論文試験の“壁”を予備試験で越えられたのは伊藤塾の基礎マスター講座のおかげです。

社会人・既卒者

 Cさん(37歳)

滋賀大学経済学部卒業
【受講講座】
基礎マスター、短答マスター、論文マスター、コンプリート論文答練、論文直前答練、口述模試 など
 
※プロフィールは、2011年合格時点のものです。


はじめに

 私は、長らく旧司法試験の受験をしており、無くなる最後の年まで受験しました。もともと旧司法試験の受験をしようとしたきっかけは以下の通りです。私は大学は経済学部で公認会計士などの資格を取ろうと考えておりました。そんな折り、大学3年生の頃に交通事故にあい、1年近く療養生活を送ることとなりました。その後家庭の経済的事情により、どうしても就職せざるを得ないこととなり、たまたま就職した先が法律事務所でした。最初に就職した法律事務所は、設立して年も浅く初めて司法修習生を迎えるということで、活気のある事務所でした。そして司法修習生の方とお話をしている内に、せっかく若いのだから、何もしないのはもったいない、司法試験を受けようと決心しました。ところが、旧司法試験の短答式試験は受かるものの、論文式試験に落ち続け、最後の旧司法試験も同じくでした。その後、今の自分にもっとも合うのは何だろうと考えた結果、予備試験を受けようと考え、受験指導校のホームページを検索した結果、短期合格者を多く輩出している伊藤塾を選びました。  

私がとった勉強方法 

基礎的な法知識・法理論の修得について

 私は旧司法試験を受験し続けていたので予備試験用には新たに行政法と法律実務基礎科目を学習する必要がありました。行政法も法律実務基礎科目もひたすら伊藤塾の予備試験用の講座を聴く毎日でした。なお、旧司法試験の科目にあった六科目の修得方法は以下の通りです。前述の通り、私は経済学部出身であり、法律の知識は全くありませんでしたので受験指導校利用は必要でした。勉強を始めた平成9年当時は地元から通える受験指導校は、伊藤塾ではない他の受験指導校しかありませんでした。その当時は通信講座で勉強を持続する自信が無く結局通学できる受験指導校を選びました。しかし、長い受験生活を経て伊藤塾の予備試験の行政法の基礎マスターを受講してみて感じたことは、通信講座でも伊藤塾の基礎マスターにすれば良かった、最初から伊藤塾の基礎マスターを利用していれば、旧司法試験の段階で最終合格できたのではと、予備試験の伊藤塾の講座を聴きながら何度も感じました。伊藤塾の基礎マスターは図も多用して分かり易く、しばらくインターネット講義を受講していないとメッセージが流れ、強制的に勉強をするきっかけができるのです。平成9年当時通信で勉強を持続する自信が無くやむなく他校の入門講座を選択したことを、非常に後悔しました。

短答式試験対策について

 短答式試験対策は旧司法試験の3科目(憲法、民法、刑法)と予備試験で新たに増えた4科目(商法、民事訴訟法、刑事訴訟法、行政法)とに分けて書きます。
 旧司法試験の3科目については、私は、通学できるからという安易な理由で他校の短答式の対策講座を受講しました。しかしなかなか身につかずこのまま旧司法試験の短答式試験に合格できるのかという不安を覚えました。そんなあるとき、平成12年秋頃に呉講師の短答式試験対策の講座を受講し、その講座では伊藤塾の択一マスターの情報シートを使って講義が行われました。その頃には在宅受講でも勉強を持続する意欲があり、何度も聴いた覚えがあります。情報シートに情報を一元化した結果、平成13年に初めて旧司法試験の択一式試験に合格しました。それ以来、旧司法試験の最後の平成22年に至るまで、平成20年に1回落ちただけで、すべて合格しました。
 また、予備試験で新たに増えた4科目については、昨年平成22年の論文後に受講した短答マスターを聴いて、短答マスターで使用される情報シートに情報を一元化して、ゴールデンウィークにひたすら読み込みました。尚、旧司法試験と予備試験の短答式試験の違いは、予備試験の方が問題が素直だという印象があります。旧司法試験の短答式試験は、刑法のパズル問題など事務処理能力が高度に要求されますが、予備試験の短答式試験は基本的なことを聞かれています。そのため情報シートを中心にした継続的な学習は旧司法試験以上に重要だと思いました。

論文式試験対策について

 論文式試験対策は、伊藤塾のコンプリート論文答練と論文直前答練を受講しました。とくに論文直前答練は短答式試験後の毎週土日の午前中に行われており、当該土日までに伊藤塾の論点表を使って、論証確認をし、問題集を使って答案構成をしました。コンプリート論文答練も論文直前答練もよく練られており、単に論証をはき出すとか、判例をはき出すとか言うものではありませんでした。私は長い間旧司法試験の論文式試験に苦戦しておりましたが、伊藤塾の答練の復習、論証チェック、問題集各科目1冊をくり返しこなすことを徹底した結果、予備試験の論文式試験を突破できたと思っています。

