実践的な論文を書く力は、岡崎講師・伊関講師から授かったことが多いです。

B.Nさん(24歳)

大阪市立大学法学部卒業/国公立大学法科大学院(既修)3 年在学中

◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、司法試験既修本科生、予備試験口述模試など
※掲載しております合格者のプロフィールは、2013年合格時点のものです。
※2013年予備試験合格者の皆様は、司法試験合格前のため、ご本人の学習環境に配慮して、実名・イニシャルでの公表を控えさせていただきます。


 

はじめに

私は、社会正義を実現する、自由業であるなどの弁護士像に憧れて、大学1年生の5月に入塾しました。伊藤塾を選んだ理由は、体験講義で聴いた伊藤塾長の講 義がわかりやすかったことや、試験対策講座を読んでみて、伊藤塾の教材なら法律の勉強も興味をもって取り組めると思ったからです。

私がとった勉強方法

基礎的な法知識・法理論の修得について

法律の基礎知識は、ほとんど全て入門講座で学びました。予備試験で新たに追加された実務系の分野以外は、基礎マスター をしっかり復習すれば十分だと思います。司法試験ともなれば、細かくて難解な問題もたくさん理解しなければならないように錯覚しやすいですが、出題されて いるのは重要な論点ばかりです。細かいところを追いかける勉強は求められていないと思います。ただ、基礎マスターをしっかり復習するということが、そもそ も大変です。重要な論点しか出ないといっても、重要な論点は山ほどあります。よく言われることですが、法律の勉強は何回も繰り返すことによって少しずつ理解が深まっていき、全体を見渡せるようになるものです。最初は覚えては忘れての繰り返しになるのが普通の人だと思いますが、そこで投げ出さないで何回も繰り返せるかが勝負だと思います。

短答式試験対策について

短答式試験対策としては、(1)新司法試験の過去問(7年分)を繰り返すこと、(2)情報シートに情報を一元化することをしました。短答の勉強では、逐条 式にまとまったテキストが非常に有用です。最初は判例六法に書き込んでいたのですが、スペースの都合上限界がありました。そこで、情報シートに切り替えま した。これは余白も十分にあり、横書きで見やすいというメリットもあり、短答の勉強の効率化が図れたと思います。

論文式試験対策について

論文の基礎力は問題研究テキストを繰り返すことで身につけました。問題研究を繰り返すうちに、何回も出てくる論証は固めておく必要があると思い、論証パターンの裏になるべく簡潔な論証を書き写して、それを覚えるようにしました。この作業をしてからは、論証の正確性が上がったと感じました。
基礎マスターのときと同じことですが、論文の勉強もある程度繰り返さないと身につきません。私も問題研究を最終的には8~10回くらいは繰り返していると思いますが、ある程度全体が理解できてきたと感じたのは、6回目以降くらいだったと思います。

法律実務基礎科目対策について

実務科目については、岡崎講師の法律実務科目基礎マスターを受講しました。予備試験で出題されるレベルはこの講座で十分に学習できると思います。この講座では「紛争類型別の要件事実」もしっかり教えていただけるので、要件事実の勉強もこれで足りていると思います。
刑訴実務の理解は、刑訴の理解を飛躍的に上げてくれます。論文論点の勉強に偏っていると、実は重要な条文にほとんど触れないままになってしまいがちです。刑訴実務の勉強をすれば、刑訴法の全体像がはっきりとしてくると思います。

一般教養科目対策について

(1)短答式試験対策
一般教養対策は何もしていません。私は2年連続で60点中の27点(20問中9問正解)でした。これくらい取れていれば、短答合格の足を引っ張ることはな いと思います。一度本番の問題を解いてみて、半分くらい取れるのであれば、一般教養対策は無視しても問題ないでしょう。
(2)論文式試験対策
こちらも何もしていません。本番の文章は、そこまで難解とは感じませんでしたが、現国に苦手意識がある方は、ある程度の対策が必要かと思います。
一般教養の答案の書き方については、‘理論的に書く’ということは法律科目と同じですが、見解の要約等、独特の出題はありますから、対策を練っていればそれに越したことはないでしょう。
私の本番の評価は「C」でした。これでも論文は合格しています。やはり法律科目の評価を上げられるように勉強することが最優先だと思います。

口述試験対策について

私は論文に合格しているとは思ってなかったので、合格発表までは口述を意識した対策はしていませんでした。しかし、私は法科大学院3年生ですから、択一試 験対策は継続していました。細かい知識を一から思い出すような勉強をする必要はなかったので、その意味での焦りはありませんでした。論文に合格している自 信の有なに関わらず、択一の勉強を継続しておくことは大事だと思います(論文に合格しようがしまいが、択一試験はもう1回は受ける必要がありますから)。
民事の対策としては、(1)民訴択一過去問の復習、(2)「紛争類型別」の復習、(3)民事執行・保全の基本事項の勉強をしました。特に(2)・(3) は、本番でもかなり役に立ちました。執行・保全はあまり勉強したことがない方が多いかと思いますが、実際に聞かれていますので、本当に基本的な事項だけい いので、準備しておくべきです。
刑事の対策としては、(1)刑訴択一過去問の復習、(3)刑法各論の択一過去問の復習をしました。今年は承継的共犯の論点が聞かれたので、刑法総論も出るということがわかりました。昨年、今年の傾向を見ると、余力があれば刑法は全体的に復習するのがよいと思います。
法曹倫理については、法律実務科目基礎マスターで扱った職務基本規程の条文の意味がわかる程度の準備をしておきました。

伊藤塾の学習と大学生活との両立、学習フォローについて

法科大学院では、様々なタイプの法律家の方と触れ合う機会があります。私には、どの仕事も魅力的に思えます。最終的にどのような仕事を選ぼうと、自分の信念を持って仕事をしたいです。

最後に

論文の出来に自信がなかったので、今回の合格は意外なものでした。やはり本番の相対評価では、何が起こるかわからないということでしょう。自分で失敗した と決めつけて、途中であきらめる必要はないです。最後まで全力で取り組むことは本当に大切だと感じました。予備試験は第3回を数え、当初ほど‘異常に狭き 門’ではなくなりました。基本事項を正確に表現できれば合格できる試験です。現在、予備試験ルートのチャンスは広がっていますので、ぜひチャレンジしてください。
実践的な論文を書く能力・技術は、伊藤塾講師の岡崎講師・伊関講師から授かったことが多いです。両講師には本当に感謝しています。司法試験まで、さらにいろいろなことを吸収していきたいです。
私が勉強に集中できる環境にあるのは、一重に両親のおかげです。いつもありがとう。司法試験まで全力で突っ走ります。