明日の法律家講座 バックナンバー
明日の法律家講座 東京校第199回
2012年8月4日(土)実施
貧困問題の現場から〜私たちに何ができるのか〜
【講師】
雨宮 処凛 氏(作家、社会運動家)
船崎 まみ 氏(弁護士、「北千住法律事務所」所属)
講師プロフィール
雨宮 処凛 氏(作家、社会運動家)
2006年からは新自由主義のもと、不安定さを強いられる人々「プレカリアート」問題に取り組み、取材、執筆、運動中。メディアなどでも積極的に発言。311以降は脱原発運動にも取り組む。
2007年に出版した『生きさせろ! 難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)はJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞。
著書に『プレカリアートの憂鬱』(講談社)、『雨宮処凛の闘争ダイアリー』(集英社)、『14歳からの原発問題』(河出書房新社)、『小心者的幸福論』(ポプラ社)、『何もない旅 何もしない旅』(光文社文庫)、『排除の空気に唾を吐け』(講談社新書)、小説『バンギャル ア ゴーゴー』(講談社文庫)など多数。
「反貧困ネットワーク」副代表、「週刊金曜日」編集委員、フリーター全般労働組合組合員、「こわれ者の祭典」名誉会長、09年より厚生労働省ナショナルミニマム研究会委員。
船崎 まみ 氏(弁護士、「北千住法律事務所」所属)
2007年弁護士登録。東京弁護士会の都市型公設事務所、愛知県岡崎市の法テラス三河法律 事務所と公設系事務所に約4年半勤務後、2012年1月より北千住法律事務所勤務。
東京弁護士会所属。日本弁護士連合会貧困問題対策本部委員。
講師からのメッセージ
<雨宮先生>
この六年ほど、格差・貧困問題の現場の取材を続けてきました。どうして今のような状況になったのか、そしてどうやって解決していけばいいのか、みなさんと一緒に考えられればと思っています。
また、具体的な法的知識を持つことが、どれほど人の生存を支え、時に命を救うかを痛感してきた数年でもありました。
当日はそんなお話ができればと思っています。
<船崎先生>
借金の取立から逃げるため過酷な路上生活を続けている人、違法な水際作戦で必要な保護を受けられない野宿者、「貧困ビジネス」を行う業者に生活保護費を搾取される人、生活保護を受けているのに独力では金銭管理もできず、日常生活も送れないまま放置された障害者、派遣会社に給料をピンハネされ生活苦に陥り、その会社から高利の前借りを強いられる労働者…、社会から隔絶されこのような貧困の渦中で生きる人たちがいます。これらのケースは、野宿者への夜回りや民間支援団体や行政機関との連携等により発覚したものです。「本当に困窮する人には、弁護士の側から近付かなければ、その声を拾うことはできない」というのが私の経験上の実感です。身近にある貧困問題に弁護士の側からどう近付き、何ができるのか、皆さんと考えていきたいと思っています。