法律実務基礎科目対策について

 法律実務基礎科目については、民事と刑事に分けて書きます。
 民事については伊藤塾の基礎マスター要件事実を聴いて、その講座の中で使われた問題研究要件事実を徹底的にマスターしました。「問題研究」の本は薄いですが、内容は濃く、友人と一緒に「問題研究」をマスターしているかの確認をし合いました。
 また、刑事については伊藤塾の基礎マスター刑事実務基礎を聴いて、答練の解説を2回聴きました。刑事実務基礎は岡崎講師が担当されていましたが、岡崎講師の解説はだらだらとしたものではなく、ポイントを突いていて、そのポイントが論文式試験本試験で的中しました。

一般教養科目対策について

 (1) 短答式試験対策について
  短答式試験は点数もあまりよくなかったので、ここであまり言えるものではありません。また時間との兼ね合いで範囲の広い一般教養を確認するより、範囲が決まっている法律科目をマスターした方が短答式の試験突破につながるであろうと考えてあまり勉強することはできませんでした。ただ全く手をつけないのは心配でしたので、伊藤塾の一般教養対策講座を一週間で聴きました。このようにあまり時間をかけてはならない一般教養科目対策を短期間で学習できたのは伊藤塾のインターネット講義を倍速で聴くことができたからだと思っています。 
 (2) 論文式試験対策について
  論文式試験は伊藤塾の一般教養論文講座を聴きました。坂本講師の一般教養論文講座は具体的でとても分かり易かったです。これまで私は一般教養論文を書いたことはなく、一般教養論文に正解などあるのだろうかという気持ちでしたが、坂本講師の講座を聴いて、なるほど正解というものがあるのか、という気持ちになりました。

口述試験対策について

 口述試験は伊藤塾の口述模試を受けるとともに、岡崎講師のオープンスクールを聴きました。オープンスクールでは民事訴訟法と刑事訴訟法の条文の素読が必要と言うことでしたので、私はもう一度伊藤塾の短答マスター民事訴訟法と刑事訴訟法を聴きました。このように短答マスターを聴いた理由は、漫然と条文の素読をするよりも短答マスターを聴いて重要なポイントであるところを確認したいと思ったからです。ただ本番まで時間がなかったうえに働いているため、倍速受講で聴きました。また模試については、一番近い会場が伊藤塾京都校であったため、伊藤塾京都校で受けてきました。その模試の時に受け答えの仕方や口述に臨む態度などを教えてもらいました。

旧司法試験との関係について 

 私は前述のように長い間旧司法試験を受けてきました。予備試験は旧司法試験の科目数を増やしただけで、中身は変わっていないと思います。むしろ、旧司法試験の問題をさらに基本的にしたものではないかと思います。私は旧司法試験の論文式試験で苦戦しましたが、結局は旧司法試験でも予備試験でも分からなくなったら条文に戻ることにつきると思います。そして問題文から離れないことも大事だと思います。伊藤塾の答練の解説の中で、規範をど忘れしても問題文から規範を作ることができるようになることが求められている、と聴いたことがあります。実際、本番の刑事訴訟法で規範をど忘れしましたが、伊藤塾での解説が活きて何とか書けたと思います。

伊藤塾の学習と仕事との両立、学習フォローについて 

 私は旧司法試験の勉強を始めた当時から法律事務所の事務員をしていました。途中、パートタイムに変わったりしましたが、ここ2年は家庭の経済的事情でフルタイムで働かざるを得ませんでした。しかし、通勤時間には伊藤塾の講義で音声ダウンロードができるものはダウンロードして聴きましたし、また自宅で講義を聴いた分については通勤時間を演習時間に充てたりしました。途中仕事が忙しくなったりしてログインしていないとメッセージが流れたので、そのメッセージが流れるのが悔しくて毎日数分でもネットにログインして講義を聴こうと努めました。

司法試験受験の準備として 

 予備試験の科目は旧司法試験よりも増えましたが、選択科目と一般教養科目の有無以外は司法試験と共通しています。だからこそ、予備試験の段階でも決して基礎は怠ってはならないと思います。行政法の基礎マスター、論文マスターなどはもう一度、司法試験受験にあたり復習をしたいと考えています。

合格後を見据えて 

 長く受験生活を続けていると自分が何をしたいのか分からなくなります。そしてくじけそうになることもあります。しかし一度勉強を始めたからには、ここでくじけてはならない、負けてはならないと自分に強く誓っていました。  

最後に 

 予備試験に受かることは司法試験の受験資格を得ることができるに過ぎないかも知れません。しかし、予備試験に受かったことによって自信もつきますし弾みになると思います。特に私のように働いていると仕事における自信もつくと思います。だからこそ、社会人も多く目指してほしいと思います。