明日の法律家講座 バックナンバー
明日の法律家講座 東京校第246回
2016年5月28日(土)実施
日本の治安、国民の安全・安心を守る~警察庁での国家公務員としての仕事~
【講師】
立崎 正夫 氏(警察庁国際テロリズム対策課長(前人事課人事総括企画官))
講師プロフィール
立崎 正夫 氏(警察庁国際テロリズム対策課長(前人事課人事総括企画官))
埼玉県生まれ
1992年 国家公務員一種(現総合職)試験、司法試験合格
1993年 警察庁入庁
1997年 米国(コーネル大学ロースクール)留学
1999年 神奈川県警察本部交通規制課長
2001年 警察庁生活安全企画課
2003年 警察庁外事課
2006年 在タイ日本国大使館一等書記官
2009年 警察庁生活経済対策管理官付
2010年 首相官邸(内閣官房副長官秘書官)
2011年 国家戦略担当大臣秘書官
2012年 首相官邸(内閣総務官室)
2013年 警察庁人事課人事総括企画官
2015年 警察庁国際テロリズム対策課長(現職)
講師からのメッセージ
警察という組織の魅力は何か。なぜ、そこで働き続けるのか。このような問い掛けに対して、多くが「人」という言葉で答えてくれます。何十年も前の同僚と、今でも親しい付き合いをしていること。困難な問題に直面したとき、それを聞きつけて全国から応援の申出が寄せられたこと。
私たちには、国民の安全・安心を確保するという志を共にする、30万人の仲間が全国にいます。東日本大震災の直後、津波が迫るなか、非難する住民を誘導し命を落とした警察官のように、文字どおり自分の命を懸けて人の命を守るという覚悟を持った仲間です。
私が学生当時、警察庁を志望したのは、人々の様々な活動や日々の暮らしを支える仕事に尊さを感じ、思いのほか幅広く、そして奥深い仕事であることを見いだしたからでした。ここでは、治安や国民の安全・安心といった普遍的な価値を追求し、正義を貫くことができます。霞が関では政策の立案を、都道府県警察という第一線では、自らの手で政策を実行することができます。多くの治安事象は国境を越え、私たちの活動が国内だけにとどまることは、むしろ限られた場面となっています。
そして何より、警察庁で働く「人」に魅力を感じ、ここでは自分が「人」として成長できるに違いない、と感じたことが決め手となりました。困難な決断の場面では、正義を貫くという信念を頼りに、これまでの人生経験と人格の全てを懸けた判断が求められます。都道府県警察における第一線勤務では、学歴や国家公務員試験合格者であるということは、大きな意味を持ちません。自ら先頭に立って組織を率い、目の前にある生の事象に正面から立ち向かわなければなりません。そのような経験は、私たちを「人」として成長させてくれます。
私は、これまで20数年間、警察庁のほか、都道府県警察や海外、他省庁において、多くの人に出会い、様々な仕事をしてきました。その経験をご紹介しながら、私たちの仕事についてお伝えしたいと思います。
伊藤塾より
この回の「明日の法律家講座」はネット配信はありません。