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明日の法律家講座 高田馬場校第13回
2014年4月19日(土)実施
アスベスト被害の広がりと救済、根絶をめざして~泉南アスベスト国賠訴訟の闘いから~
【講師】
村松 昭夫 氏(弁護士、「大川・村松・坂本法律事務所」所属、大阪・泉南アスベスト弁護団副団長(主任))
澤田 慎一郎 氏(千葉大学人文社会科学研究科修士課程在籍)
講師プロフィール
村松 昭夫 氏(弁護士、「大川・村松・坂本法律事務所」所属、大阪・泉南アスベスト弁護団副団長(主任))
1980年 京都大学法学部卒業
1982年 弁護士登録
現在 大川・村松・坂本法律事務所
役職
元日弁連公害対策・環境保全委員会委員長
全国公害弁護団連絡会議(公害弁連)幹事長
財団法人公害地域再生センター(あおぞら財団)理事長
日本環境会議副理事長
澤田 慎一郎 氏
2009年 京都精華大学人文学部卒業
2012年 千葉大学人文社会科学研究科入学
全国労働安全衛生センター連絡会議事務局次長
泉南アスベスト国賠勝たせる会事務局
講師からのメッセージ
アスベストを原因とする中皮腫、肺がん、石綿肺などは、今なお、毎年数千人規模で発生しています。アスベストは、「魔法の鉱物」ともてはやされ、過去約1,000万トンが輸入され、建材など3,000種類もの用途に用いられました。その多くがいまなおビルなどに残存しています。
アスベスト被害は、採掘、運搬、加工、使用、廃棄の経済活動の全過程で被害が発生し、今後も、数万人規模での被害発生が予測されています。まさに、史上最悪の職業病であり、公害です。
大阪・泉南地域には、20世紀初めから小規模零細の石綿紡織工場が集中立地し、戦前は軍艦製造などの軍需産業を、戦後は、造船や自動車などの基幹産業を下支えしました。その一方で、保険院調査によって戦前から深刻な被害が確認されていました。
泉南アスベスト国賠訴訟は、そうした泉南アスベスト被害に対する国の責任を問う裁判です。1陣地裁判決で勝利しながら、2陣高裁判決では驚くべき不当判決、その後、2陣地裁判決、2陣高裁判決と勝利判決を重ね、現在1陣、2陣とも最高裁に係属中です。
何故深刻な被害が発生したのか、被害と加害の構造は、国の役割と責任は等々。泉南アスベスト国賠は、生命、健康の保護と産業発展のあり方、それに対して司法がどう向き合うべきかを問いかけています。
被害の掘り起こし、裁判提起、法廷活動、法廷外での運動など、原告団、弁護団、支援者の取り組みと思いをご紹介します。