明日の法律家講座 バックナンバー

明日の法律家講座 東京校第265回

2017年11月11日(土)実施

法曹として日本と中国の架け橋になるために

【講師】 松尾 裕介 氏(弁護士、「AZ MORE国際法律事務所」所属)
 


講師プロフィール

松尾 裕介 氏(弁護士、「AZ MORE国際法律事務所」所属)

松尾 裕介 氏
1999年  東京学芸大学附属高等学校卒業
2004年  慶應義塾大学経済学部卒業
2007年  駿河台大学法科大学院法務研究科卒業
同年 最高裁判所司法研修所入所
2009年  第二東京弁護士会登録
同年  島崎法律事務所入所
2010年  IP FOWARD 法律事務所(上海事務所)入所
2013年  上海外国語大学留学(語学研修生過程修了)
2014年  復旦大学(中国上海)留学(法学部普通進修生過程修了) 
同年 King and Wood Mallesons(金杜)法律事務所(上海事務所)入所 
2017年 AZ MORE国際法律事務所開設

 
講演実績
2016年 「中国当局による抜き打ち調査に対する対応方法」King & Wood Mallesons(金杜)法律事務所主催(上海市)
主な著作
2014年~現在 上海ジャピオン紙(中国上海市で発行されている週刊の日本語新聞)の法律コラムを隔週で執筆(第1回から現在まで第74回目)
 

講師からのメッセージ 

 私は、2011年から6年半、中国上海で勤務していました。中国現地の法律事務所で、主に、知的財産法(模倣品対策)、税関法、日中間のグローバルM&A、労働法、独占禁止法、海事、商業賄賂などの案件に携わってきました。法制度、実務が異なる中国と日本とでは、日本の常識が通じないことも頻繁にありました。中国の法制度は、相次ぐ改正を経て、充実するとともに、実務も急速に発展、動いています。日本の法実務とは異なる中国法分野への興味は尽きず、現地での勤務は非常に良い経験になりました。
 中国法務といった場合には、以前は、日系企業の対中投資(アウトバウンド)が主な業務内容でしたが、中国の発展と変化に伴い、中国企業の対日投資(インバウンド)業務も徐々に増えてきています。日本にとっての中国の役割、中国にとっての日本の役割は益々大きくなり、日中の業務に関わった場合の活躍の場は大きく広がっています。
 中国に限らず今後海外で働く機会があるときは、積極的に日本を飛び出してみてください。現地の事務所で現地の人々と勤務することで視野を大きく広げることができ、比較法的な視点を身に付けることで、日本の法制度、実務に対する理解も一層深まります。法曹を目指されている皆さんには、日本という枠に囚われない国際的な活躍を期待しています。
 中国の方は、「縁」をとても大切にします。人と人との出会いは縁であり、縁を大切にして、良い出会いを模索してください。私が中国に渡ったのも良き縁に恵まれたからであり、皆さんとの出会いも良き縁になればと思うとともに、中国現地の法律事務所で勤務した私の経験が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。