何よりもまず基礎マスターを一周し、細部より全体の把握に努めるべき
E.H さん
◆ 合 格 校 / 東京大学法科大学院(既修)、 中央大学法科大学院(既修)
◆ 受 講 講 座 /司法試験入門講座本科生+リーガルトレーニング、コンプリート論文答練、予備試験論文直前答練+ 全国公開論文模試、予備試験短答答練、全国公開短答模試、予備試験口述模試など
※プロフィールは、2016年合格時点のものです。
私がとった勉強方法
基礎的な法知識・法理論の修得について
周りの塾生の多くは入塾から3年目までに予備試験を突破するのに対し、私は4年目までかかってしまったのですが、これは私がカリキュラムを上手くこなせなかったのが原因と考えています。そこで、私の基礎マスター利用上の反省点を述べたいと思います。
まず、基礎マスターの理解に時間をかけすぎてしまった点です。法律の学習は自分の頭で考えることももちろん重要ですが、法律は難解かつ相互に有機的に関連しており、疑問点のみ考えていても腑に落ちない、理解できないことが多々あります。そのため初学者は何よりもまず基礎マスターを一周し、細部より全体の把握に努めるべきと考えます。
次に、基礎マスターの理解に固執しすぎて、演習への挑戦をためらってしまった点です。あてはめの作法や規範の意味するところなどは問題にあたらないとわからないので、たとえ理解が追い付いていないとしても、論文マスターや基礎マスター答練に挑戦し、そこでできなかった、わからなかった点を基礎マスターテキストで確認する形が効率的と考えます。論文マスターでは基礎マスターでは必ずしも言及されない実践的知識も伝授されるので(私は体感的に、予備試験合格に必要な知識の6割を基礎マスターで、残りを論文マスター含む答練講座で得たと感じています。)、その意味でも、早めに取り掛かることが短期合格の近道と考えます。
そして、基礎マスター段階で、基本書を多用してしまった点です。確かに近年基本書の中にもわかりやすいものは多いです。しかしそこで見つけた魅力的な学説というのは多くの場合、基礎マスター段階でその効用を十分に理解することはできず、かえって体系的理解に混乱をもたらしかねません。基本書は、コンプリート答練等実践練習の段階で、最新判例のロジックや、従来の通説の超克が問題になったときに適宜参照する程度でよいですし、その場合も自説への影響を考え慎重に扱うべきです。
このように、基本的法知識・理論は早々に基礎マスターで身につけてしまえば十分と考えます。
論文式試験対策について
私は論文ナビゲートテキストを直前確認教材にして、コンプリート論文答練や直前答練に臨みました。そしてそこで学習した点を論ナビに転記して、次回の出題に備えました。このように、手ごろなものに情報を一元化してしまえば、試験前の確認不足による不安を払しょくできます。上記答練では未知の問題への対処やあてはめの運用、現在の実力や目指すべき答案を一挙に明らかにしていただけるので、おすすめです。私は上記答練で出題された点は正確に解答できるよう、繰り返し取り組みました。
法律実務基礎科目対策について
基本知識は基礎マスター、論文マスターで用いた教材で必要十分だと思います。新問研と塾教材の内容を完璧にインプットし、コンプリートや直前答練でアウトプットの練習をしつつ条文等の不足知識の確認をするだけで、十分合格レベルに達することができると思います。配点が大きく、かつ民法や刑法の答案が向上する効果もあるので、しっかり取り組むべきです。
最後に
私は自分の正義感に素直でいてもよい職業に就きたいと幼少期より思っていました。数ある職業の中で検察官がそれに最も近いと思い、目指すに至りました。私の勝因は検察官になりたい気持ちの強さだと思います。司法試験では運に頼らない確かな実力をつけて上位合格を勝ち取りたいです。