明日の法律家講座 バックナンバー
明日の法律家講座 東京校第194回
2012年5月19日(土)実施
国際派経営弁護士の苦悩と生き甲斐について
【講師】
原口 薫 氏 (弁護士)
講師プロフィール
原口 薫 氏 (弁護士)
1994年 米国シカゴ大学ロースクール修士課程卒業
<資格>
1989年 東京弁護士会登録
1995年 ニューヨーク州弁護士登録
<職歴>
2003年~現在 原口総合法律事務所 所長
講師からのメッセージ
「明日の法律家」を目指すみなさんに対する講演のタイトルに、「苦悩」というネガティブな言葉を使うことが果たしていいのか迷いましたが、国際派経営弁護士の本当の姿をお伝えしたいという思いから、あえて「苦悩」という言葉をタイトルに使わせていただきました。
私は、金融に強い法律事務所に入所したことから、弁護士としてのキャリアをスタートさせました。その後、金融に強いシカゴ大学に入学し、ニューヨーク・イギリスの法律事務所において研修を行い、発展途上国向けの円借款の実施機関である経済協力基金に出向してまいりました。そして現在は、世界189ヵ国、3000人以上が所属する世界的な弁護士の集合体であるAEAの主要なメンバーであり、アジア地区を代表するダイレクターも務めております。
また、私どもは日本の法律事務所として初めてモンゴルに進出し、これまでの経験と、モンゴルを含む世界的なネットワークを生かし、モンゴルへの投資やモンゴルにおける事業展開を考える依頼者の方々に対する法的アドバイスも行っております。 このように、国際派弁護士という分野は一見華々しい仕事のようですが、実際は様々な苦悩・問題を抱えています。そこで今回は、どのような苦悩や問題点があるのかについて、国際派という面と経営者という面の両面から、ありのままをお伝えできればと考えております。具体的には、私のアメリカ、イギリス、モンゴル、中国などでの業務を踏まえ、言語、法律・文化の違いなどによる依頼者や相手方とのコミュニケーション・ギャップについてお話をさせていただきたいと思います。
経営弁護士としての苦悩としては、優秀な弁護士やスタッフの採用、教育、依頼者との関係の形成、維持、他の事務所との競争などを巡り、毎日思い悩むことのいくつかをお話したいと思います。
もっともそれだけでは、皆さんが法律家になるモチベーションを下げることにもなりかねません。そこで私が国際派の経営弁護士になって本当に良かったと思う瞬間についても、いくつか実例をあげてお話をさせていただきたいと思います。
私の話を聞いて、一人でも多くの方が法曹への夢を膨らませ、我々の仲間になっていただければ幸いです。