明日の法律家講座 バックナンバー
明日の法律家講座 東京校第269回
2018年3月17日(土)実施
「先生」と呼ばないで~チームの一員としての弁護士
【講師】 鹿野 真美 氏(「うなての法律事務所」弁護士、元伊藤塾塾生)
講師プロフィール
鹿野 真美 氏(「うなての法律事務所」弁護士、元伊藤塾塾生)
1990年 上智大学外国語学部ロシア語学科卒業
同 年 株式会社山一證券入社
山一証券経済研究所 経済調査部配属(マクロ経済分析担当)
1993年 同社退社
同 年 濱田松本法律事務所(現 森・濱田松本法律事務所)入所(事務員・秘書)
1996年 同所退所
1998年 司法試験最終合格
1999年 司法研修所入所(53期、実務修習地・横浜)
2000年 修習修了・弁護士登録(東京弁護士会)。
2011年 うなての法律事務所 開設
講師からのメッセージ
「検事になる!」突如思い立って司法試験受験を決意しました。
司法試験に合格後、司法研修所の最初の面接で、検察教官に「あなたは、検事に向いていない。」と断言されました。この一言で発奮し、がんばってみたものの、検察実務修習中、「ほんとだ、向いていない。」と納得しました。しかし、実は、弁護士という職業に悪いイメージを持っており、修習修了後の進路に悩みました。法学館の出版編集部で働いていたこともありますが、「『弁護士』になるかどうか、一度、弁護士業務に精一杯取り組んでから決めたらどうか。」という先輩の言葉で、法学館を辞め、弁護士一本の生活に切り替えました。
最初の5年間は、少年事件も含む刑事事件に積極的に取り組みました。昨年他界された庭山英雄先生と一緒に、死刑事件(最高裁)に取り組んだこともあります。
原爆症認定訴訟の弁護団にも加わりました。こうした事件に取り組む人たちは、高尚な理想を掲げた、犠牲的精神の持ち主ばかりで、さぞかしまじめで堅苦しい人たちだろうと思っていたところ、面白くて楽しい人たちばかりでした。そのような誤解が、自分の思い上がりによるものだと気づかされ、恥ずかしく思いました。
弁護士業務のかたわら、というか、最近では、どちらが主かわからないくらいですが、弁護士会の活動(会務)にも積極的に取り組んできました。わたくしの中では、会務と業務は切っても切れない関係、車の両輪のような関係です。
現在、もっとも力を入れている、成年後見分野の業務も、会務も、チームで取り組むことが多く、一般的な弁護士のイメージとは違うかもしれません。「へえ、そんな仕事があるんだ。」と興味を持っていただき、法曹を志すみなさんの将来像の参考になれば、幸いです。