講義を聴き、復習をし、答練を受けて、また復習する。これを確実に行うことが合格するためのすべてです。

社会人・既卒者

 D.Dさん(32歳)

一橋大学法学部卒業
【受講講座】
司法試験入門講座本科生、予備試験シフト旧司択一合格パック、論文直前答練、短答答練、口述模試 など

※プロフィールは、2011年合格時点のものです。


はじめに

 私は、伊藤塾出身の検察官の方と知り合ったのをきっかけに、一橋大学への入学及び伊藤塾への入塾を決め、旧司法試験の合格を目指しました。伊藤塾への入塾を決めた理由は、伊藤塾長の講義の素晴らしさを聴いたからです。他の受験指導校に関しては、パンフレットすら見たことがありません。伊藤塾を選択し、その講義を受け、スタッフの方の親身な対応を受け、今考えてもこの選択は間違っていなかったと確信しています。

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

 伊藤塾は、私が入塾した当初から基礎マスターテキスト及び「試験対策講座」(弘文堂)の繰り返しの学習方法を推奨されており、私もその方法に従って勉強しました。具体的には、講義を聴き(予習は基礎マスターが終わるまではほとんどしていません)、復習をし、答練を受けて失敗し、また復習することの繰り返しです。今思い返してみても、この作業の繰り返しが、合格までの試験の全過程を通して、そのすべてであったと思います。基礎マスターのAランクを理解していなければ問題すら解けない、逆をいえば基礎マスターのAランクを理解していれば、ある程度問題は解けるようになるということです。よって、基礎マスターの受講は必須であり、この初学者の時期に講義に食らいついていけば(講義の直後に復習を繰り返す)、必然的に合格は近くなると思います。 
 伊藤塾の講師陣は、伊藤塾長を筆頭に非常にわかりやすい講義(ランク付けによるメリハリ、定義・趣旨から論点への結び付け、条文の構造及びその背後にある考え方、法的思考の仕方、判例の読み方・ポイントの指摘)をしてくださいます。しかし、基礎マスター段階では何がどうわかりやすいかも実際のところわかっていません。わからなくてもいいから、講師がおっしゃることをメモする、思考の仕方・考え方をメモする。これが、後に学習が進んでから大いに役立ちます。後はそのテキストをひたすら反復する。講義のわかりやすさと自分の記憶、理解の定着度はまったく違います。講義を聴いてわかったつもりになって復習しないといつまでたっても成績は伸びません。定義や趣旨、論証の記憶は自分でやる作業であり、講義はその記憶、理解の効率を上げるためのものだということを強く自覚して講義に臨むべきです。ちなみにかく言う私は、この点が疎かであったため合格まで時間がかかりました。
 最後に、私は、自分の使用するテキストを一本に絞りました。基礎マスターテキスト、「情報シート」、「試験対策講座」(弘文堂)の中で最も使いやすいものに情報を一元化した方が良いです。学習効率が違います。

短答式試験対策について

 すべての科目について、択一マスターの受講、過去に出題された問題の検討、答練の受講は必須です。今年の予備試験は初めての実施だったので、過去問は無かったのですが、新司法試験の問題と8割共通だったので、新司法試験の過去問をすべての年度分やりました。過去問、答練は最低でも3回繰り返してください。時間がない場合は、一度目で間違った部分だけ二回目以降で解いてください。
 具体的な学習の仕方は、情報を一元化したテキストの通読(ちなみに私は、憲法:基礎マスターテキスト、行政法:基礎マスターテキスト 民法・商法・民事訴訟法・刑事訴訟法:情報シート、刑法:基礎マスターテキストを使用していました)、過去問・答練の検討、通読・・・・・・の繰り返しを3月の初めから行いました。

論文式試験対策について

 旧司法試験と違って、短答式試験対策においてインプットは済んでいるので、ひたすら「問題研究」・過去問の答案構成及び一日一通を目標に書く作業を行いました。何より短答式試験対策で手が鈍っていたので、それを戻すことに集中しました。そして、論文直前答練の受講は必須です。自分の答案の弱点、形式を守れているかを他人にチェックしてもらう最良の機会です。私は直前の添削で指摘されたこと(特にナンバリング等の形式面)が本試験で大いに役立ちました。呉講師曰く「論文は、試験官へのラブレター」です。形式面を疎かにした読みにくい答案では、自分の気持ち(法律の理解)は試験官に伝わりません。 
 学習において意識すべきことは、論証を頭に入れることはもちろんですが、問題提起において何故これが問題になるのか、何故この論点が出てくるのかを具体的に(しつこいぐらいに)指摘することができるようにすることが重要です。これが理解を示す最も重要なポイントです。あてはめについては、到達点を明確に示すことを意識してください(具体的には、憲法において、事実を並べて「実質的関連性あり」とするのではなく、この事実によって有効性が認められ、この事実によって適切と考えられるから「実質的関連性あり」とする)。

法律実務基礎科目対策について

 岡崎講師の基礎マスター及び答練は必須であり、かつ、これで十分です(私は、これのみで論文式試験の法律実務基礎科目はA評価でした)。短答式試験後、これの復習を繰り返してください。目安としては、民事・刑事それぞれ1日ですべてのテキスト及び答練を復習できるぐらいになるまで理解してください。これは、口述試験の対策にもなります。

一般教養科目対策について

 短答式試験、論文式試験とも伊藤塾の講義を受け、一度復習し、さらに直前にざっとそれを見返せば十分です。ちなみに、私は短答式試験の一般教養科目はマークミスで0点でした。法律科目をしっかりやっていれば、それでも受かりますので必要以上に気にする必要はありません。

口述試験対策について

 論文の法律実務基礎科目・無料公開講座の講義の復習及び民事訴訟法・刑事訴訟法の「情報シート」(条文・規則を中心に)を繰り返してください。短答式試験・論文式試験の復習のみで新たにやることはありません。あと、口述模試は必須です。緊張感への慣れ、実務家の先生から直接アドバイスが貰える点でこれ以上有意義な対策はありません。

旧司法試験との関係について 

 旧司法試験の対策から予備試験の対策に移るに際して、学習方法で変えた点はありません。つまり、旧司法試験の対策がそのまま通用します。科目が増えたので最初は大変かと思ったのですが、行政法は憲法の理解や答案での当てはめを学ぶうえで有益であり、法律実務基礎科目は民法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法の理解を深めるのに有益であったので、大して苦痛にはなりませんでした。よって、旧司法試験の受験者にとって有利な点はあっても、不利な点は無いと考えます。

伊藤塾の学習フォローについて 

 私は、地方で受験していたので情報不足を心配していたのですが、伊藤塾の在宅校のスタッフの方が親身になって対応してくださったおかげで合格できました。よって、地方に住んでいるからといって気にすることは何もありません。

司法試験受験の準備として 

 予備試験で手一杯で正直何もしていません。今後は伊藤塾のカリキュラムに従って、十分な対策を立てて、上位合格を目指します。

最後に 

 予備試験の勝因を挙げるとするならば、それは「伊藤塾」!ほかの受験指導校については知りませんが、伊藤塾なら必ず予備試験の合格を手にすることができると思います。