテキストを読んだりするなどして、意識的に勉強する時間を作ってきました。やはり、家に帰ると毎日仕事で疲れており、1~2時間程度しかできなかったので、それ以外で勉強の時間を作る必要がありました。

司法試験受験の準備として 

 司法試験は予備試験と異なり問題が長文化するなどしていますが、問われていることは基本的知識とその応用だと考えていますので、基本的知識をより一層使えるものにするために勉強しようと思います。

合格後を見据えて 

 冒頭で述べましたように、社会で困っている人を一人でも多く助けられるような法律家になりたいと思っています。また、裁判員裁判がスタートしていますので、適切に被告人の弁護ができるような法律家になりたいと思います。

最後に 

 私は、何度もこの試験をあきらめようと思いましたが、あきらめず努力することが大事だと思います。人によって合格するまでの時間は違うと思いますが、なによりも自分を信じて勉強することに尽きると思います。